なぜ歴史を学ぶのか

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動画『なぜ歴史を学ぶのか』を訳してみた。歴史を学ぶことは重要だろうか? なぜ過去について知る必要があるのだろうか? 「今を生きる」だけで十分ではないのか? 著名な歴史家であるヴィクター・デイヴィス・ハンソンがこれらの重要な問いに答えます。 youtube.com/watch?v=rCrASZ… pic.twitter.com/djr9PeHhdD

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なぜ歴史を学ぶのか? 皮肉なことだが、この質問は歴史と同じくらい古い。2500年前、アテナイとスパルタ間のペロポネソス戦争の記録を残したことで「最初の歴史家」と称されることも多いトゥキュディデスはこう言った。「今の称賛を得るためではなく、すべての時代の財産となるように私は作品を書いた」 pic.twitter.com/ZJdsffjlOf

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トゥキュディデスは、自分の仕事が彼の時代に何が起きたかを将来の世代が理解する手助けになればよいと考えた。未来の人々がそこから学び、より良い意思決定を下すことができれば、彼の努力は無駄にはならない。 pic.twitter.com/Sj5hFy7aw6

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2000年以上の時を経て、アメリカの社会思想家であるジョージ・サンタヤーナも同様のことを言っている。「歴史を学ばない者は、それを繰り返す」。 しかし、過去について知ることは知恵の前提条件ではあるものの、だからといって歴史家が未来を予言できるわけではない。 pic.twitter.com/PEhXum9d8E

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私たちは自分たちの主張に謙虚でなければならない。歴史を学ぶことは、現在および将来の政治的、経済的、軍事的、文化的課題に対するかけがえのないガイドとなる。しかし、それはガイドに過ぎないのだ。 pic.twitter.com/aYvIuowHZf

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過去の出来事について無知であることも危険だが、時間や場所を問わずに歴史がまったく同じように繰り返すと考えるのも同様に危険である。そんなことはけっしてないからだ。 pic.twitter.com/jAz6zUxpDN

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それでも、適切な注意を怠らなければ、歴史を研究することで将来の危険に備えることができる。 たとえば、いつの時代でも、敵をなだめたり無視したりすることが思慮深い戦略になることはほとんどない。通常、それは悲惨な結果を生む。 pic.twitter.com/7YXz3FQWh7

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マケドニアのピリッポス2世を甘やかしたギリシャの都市国家、アドルフ・ヒトラーの武力侵攻に対する1930年代の弱腰な西側民主主義国家、過激なイスラム主義の危険に対して無関心だった1990年代の裕福な西側諸国などはその例である。 pic.twitter.com/NlKk5qKwlX

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さらに、歴史の研究には別の価値もある。こちらはそれほど認識されていない価値かもしれない。 pic.twitter.com/utQPkltB1J

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どの世代もそうだが、とりわけ私たちの世代には、悪質なプレゼンティズム、すなわち歴史上最も繁栄した時代は今生きている人々が作り上げたという傲慢さがはびこっている。その結果、物質的に貧しかった過去を、裕福で時間的な余裕もある現在の基準で判断することが非常に多い。 pic.twitter.com/ErHQJ8VlX5

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歴史を学ぶ者は、こうした過ちを回避する。 現代は、蓄積された過去の知的、道徳的、科学的功績の恩恵を受けているのは言うまでもないが、また、過去の困難に関する適切な知識により人間性の価値を知ることもできる。 pic.twitter.com/SYOUsgFqba

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1つ例をあげよう。1840年代のオレゴン・トレイルの幌馬車隊について、私たちには偏見のように見えるものを記録することは簡単かもしれない。しかし、効果的な医薬品、省力化に役立つ機械、そして雨露をしのぐ十分な設備もない時代に、… pic.twitter.com/6pzAesmh0e

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…1日1日を生き延びるために開拓者たちがどのような苦労を重ねたかを想像することはそれほど容易ではない。 歴史を勉強することは、大いに必要とされている違った視点を与えてもくれる。 pic.twitter.com/H79u7tCJtw

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たとえば17世紀。イギリス人哲学者のトマス・ホッブズはその時代の人生を「孤独で、貧しく、卑劣で、残酷で、短い」ものだと表現した。死は今よりもずっと近いところにあった。その17世紀に今日の道徳の基準を当てはめることは公平でも賢明でもない。 pic.twitter.com/8nvqPGM1Hw

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COVID-19パンデミックは前例のない公衆衛生上の危機だと多くの人は感じた。1918年のH1N1インフルエンザ・ウイルスの大流行について学ぶまでは。スペイン風邪とも呼ばれるこのウイルスにより、当時は人口が1億人だったアメリカで60万人が亡くなった。 pic.twitter.com/NkOHWufBXl

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世界では5000万人が死んだと見られている。それでも、私たちの国や世界はその疫病を克服し、そこから学んだ。 pic.twitter.com/Cq4CMDd37O

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農業を営んでいた私がトラクターを運転するときの退屈さ、ほこり、騒音をやり過ごす方法の1つは、私の祖父が同じ土地を数頭の馬を使って耕していたことを思い出すことだった。祖父は過酷な重労働をこなし、2日かかって4エーカーの土地を耕した。私は1時間で同じことができる。それも座ったままだ。 pic.twitter.com/aphqB5o5CJ

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しかし、テクノロジーは改善されるが、人間の性質はそうではない。だからこそ、それを厭いさえしなければ、ときを超えて先人とつながることができる。人生を意味のあるものにしようとした彼らの奮闘努力は私たちの奮闘努力でもある。 pic.twitter.com/gEiP6jrfty

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この点では、ダビデ王、ローマ皇帝のマルクス・アウレリウス、エリザベス1世からもまだ学ぶことが多い。そして、ジョージ・ワシントン、フレデリック・ダグラス、ライト兄弟などの傑出した人物から、もう終わりのように見えるときですら、強さと勇気を引き出すことができる。 pic.twitter.com/D4u9ulHOzM

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最後に、歴史は確信よりも警戒に価値を置くことを教えてくれる。まるで現代の道徳劇を鑑賞しているかのように、誰が善で誰が悪かについて性急な判断を下すことは避けるべきだ。 pic.twitter.com/Bzmrfgk1cG

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ジュリアス・シーザー、ロバート・E・リー、ナポレオンなど、歴史の主要な登場人物は、その人生においてときには善い事も行った複雑な男たちだ。彼らの努力は究極的には悪い結果を生んだ。彼らの並外れた能力が事態をさらに悪化させた。それは数多い歴史上の悲劇の1つである。 pic.twitter.com/cvt3cPyDhM

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もう一度たずねよう。なぜ歴史を学ぶのか? ノーベル賞を受けたアメリカ人作家のウイリアム・フォークナーはこう総括している。「過去は死んでいない。過ぎ去ってさえいないのだ」。 pic.twitter.com/f4A3fsV5cA

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スタンフォード大学フーヴァー・インスティチューションの上席歴史学者のヴィクター・デイヴィス・ハンソンでした。(了) 英文スクリプト: ↓ prageru.com/video/why-stud…