【ある冒険者の書物】

サザンクロス @Mizuho_K

【ある冒険者の書物1】『冒険の手引』 冒険者ギルドに所属する者に、最初に渡される手引書。ギルドの一員としての心得と冒険に役立つ知識が記されている。かつては先達の冒険者たちが自身の知識を書き連ねていたが、あまりに膨大な量となってしまったため、現在は必要最低限の項目を除いて削除された。

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【ある冒険者の書物2】『食用野草図鑑』 食用に適した野草が網羅されている。入手難度と味に加え毒性が５段階で評価されており、毒性は第４段階までは命の危険に当たらないとされているが、薬草と同時に摂取することを推奨している。

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【ある冒険者の書物3】『はじめての武器』 武器の使用経験が少ない人間向けの武器を掲載した書物。個人の主観であるためか、極めて有用だが扱いが困難な武器も少なからず存在する。もしも貴方に賢い選択ができる知恵があるなら、ギルドや武器屋で聞いたほうが良い回答が得られることに気付くだろう。

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【ある冒険者の書物4】『魔法生物図鑑 第一巻』 存在が確認された魔法生物の特徴や生態について調査、まとめられたもの。しかし魔法生物は創造主が異なれば生態も大きく変わり、自然発生や進化、変異によって分類しきれないほど多種多様であることが判明。調査は中断され第二巻以降は存在しない。

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【ある冒険者の書物5】『スライムでもわかる宝探し』 駆け出しの冒険者に向けた宝探しの秘訣を記した書物だが、内容を理解できなかった者やスライム愛護団体から「俺はスライム以下か！」「スライムを貶める名称は改めるべき」「スライムには高度な知能が存在する説がある」などと苦情が届いている。

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【ある冒険者の書物6】『魔術入門書』 魔術を扱うための初歩から実践的な内容まで、初心者向けに幅広く書かれた入門書で、殺傷能力や暴走の危険性が少ない魔術の扱いを主としている。才能の無い者には魔術が扱えないことから、自身の才能の有無を確認するために購入する者もいる。

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【ある冒険者の書物7】『宝石言葉』 宝石に込められた数々の言葉が記載されている。色付きで描かれた精緻な宝石の絵は見る者の物欲を刺激するらしく、宝石言葉よりも注目される傾向にある。もし貴方の身近に記念日が近い友人がいるならば、これを見せることは控えたほうがいいかもしれない。

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【ある冒険者の書物8】『命の水』 環境に応じた水の確保手段や確保した水の取扱いなど、野外活動には欠かせない水の知識を得ることができる。水の確保は雨水や夜露のみならず、水分を多く含んだ植物や乳の出る動物についても触れられており、生存のためには努力を惜しまないよう念を押している。

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【ある冒険者の書物9】『未解明語辞典』 未知の文明の痕跡で発見された、文字と思われるものをそのまま記載した書物。学者が解読を効率良く進めるために作ったもので、各々が文字を解読し翻訳文を記述した辞典と根拠資料を持ち込むと、信憑性に応じて学会より報奨金が貰える仕組みとなっている。

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【ある冒険者の書物10】『ある冒険者の引退』 冒険を引退した様々な原因、理由などについてまとめられた書物。冒険者である限り必ずしも平穏な引退ができるとは限らず、不可抗力によるものや、時には死という名の引退に見舞われることもあるという現実を突きつけられる。

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【ある冒険者の書物11】『猫と和解せよ』 猫を神として崇め奉る団体が無償で配布している。すべての生物の頂点に猫が存在し、猫以外の生物が皆猫の下僕であるという自覚を持つための心構えが書かれている。なお、内容を忠実に実践しても猫に気に入られるわけではない。

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【ある冒険者の書物12】『異世界転移放浪記』 巨大猪との衝突を切っ掛けに異世界へ飛ばされた主人公が、持ち前の知識や技術を駆使して活躍する話だ。建物がすべて鋼鉄製、空を飛ぶ乗り物、絵が動く本その他諸々、この作者が書く異世界は俺たちが考えもしなかった世界で、実に見事な想像力だと思うよ。

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【ある冒険者の書物13】『復讐は計画的に』 子供の悪戯程度のものから陰湿なものまで目的に応じた復讐手順を紹介している。感情に流されず復讐を果たすことを方針としており、あまりに合理的な内容ゆえ復讐の熱が冷める者もいる。アサシンギルドへの連絡手段が暗号として隠されているという噂がある。

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【ある冒険者の書物14】『一から始める弓使い』 実践的な弓術を学ぶならこれ、とまで言われる弓使い必携の書物。根底に「当たれば良い」という考えがあるため型には拘らず、構えなどは参考程度に少し書かれている程度。特別付録「エルフ直伝の技術」は、他種族には扱えるまでに相当の修練を要する。

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【ある冒険者の書物15】『野菜を食べよう』 野菜のみを使用した様々な調理法が掲載されており、中にはまるで肉のような味や食感を再現したものもある。これらは食べ合わせや栄養面から肉料理と非常に相性が良いとされ、同じ著者の『肉を食べよう』と一緒に購入することを勧められている。

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【ある冒険者の書物16】『非神論』 神は実在しない、神と呼ばれるものは神にあらず、と主張する論文だ。コレに限った話ではないが、神を否定する根拠「神が全知全能の存在であるならば人間のような不完全なものを創造するはずがない」はよく聞く。だが、私は全知全能の中に趣味を含めていないのだよ。

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【ある冒険者の書物17】『こわいドラゴン』 ドラゴンの強さ、恐ろしさを子供向けに描いた絵本。人間では逆立ちしても敵わない強大な存在として表現されており、これを読み聞かせられて育った者は軽率にドラゴンに挑むような真似はしなくなるという。冒険者ギルド推奨作品に認定されている。

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【ある冒険者の書物18】『あたまがよくなるほん』 これを読んだ貴方は、これを読む前より間違いなく頭が良くなっている。読むだけで頭が良くなるという都合のいい話などないことを知るからだ。

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【ある冒険者の書物19】『今暴かれる？ 国王陛下の過去！』 公表されている国王陛下の人間性や経歴、趣味などが丁寧に整理されていることは評価しよう。だが肝心の「過去」については考察できているならまだしも、ほとんどが想像の域を出ないばかりか、挙げ句「わかりませんでした！」だと？ 金返せ！

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【ある冒険者の書物20】『ある冒険者の失敗』 冒険者たちの失敗談をギルドが取材、記事にしたもの。これを反面教師として己の糧とすることが望ましいが、どれほど気をつけようとも失敗する可能性を無にすることはできない。不用意な言動が騒動を招くことは、誰もが知っておくべきである。

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【ある冒険者の書物21】『完全犯罪の手引書』 証拠を残さずに犯罪が可能と謳われているが、実際には非常に気付かれにくい証拠が残っており、この書物を購入して実践するような犯罪者予備軍を炙り出すための罠だったとされている。なお現在は内容が周知されており、書物は発禁処分を受けている。

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【ある冒険者の書物22】『古びた楽譜』 廃墟の一画で発見された楽譜。長い年月が経っているらしく相当に劣化はしているものの、辛うじて読むことはできそうだ。裏表紙には誰かの名前と思われる文字が書かれている。貴方に〈音楽の知識〉や〈音感〉があれば、これを歌うことができるかもしれない。