ニュースなどでたびたび「ワクチンの効果は○%」という数字が発表されているが、SNS等を見ているとその数字について「いつでもどこでも誰でも何をしても不変」と勘違いしている人が非常に多いようだ。 前にも同じようなことを一度書いたが、未だに誤解が多いので改めて今回書こうと思う。
2022-01-30 22:25:46ワクチンの効果には「感染予防効果」や「発症予防効果」、「重症化予防効果」などいくつかの種類がある。 いずれもワクチンによってそのウイルスに対する免疫を獲得することによって得られる効果である。
2022-01-30 22:25:51なお、これも未だに(医師の人でさえ)誤解があるが、「感染予防効果80%」というのは「ワクチンを接種した人のうち20%が感染した」という意味ではない。 接種から一定期間が経過した後、「接種しなかった人の感染者数に対し接種した人の感染者数は80%少なかった」という意味である。
2022-01-30 22:25:57例えば、被検者を1000人集め、ワクチンを接種する人と偽薬(生理食塩水など)を打つ人を500人ずつに分けた時、3ヵ月後に感染の有無を調べてワクチンを接種した人は感染が10人、偽薬を打った人の感染は100人だったとしたら、感染予防効果は1-(10÷500)÷(100÷500) = 0.9で「90%」となるのだ。
2022-01-30 22:26:02つい先日、オミクロン株に対してもワクチンを2回接種した場合の発症予防効果は52%あることが日本国内で初めて確認された。 nikkei.com/article/DGXZQO… covid-19-japan-epi.github.io/output/ve_naga…
2022-01-30 22:26:10冒頭で述べた通り、その「52%」という数字は「いつでもどこでも誰でも何をしても52%」という意味ではない。 ウイルスが体内に侵入してきた時、発症や重症化をするかどうかは体の免疫がウイルスを排除するスピードと、ウイルスが増殖するスピードとの競争になる。
2022-01-30 22:26:16たとえワクチンを打っていても、もし大量のウイルスが体内に入ってくれば免疫によるウイルスの排除が追い付かず、体内でウイルスが爆発的に増加してしまい、重症化する確率も高まることになる。
2022-01-30 22:26:21先ほどの「オミクロン株に対するワクチン2回接種の発症予防効果は52%」という数字はあくまで被検者の平均にすぎず、自粛を一切せずに飲み会に行きまくりの人も、感染しないよう徹底的に自粛していた人も全員ひっくるめての数字なのである。
2022-01-30 22:26:27「52%」という数字だけを見ると、感染した時に発症する確率はほぼ半々で、完全に運次第という印象を受けるかも知れないが、それは間違いだ。 感染しやすいようなハイリスクな行動をなるべく避けることによって、80%や90%に留まらず、限りなく100%に近づけることができるものなのである。
2022-01-30 22:26:40さらにオミクロン株についてはデルタ株と同じく、感染後の後遺症が多数発生していることも確認されている。 新型コロナウイルスに感染することで体内の臓器や血管等がダメージを受けることが原因とされているが、それも体内に侵入するウイルスが少ないほど後遺症の確率を下げることができる。
2022-01-30 22:26:46発症や後遺症で苦しむことになる確率を下げるためには、「ワクチンを打ったから安心」とコロナを軽視するのではなく、また「ワクチンの効果は運次第」と誤解するのでもなく、やはり感染確率を上げるようなハイリスクな行動はなるべく控えるに越したことはないのである。
2022-01-30 22:26:52さらに忘れられがちなことだが、人の免疫力というのは当然ながら体調によっても変わってくる。 睡眠不足や栄養不足になると免疫力は低下するし、またストレスなどによっても低下する。
2022-01-30 22:32:40たまたま免疫力の低い時にコロナに感染してしまうと、そのぶん発症や後遺症のリスクも増すことになる。 そういうリスクを避けるためにも、少なくとも今のような感染拡大時にはいつも以上に睡眠や栄養を日頃からしっかり取っておくことも重要である。
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