茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2701回「残念だった尾身茂さんというパターナリズム」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２７０１回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。

茂木健一郎 @kenichiromogi

現在のコロナのオミクロン株の流行について、どのような対応をとるべきか、まん防や緊急事態宣言、飲食店や学校の対策、それぞれの政治家（首相、知事）の態度のぜひなどについての議論は、とても興味深く拝見している。

茂木健一郎 @kenichiromogi

私個人としての発言が少ないのは、ほぼ論点は出尽くしていると思っているからで、私にとっては、いわゆる専門家の知見が予測可能性という意味においては対して役にたたないことも、政治家が自己の保身を考えることも、ほぼ自明であると思われる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

その上で、日本における専門家会議の役割、とりわけ、尾身茂さんの役割について強烈な違和感があるとすれば、それがいわゆる「パターナリズム」に見えるからだろう。特に尾身さんは、その人柄もあいまって、古典的なパターナリズムにしか見えない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

かつて、日本の医療現場では、医者がすべて知っているんだ、患者は黙って任せておけばいいんだ、というようなパターナリズムが横行したことは周知の通り。時代が流れて、今の現場にそんなお医者さんはまずいないだろう。患者さんだっていろいろ調べてくる時代だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

「インフォームドコンセント」のような考え方が出てきたのも、患者と医者の間の人間的な対称性を担保した上で、その上でお医者さんの専門性を十全に発揮していただこうということだと思う。今の医療に、すべて任せておけというパターナリズムは要らない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

尾身茂さんの言動を振り返っていて残念だったのは、ご自身でも、そもそも専門家でもわからないことは、はっきりとわからないと言うべきだったということ。コロナの予測などできないのに、専門家の見解を断定的にあの口調で言われていたのは、古典的なパターナリズムだった。

茂木健一郎 @kenichiromogi

今や、変異をつづけて免疫系との作用も複雑なコロナの振る舞いなど、「専門家」でもわからないんだということは誰にでも自明。尾身茂さんが、あの口調で道徳の先生みたいなことを言い続けたことは、日本のサイエンスコミュニケーションにおける激烈な失敗であった。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２７０１回「残念だった尾身茂さんというパターナリズム」をテーマに７つのツイートをお届けしました。