ブレードヤクザ・ヴェイカント・ヴェンジェンス #5

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブレードヤクザ・ヴェイカント・ヴェンジェンス #5

2011-09-05 17:33:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(あらすじ:暗黒メガコーポ・ヨロシサン製薬が製造したクローンヤクザY-13の一体が、統制プログラムの影響を脱し、ニンジャ憑依者となって脱走……それがケジメニンジャの正体であった。己のルーツを辿りケジメをくり返す彼は遂にヨロシサンの専務役員、クローンヤクザ発案者すらもケジメした。)

2011-09-05 17:38:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(彼はクローンヤクザの遺伝子を提供したオリジナル存在を知る。レジェンドヤクザ、ドゴシマ・ゼイモンである。ゼイモンの居場所を調べ上げたケジメニンジャは突入を試みる。だが隠居庵に待ち構えたのはゼイモンではなく、ヨロシサンの恐るべきニンジャ、サブジュゲイターであった。)

2011-09-05 17:43:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(居場所情報はヨロシサンが流したフェイクであり、サブジュゲイターの実戦テストの場であった。ケジメニンジャの目的は何だったのか。ゼイモンすらをもケジメする事であったのだろうか?今となっては彼のニューロンに閃いた機微を知る由も無い。ケジメニンジャはヨロシ・ジツに無条件敗北したのだ)

2011-09-05 17:49:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ケジメニンジャは己の足元に打ち寄せる冷たい水を知覚した。打ち寄せる波である。彼自身と砂の他には地上に何もない。真夜中の空はオブシディアンめいて荘厳であり、ただひとつ黄金の月が高輝度LEDボンボリめいて輝いていた。

2011-09-05 18:04:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

いや。月ではない。まるくないのだ。あれは黄金の立方体だ。ゆっくりと回転する不可思議なオブジェクトをケジメニンジャはただ見上げるのだった。説明のつかぬ憧憬を掻き立てる、超自然の存在だ。あれは何だろう?そしてこの夢は?そう、夢である、ここに立つ彼はビョウキトシヨリヨロシサンビョウキト

2011-09-05 18:08:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シヨリヨロシサン静謐な光景をビョウキトシ汚すヨリヨロシサンビョウキヨロシサン製薬のトシヨリヨロシサン社紋ビョウキトシヨリヨロシそしサンビョウキてトシヨリヨロシサンビネンブツめいたョウキトシヨリヨロシサンビョウキトシフレーズが邪悪にヨリヨロ意識を塗りシサンビ潰ョウキすトシヨリヨロシ

2011-09-05 18:12:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバーッ!アッババババーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「アバーッ!アバーッ!アバーッアバーッアバーッ!」「イ……」「横からすまんが、もう何も出ないんじゃないかね?」戸口のガンドーが言うと、ニンジャスレイヤーは振り上げた右拳を中途で止め、振り返った。「……」

2011-09-05 19:09:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「そのう……何だ、時間も無駄だしよ」ガンドーはニンジャスレイヤーから目を逸らし、肩をすくめた。「気は済んだだろ」「……」廃墟ビルのガラスの失せた窓から屋外ガスライトの灯りが入り込み、荒く呼吸するニンジャスレイヤーの横顔と、椅子に縛り付けられた瀕死のニンジャを照らす。

2011-09-05 19:16:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……」ニンジャスレイヤーは椅子に縛り付けられたニンジャ……ザイバツ・シャドーギルドのモスマンに背を向け、深く息を吐いて呼吸を整えた。そして、「イヤーッ!」振り向きながらの回し蹴りをモスマンの頭部へ叩き込んだ。「アバーッ!」ジゴクめいた蹴りはモスマンの頭部を体から刎ね飛ばした。

2011-09-05 19:34:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

直後、拷問を受けたその身体は椅子ごと爆発四散、片目を抉られた無残な頭部は天井にぶつかって跳ね返り、ガンドーの足元に転がった。「ウープス」ガンドーは両手を広げて首を振った。「ま、下衆な奴だったが、あとはサンズ・リバーのエンマ・ニンジャだかカロン・ニンジャだかに任せりゃイイさ」

2011-09-05 19:39:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

複眼化された眼を持ちバイオ毒鱗粉で攻撃するモスマンは手こずる相手だった。その戦闘能力もさることながら、無実の市民を毒で狂わせ喜ぶさまをことさらに見せつけた事が、ただでさえ拷問や見せしめの残虐行為を躊躇わないニンジャスレイヤーの苛烈さに拍車をかけた結果となった。インガオホー!

2011-09-05 20:01:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ザイバツ野郎が出てくるとは」ガンドーが言った。「ヨロシサンとザイバツは実際チンチン・カモカモ(註・親密、intimateの日本的俗語表現)関係って事だな。想像以上に一心同体めいてやがる。面倒になるかも知れんぜ」「渡りに船だ」ニンジャスレイヤーは呟いた。

2011-09-05 20:22:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

現在、ニンジャスレイヤーとガンドーが追っているのは、偶然に断片情報を入手した、ヨロシサン製薬による「スゴイナム計画」……アンダーガイオン第三レベルへ、空気清浄システムを利用して正体不明の薬剤ガスを充満させるという大規模人体実験計画だ。放置すれば恐るべき事態を招くであろう。

2011-09-05 21:12:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ザイバツが絡んで来るほどに、私にとって手間の節約となる。いずれ根絶やしにする相手だ。情報を引き出すニンジャもそれだけ増えるというもの」「引き出す……」ガンドーはモスマンの首を見下ろした。「まあ、そう言う事になるのかね」「そうだ」

2011-09-05 21:17:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ガンドーは懐中時計を取り出した。「そろそろいい時間だぜ。時間つぶしもお終いだ。オサラバといこうや」ニンジャスレイヤーは頷いた……まるでその頷きをスイッチとしたかのように、ボンという破裂音に続いて、廃墟ビルが真っ白の閃光に包まれた。「「グワーッ!?」」

2011-09-05 21:27:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ウカツ!閃光弾が耳鳴りと共に網膜へ残像を焼き付け二者を怯ませる中、「ザッケンナコラー!」「スッゾコラー!」ヤクザスラングが飛び交い、一階エントランスと上階から大量の侵入者が殺到する!ニンジャスレイヤーのニンジャ自律神経はすぐに閃光弾の目くらましから回復するが、ガンドーはまだだ!

2011-09-05 21:32:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「「ザッケンナコラー!」」」カタナを構えたクローンヤクザ達である!二人の居場所がトレースされたのか?どうやって?「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは一度に六枚のスリケンをクローンヤクザめがけて投げつける。「「「グワーッ!?」」」第一波の三人は両目をスリケンが貫通し全員死亡!

2011-09-05 21:36:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「「スッゾコラー!」」」階段を第二波のクローンヤクザが駆け下りてくる。クローンならではの一矢乱れぬ動作でチャカを構える!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは回転しながらスリケンを投擲!タツマキ・スリケンである!「「「グワーッ!?」」」第二波の五人の脳天をスリケンが貫通し全員死亡!

2011-09-05 21:40:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「オイオイオイ!参ったな!」閃光ショックを脱したガンドーが49口径マグナムの2丁拳銃をクロスで構え、正面入り口から突入してくる第三波の四人を迎撃!BLAMBLAM!BLAMBLAM!BLAMBLAM!BLAMBLAM!「グワーッ!?」「アバッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」

2011-09-05 21:50:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

恐るべき破壊力の大口径銃弾がクローンヤクザの身体を豆腐のように破壊してゆく!さらに裏口から入って来る第四波!「大繁盛だなァ。今日はもう閉店だぜ」弾丸をまとめて空中へ投げ、リボルバーから薬莢を排出するとともに、落下してくる弾丸をそのまま受けてリロードする。なんたる曲芸めいた器用さ!

2011-09-05 22:15:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「「ザッケンナコラー!」」」今度は三人!ガンドーは上階からの別の突入部隊に対応しにゆくニンジャスレイヤーを横目に、淡々と引き金を引いてゆく。BLAMBLAM!BLAMBLAM!BLAMBLAM!「アッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」

2011-09-05 22:56:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何?」ガンドーは目を見開いた。一人仕損じた?イレギュラーな動きで弾丸を回避したクローンヤクザがガンドーめがけ跳躍する。髪型、サングラス、ダークスーツ、全て同じだ、そして実力も同じはず。だがこの動きは?そしてカタナではなく、両手に持ったドス・ダガー……?

2011-09-05 22:59:54
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