- uf_arkadia
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「じゃあ、次はアタシの番かしら?アタシは、カナタ・ディーバ。もともとアイドルをしていたわ。活動はこの世界でもしていくつもりだから、あなた達をこの世界第一のファンにしてあげる。よろしくね。」
2022-02-27 21:26:00「個体名ミュー、それ以下でもそれ以上でもありません。」 「僕、ヤマト。いっぱいがんばる。よろしく。」 「僕は遠望かがみ。偵察なら任せてほしいな。」 「俺はヤン・ステーロ。特に何かできるわけではねぇが、ま、よろしく頼むわ。」 「皆様よろしくお願い致します…あれ、これで全員でしょうか?」
2022-02-27 21:27:00短いがなかなか個性的な自己紹介の数々に一抹の不安を抱えつつ、★兎は初めに集合していた人数よりも明らかに少ない自己紹介に違和感を覚える。
2022-02-27 21:28:00「いや、小さい猫耳の生えた子が、幾人か引き連れて大樹の方に走っていったのは見たよ、それに続いて幾人かその子を止めようと追いかけてったのも見えたね。」 と★兎の疑問に対して、あっけらかんとかがみは答えた。
2022-02-27 21:29:00「はあ?まだ指針も何も決まっていないじゃないですか!なんでもう散らばっているんですか!!」 「僕も止めたけど無視してすごいスピードで行っちゃったからね。」 「~っ、大樹の方向ですね、とりあえずここにいるメンバー全員で追いかけましょう。これ以上はぐれても困りますし。」
2022-02-27 21:30:00想定外の事態に慌てながらもここにいるメンバーに指示を出す★兎に、ルナが冷静に提案する。 「そういえば、パッチ様から全員能力を授かったんだっけ。追いかけながら互いの能力の紹介もしておこう。人を追いかけるのに役立つ能力もあるかもしれないからね。」 「そうですね、ではわたくしから…」
2022-02-27 21:31:00「はわー!!すごいにゃすごいにゃ!!でっかいにゃ!!!」 「ちょ、待ってよ、むぎちゃん、みんなとはぐれちゃうよぉ。」
2022-02-27 21:33:00広大な草原に聳え立つ一本の大樹。 どうやらそれを近くで見ようと、ムギと呼ばれた猫耳の生えた幼い少女は、集団を離れたようだった。 一人の幼い少年を連れて。
2022-02-27 21:34:00「まゆたろ~も見るにゃ!そして、一緒に登るにゃ!きっととっても楽しいにゃ!!」 「ふえ、みんなどこぉ…ここどこぉ…う、うぅ…。」 興奮気味なムギとは対照的に、まゆたろうと呼ばれた幼い少年は今にも泣きだしそうになっていた。
2022-02-27 21:35:00「ふむ、これまたでっかい木じゃのぉ。」 「はぁ、やっと追いついた。」 「……君たちのような小さな雛が、むやみに走り回ったら…危険よ…。」 そこに、三人の女性がムギとまゆたろうに追いついたようだった。
2022-02-27 21:36:00「あ、う、うわーん!!!」 感極まったように、まゆたろうは女性のうち、頭がスキンヘッドの女性に抱きつく。 なかなか勢いが強かったようで、女性はふらつくがなんとか持ち堪え、抱きしめ返した。 「お姉ちゃん達だあれ?」 泣きつくまゆたろうに対して、ムギは不思議そうに質問する。
2022-02-27 21:37:00「私はプティ。君たちが離れていくところが見えたから追いかけてきたの!だめだよ、君たちのような小さな子がみんなと離れちゃ、もし何かあったらどうするの!ここには魔物っていう危険な生き物がいるんだよ!!」
2022-02-27 21:38:00「プティの言う通り!!じゃが、安心せい、この世のバステトであるワラワ、ネフェルが来たからには、どんな危険も吹っ飛んでくってものよ!!」 「プティ…ネフェル…うん、覚えたにゃ!二人とも一緒に木登りするにゃ!!」 二人の呼びかけを一蹴し、ムギは無邪気に木登りに誘う。
2022-02-27 21:39:00プティとネフェルは互いに困惑。意地でも、大樹に登りたいようである。 「はやく登るにゃ!!はやきゅむぅ」 「高い所はいい…けど、君には飛べる翼がないわ。翼がないのに、あんなに高い所へ登るのはかなり危険よ…。おとなしくしていなさい。」
2022-02-27 21:40:00まゆたろうを片手で抱きながら、スキンヘッドの女性は空いたもう片方の手でムギを抱きしめ、注意する。 ムギは暴れるが、スキンヘッドの女性の方が力が強いようで、脱出できないようだった。 しばらく暴れているムギだったが、次第に暴れ疲れ、落ち着きを取り戻した。
2022-02-27 21:41:00「むぅー、お姉ちゃんのいじわるぅ、ムギ木登りしたかったのに…。」 ぶーぶー口を尖らせるムギに、スキンヘッドの女性は慈愛に満ちた眼差しで語る。
2022-02-27 21:42:00「今度私と一緒に登りましょう…でも、今はみんなで今後についてお話するのが先決よ…私、マーテル・マグナと今は一緒にみんなのもとへ戻りましょう。」 「…………わかったにゃ!!」 マーテルから溢れ出される母性に、ムギの機嫌は直ったようで、今は嬉しそうにマーテルに抱かれている。
2022-02-27 21:43:00「いやー、ママさんのおかげで一件落着だね。」 「ふむ、流石に此度の功績はマーテルに譲るしかあるまい。」 どうやら、女性三人は、幼児二人を追いかけるときに互いに自己紹介は終えたようであり、さらに共同作業をしたことにより、初対面にもかかわらずもう打ち解けているようだった。
2022-02-27 21:44:00「目標まであと20m。」 「大樹方向に人影発見!」 「やっと見つけたわね。」 そしてようやく、★兎含む初期の位置に留まっていたメンバーが合流した。
2022-02-27 21:45:00「はぁ、大事がなくてよかった…。」 「…上方10m先にも人物の反応があります。」 「え、上方10mって……。」 「やっほーみんな!!!」 ミューの言葉に上を向こうとすると、無邪気な声が上から降ってきた。
2022-02-27 21:46:00「高い所はいいね、風が気持ちいいな。この身体は便利だね、こんな高いところもするする登れる…あれ?じゃあ僕の前世は人じゃなかったのかな?わかんないや。」 「あ、ずるいにゃ!ムギも早く登りたいにゃ!!」
2022-02-27 21:47:00のほほんと白い髪の青年が、大樹の太い枝に座って疑問を呈しているのに、ムギが羨望の眼差しと言葉を向ける。 「ちょ…危ないから下り……。」 「ん?下りた方がいいの?じゃあ、ほいっと。」 「え、わ、何そのまま飛び降りてるの!!」
2022-02-27 21:48:00