【創作企画】第1話 依頼と最初の朝餐【UP A Mystery】

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UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

レイラを抱えあげたまま、ギルが慌ててグリムを引き止める。 必死に抑えようとしている怒りで手が、少し震えていた。

2022-02-06 22:02:49
UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

「これと、依頼になんの関係があるんだ?…この子達を苦しめて与えられたプレゼントに、俺たちにそれを使って謎を解かせる意味は、」 「────楽しいからだよ?」

2022-02-06 22:03:29
UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

ギルの畳み掛ける問いかけを斬るように、グリムは答える。 やはりおよそ5歳前後の少女とは思えないほど、その表情は残酷極まっていて。 いつの間にそこにいたのか、デアダームのそばに居た庭師のジャックすら、その表情を見て少し驚いていた。

2022-02-06 22:04:38
UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

「…まったく、君たちは意味だの理由だの根拠だの、下らないものを追い求めて煩いね。 僕の容姿を見たら君たち子供のイタズラか何かだと思うだろう? もしかしたら裏で大人が手を引いてるかもしれないとか邪推するかもしれないだろう? それじゃダメなんだよ」

2022-02-06 22:05:42
UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

「────この“僕”が!! 君たちをここに閉じ込めた張本人だって分かってもらわなくちゃ!! 僕は楽しいから、君たちに少女をつけた、少女たちに異能を授けた!! ただただ、それだけさ!」

2022-02-06 22:06:26
UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

無垢に、残酷に、楽しげに。 明らかな狂気を放つそれは紛れもなく幼い少女であるのに、理由もただただ子供が新しい玩具を手に入れた時のような言い草であるのに。 …妙に威圧感のある、身勝手なその声。

2022-02-06 22:07:25
UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

ギルが怒りを抑えるように拳を握りしめると、その言葉を聞いたガブリエルがさらに畳み掛けようとして、ギルに無言のまま目で制される。 小さく歯ぎしりをして引き下がる彼を見てから、ギルはそのまま食堂の出口へと向かう。

2022-02-06 22:08:33
UP A Mystery【完結】 @C_UP_A_Mystery

「────さぁ、僕のこの館で謎解きを始めようか。名探偵諸君」

2022-02-06 22:09:24
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🍎【Chapter1 依頼と最初の朝餐】 終🍎

2022-02-06 22:10:13
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