- rouillewrite
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医務室は念の為封鎖となり、しばらくは2階のJペアの隣の部屋を医務室とする、とデアダームが告げた。 ルーシャンの遺体を見送ってしばらくは、少女たちも探偵たちもまた長い沈黙を挟むことになるだろう。
2022-03-17 21:06:35報連相の報の字もしない彼のことだから、またどこかに居るのだろうと思ったが、さすがに前日の朝から姿が見えないのはおかしい。 館の中は広いとはいえ、行ける場所は限定されているはずだ。
2022-03-17 21:08:53食堂も、厨房も2階の部屋も1階の部屋まで隅々探した。 地下も、入れない1番奥の部屋以外────ならばグリムが何かしたのだろうと、ガブリエルがデアダームに掴みかかったが、彼は何も知らない、という。
2022-03-17 21:11:35結局その日も、レオニードが姿を現すことはなかった。 隠れているのか、はたまた最悪の場合死んでいるのか、それは分からない。
2022-03-17 21:12:31彼のことは心配だが、これ以上の捜索は無意味と判断し、探偵たちはこれ以上の犠牲を出さないようにと、館主の「依頼」とやらを本格的に調べることにした。
2022-03-17 21:14:03「気になったのは、少女たちの手に刻まれた数字のことなんですが」 「斜線が間に引いてあったから日付じゃないのかしら?」
2022-03-17 21:17:04食堂に集まって、念の為少女たちは全員集団で行動するようにと釘を差し、アシュリーとイーライをつけて遊戯場に遊びに行かせた。 …あの館の主に会えば、何人であろうと無意味ではあるだろうが。 メノンの第一声を、ガブリエルが遮る。その言葉には全員頷いた。
2022-03-17 21:18:19「もうひとつ、2人の少女の傍には共通したあるものがありましたね」 「……、あ……チョーカー…」
2022-03-17 21:20:35ライクムがポツリとつぶやくと、メノンは「そうです」と小さく頷いた。 回収は出来なかったが、どちらもズタズタにされており、なにかの暗示にも見える。何の意味もなくただ抵抗した跡なのだとしても、気になる点ではあった。
2022-03-17 21:21:30「館の主は、これら殺人を«依頼のための情報提供»だ、とハッキリ言ったことから、この出来事から対象がなんらかを思い出すトリガーになると考えているのではないでしょうか」
2022-03-17 21:23:05アイザックが少々不満げに呟く。 何人かが頷いた後に、メノンは少し考えて姿勢を正し、座り直すと振り子時計を見ながら言った。
2022-03-17 21:24:03「…何か別の目的があるのかもしれませんね。 あの様子からして、快楽殺人なのかそれとも…。 まぁそれを調べるために、とりあえず情報を集めましょうか。 あちらから提供される情報は、悪趣味だと分かりきっていることでしょうから」
2022-03-17 21:25:15隣にいたメノンは、その悲鳴をあげた彼を少し気遣いながら中に入る。 同時に慌ててライクムもその後を追った。
2022-03-17 21:29:18