- rouillewrite
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図書室。 メノン自身切っても切り離せないその場所は、随分と懐かしい匂いがした。ここにきて半月過ぎ、何度目の訪問だろうか。
2022-03-17 21:30:53「…あぁ!そうですね…日付と言って1番手っ取り早いのは新聞でしょうか。とは言えここにある新聞でも、もっと前の過去の出来事に関係しているのなら見ても意味は無いでしょうし… …では、こうしましょう」
2022-03-17 21:34:29「日付ではない可能性や、他の暗号である可能性も考慮して、その数字の並びに関係ありそうなものを調べていただけますか?」
2022-03-17 21:35:46そう言われて、しどろもどろになりながらライクムは頷いた。 すぐさまピュッと奥の本棚の方に突っ込んでいく。 …ついでに聞こえた、本が崩れる音は聞かなかったことにしよう。
2022-03-17 21:36:51その様子を眺めて、小さく声を上げて苦笑いをしたメノンはカウンターの横に並べられた新聞棚を見つめる。 随分と量がある。 全てを1人で読み切るのは少々時間を要するだろうが、目的の日付が分かっているのなら話は別だ。
2022-03-17 21:37:486冊ほど本を積み上げ、いつになく真剣な顔をしたライクムがいた。 彼はそのうちの1番上の本を手に取ると、目星をつけていたらしい真ん中あたりのページを読み始める。
2022-03-17 21:40:41…彼としても、この殺人劇は止めたいものだろう。 ここにきて最初の頃は、あまり積極性の見られなかった彼の、やけに静かで真剣な顔に、メノンは思わず微笑む。 pic.twitter.com/zHUllo0WfN
2022-03-17 21:41:35ライクムの邪魔をしないようにと、メノンは再び自分の手元にある新聞へと目を移す。 古いものは大体20年前くらいのものもある。全て揃っている訳では無いが、やけに見覚えのある記事ばかりが目に入った。
2022-03-17 21:44:29ライクムが目の前の字を脱兎を追うが如く読み進めていると、メノンが新聞を閉じて息をついた。 その音に気づいて顔を上げると、こちらに目を向けている彼はやけに真剣な表情をしている。
2022-03-17 21:46:48「いえ、そちらはどうですか?収穫はおありですか?」 「………ひとつだけ、わかったことがあって」
2022-03-17 21:48:19メノンの問いかけに、ライクムは静かに応じる。普段のオドオドとした雰囲気はなく、持っている本を広げるとある箇所を指さした。 林檎の形をした、エンブレムの描かれたページである。
2022-03-17 21:49:34「玄関にあった林檎のマーク、これとそっくりじゃないですか…?」 「…あぁ、そういえばそうですね。 これは…スカーレット社、というと海運業で有名な大きな会社ですか」 「WW2から大きく発展した……と書いてあります…。…あんまり……知らなかった…」
2022-03-17 21:52:55ライクムが示したページには、スカーレット社の発展の歴史が書かれていた。一企業の足跡が書籍になっているのもまぁまぁ珍しいが、歴史と結びついている大きな会社ならばそうない事でもないのだろうか。
2022-03-17 21:55:19