森卓也「或る作家の横顔 尾張の幇間」について

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

小林信彦が渥美清に対して屈折した感情を抱いていたことは『おかしな男　渥美清』に繰り返し述べられている。 あれについては、ストレートに「小林信彦が渥美清に嫉妬している」と受けとめている人も多いのだ（ネットの感想を見よ）。 たしかに、内心に嫉妬があることを、小林信彦は隠してはいない。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

私は森卓也が小林信彦を批判した文章の感想を、どちらかと言えば小林信彦寄りの立場で書いている。 それは、「受けたショックを中和したい」という心理もあるのだが、やはり最後の部分が気になるからだ。 森卓也は、小林信彦の渥美清に対する屈折に触れた後、エッセイの最後にこう書いている。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

「渥美清のアパートだったかで小林信彦氏が、自分がいかに喜劇好きだったかをひとしきり語ったとき、渥美いわく『へえ、それでなぜ喜劇役者にならなかったの？』 つまり、渥美清にとって、喜劇は、みずから演じてみせるものでしかないのだ。そう言われたら、返す言葉がないではないか」（森卓也）

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

これは、小林信彦の喜劇役者論の否定とも取れるが、最近見かける「映画を作らない奴が映画を論じるな」的な、批評行為一般の否定にもなってしまっている。それはどうなのか？ 小林信彦は作家でもあるが、森卓也は批評家だ。 森卓也はこの部分を書いた時、その矢は自分にこそ刺さると意識していたのか。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

しかし、森卓也はなぜ、今のタイミングであの文章を書こうと思ったのだろう？何かきっかけがあったのだろうか。 以前、森卓也が、石上三登志とある写真家の「アンバランスな友情とその苦い終わり」についてエッセイに書いたことがあったけれど、あの文章を思い出した。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

そういえば、今度の文章にも石上三登志が登場するが、そのエピソードにもビックリよ😨。

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

文春の連載が終わってもう反論の場がない、からだろうか？ だとしたら…🥶

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

森卓也が「映画論叢59」の文章で不快感を示した、小林信彦による、『森卓也のコラム・クロニクル 1979～2009』の紹介文（雑誌掲載時のもの。単行本では修正されている）が、添付のブログに引用されている。 これ、失礼なのかな？ 私は、そういう印象を受けないのだが… ayamekareihikagami.hateblo.jp/entry/2022/04/…

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

私は森卓也を尊敬しているし、小林信彦も森卓也を認めていると思っているから、素直に読めるのだけれど「予備知識のない第三者が読んだとしたら、距離を置いた（あまり褒めていない）紹介文に読める」ということなのかもしれない。 森卓也からすれば、小林信彦の「甘え」や「軽視」が感じられるのか。