1いいねごとに万年筆調整師が万年筆の調整に関して何か情報を呟きます
自分も万年筆の相談や調整をしている、「シロウ」さんが、
面白そうなことしていたのでまとめ
1いいねごとに呟くタグを見て思った。1いいねごとに万年筆の調整に関して何かつぶやくってやったら、見たい人いるかな?
2022-03-25 23:45:49#1いいねごとに万年筆調整師が万年筆の調整に関して何か情報を呟きます 手持ちのネタの数で収まってくれることを祈ろう。 後、一応期限は3月26日の24時まででお願いします。
2022-03-25 23:59:00寝る前に少し。調整時に使うインクはペリカンのロイヤルブルー。水で洗って、一番落ちやすいから。依頼人の使用するインクによっては、ロイヤルブルーを基準にフロー調節したりする
2022-03-26 00:23:36調整しているとよくわかるのだが、万年筆のニブが弾力性に富んで柔らかいのと、筆記時の当りが柔らかいの、使ってわかる人は意外と少ない。
2022-03-26 00:27:58万年筆のニブの弾力による柔らかさ、縦撓り系と左右に開く系がある。これはニブ形状によるものが大きい。弾力性は素材よりも設計によるものの方が大きいと感じる。
2022-03-26 00:30:56高速大量筆記するなら、硬いニブで潤沢なインクフロー、太目の首軸に前めの重心バランスが、大部分の人には使いやすい。軽量の軟らかニブでそれがこなせる人もごく少数いるが、使い手として達人級と言っていいと思う。
2022-03-26 00:34:15調整師によって使用する耐水ペーパーやラッピングフィルムのこだわりがある。このメーカーが自分に合っている、と好みを探すことがある。仕上げに砥石を使っている自分はペーパーにはこだわりがない。ただ、切り分けるのに便利という理由で田宮のセットを模型店で買って使っている。
2022-03-26 00:40:27調整時のインク汚れやニブについた指の脂分を落とすためにアルカリ電解水が便利。ホムセンで水の激落ちくんを良く買っている。ただ、指先の肌荒れが起きやすくなるので、あとでハンドクリームを塗りこんでいる。
2022-03-26 00:43:237、調整の時に持ち込まれる万年筆、インクが入ったままでもいいという人もいれば、抜いておいてほしいという人もいる。個人的にはパイロットのブルーブラックと色雫は抜いておいてもらえると嬉しい。理由は手につくと非常に落ちにくいインクだから。
2022-03-26 14:46:158、調整を依頼する時には、普段使用している紙も持参していると、より追い込んだ調整が可能です。普段その万年筆での筆記に使っているノート、紙、下敷きなどがある人は持参して、それらに試筆して、どこをどうしたいのか調整師に伝えてください。インクの種類も伝えるとなお良しです。
2022-03-26 14:50:529、調整を依頼するとき、普通は「筆記角度を拝見します」と言われて調整師の前で試筆します。その時は縦書きか横書きか一番使う方で、普段の筆記速度で、一番書き慣れているであろう名前を書くのが良いと思います。直してほしい引っ掛かりとかがあれば、それを感じるときの動きを実演して説明すると。
2022-03-26 14:57:5510、オフ会等で人の万年筆を試筆する機会があるときには、許可を得たうえで、キャップの取り方を確認して、できるだけ筆圧をかけない形で書かせてもらうのが良いでしょう。避けられるつまらないトラブルは、発生させないのが一番です。
2022-03-26 15:03:0111、調整に手を出し始めた人にとって、割と難易度が高くなるのが右利きの縦書きと左利きの横書きです。筆記したインクで手が汚れる可能性があるため、書き進めるにしたがってペンを持つ位置がずれたり、筆記角度が大きく変化したりします。スイートスポットの複数製作で対応することが多いです。
2022-03-26 15:07:1012、メッキする道具を所持して、調整現場に持ち込む調整師はまず居ません。特別なイベントの時に持ち込んだ方はいましたが。つまり、ニブがメッキなどでコーティングされている場合、調整を受けた時にペンポイント周辺のメッキが剝がれることがあります。覚悟のうえで持ち込みましょう。
2022-03-26 15:11:1913、ペンポイント、昔はイリジウムがメインでしたが、今はオスミウムとか他の白金系元素の合金をはじめとした耐食性と耐摩耗性が秀でたものが主流になっています。その中でもパイロットの物は硬い。昔のも現行のも硬い。ペンポイントの寿命は素材的に、たぶんパイロットが一番長い。
2022-03-26 16:28:1614、パイロットのペンポイントが硬いのは、昔は北海道産の良質のイリジウムを使っていたことからの伝統。その昔は、パイロットの万年筆を購入した人に3年たったころに「3年使い込んで手になじんだころだと思いますが」というハガキが送られていたとか。
2022-03-26 16:32:2615、ペンポイントが硬い方が製品寿命が長くて良い、という価値観があった頃、お祭りの香具師が万年筆を売るときの方法として「舶来の最高のイリジウムを使った万年筆だよ、ガラスに傷がつくだろう」と言ってガラスに線を引かせていた。実際は半田で作ったペンポイントで半田が削れて線が引かれていた。
2022-03-26 16:37:3516、ペンポイントの硬軟で言った場合、同じように研磨されているならば柔らかいペンポイントの方が、書き味が良いと感じやすかったりする。鉛筆の硬さと書き味を考えてみれば、わかりやすいだろうか。
2022-03-26 16:42:3017、柔らかいペンポイントは書き癖になじむのも早いし、使っていて書き味のMAXに到達するのも早いが、頂点を過ぎてしまうのも早いし、ペンポイントの寿命が訪れるのも早い。ただ、昔ほど使い込む人が少ない現代で、そこまで気にする必要があるのか?と聞かれると困ってしまう。
2022-03-26 16:46:3818、柔らかいペンポイントの良いところ。削るのと磨くのが楽。スイートスポットが作りやすい。悪いところ、調整初心者は、柔らかい為つい削り過ぎてしまう。
2022-03-26 16:53:1919硬いペンポイントの良いところ。一旦施した調整が崩れにくい。磨くときにガッツリ追い込んでも、削れ過ぎることがない。悪いところ、荒削りをするときに思い切って攻めないと、いくらペーパーを使っても全然削れずに時間ばかりかかる。調整初心者には作業の進行が感じ取りにくい。
2022-03-26 16:58:1820、字幅の変更依頼で、柔らかいペンポイントだと比較的短時間で済むが、硬いペンポイントだと難易度が上がる。変更の度合いにもよるがペンポイントと付け根の曲線部分を削るとき、硬度差でニブの方ばかり削れてしまう事があるので、綺麗に削るにはそれなりの道具と技術がいる。
2022-03-26 17:06:3021、パイロットのブルーブラックは染料インクにもかかわらず耐水性が非常に強い。セルロースを強力に染める染料を使用している為。服につくと落ちないし、指についてもなかなか落ちない。その設計からか色雫も指につくと落ちない。
2022-03-27 01:25:2522、パイロットのインクの粘性が低くシャバシャバ系なのは、キャップレスでの使用に合わせてあるためという話がある。インクフローが悪い万年筆にパイロットのインクを入れると、インクフローが改善することが多い。
2022-03-27 01:28:22