ついのべ2022年３月分まとめ

コオロ @ko_ro506

#twnovel『俺は十年後のお前だ。酒はいまのうちに飲んでおけ』「未来で何が…」『人類は食糧難に陥り、酒は禁じられる』「そうか、米や麦を酒にしてる場合じゃなくなって…」『いま人類の主食はコオロギなんだが、これが酒にめちゃくちゃ合うので食べ過ぎないように禁酒を』「不穏な情報があったな？」

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ビールに合う pic.twitter.com/asQMhC8SDC

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#twnovel もう令和だからね、うちの業界もクリーンになったよ。借金の回収だって、マグロ漁船やソープじゃなくて、ホラ、VRゲーム。あんたには売りさばくためのゲームアイテムをかき集めて欲しいんだわ。あ、フルダイブの間、体は預かっておくから。アイテムが集まらなかったら臓器で補填するからね。

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#twnovel「今日は鯖づくしですよ」「〆鯖寿司、味噌煮、塩焼き。すごいな、でも何で」「鯖の日ですから、美味しいって教えるいい機会かと。言ってたじゃないですか、鯖は嫌いだって」「…言ってない」「あれ？鯖にめちゃくちゃ暴言吐いてましたよね？」（…ゲームするときの言葉遣いには気を付けよう）

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#twnovel 体は嘘つきだ。心が素直に限界だと叫んでも、そう簡単に壊れたりしない。溜息と欠伸ばかりの口で、外の冷たい空気を吸えば目が覚めるし、猫背で歩こうにも、いい天気だと見上げて胸を張ってしまう。仕事では頭を抱えるのをやめてみた。まだ大丈夫な気がしてきた。体は嘘つきで、心は素直だ。

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#twnovel「町中華って感じの店にしたいんです」下見中、顧客の話を聞き、ああそういうビジネスねと納得した。だからくたびれた店舗でもいいと言ったのだろう。家まで送ると、客の足に子どもがとびつく。「この子との時間のために、脱サラして自営業をやろうと」反省した。この店は本物の町中華になる。

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#twnovel 本屋のレシートに買った覚えのない本の記録があった。「雑誌」としか書かれておらず、正体が気になるので附されている雑誌コードで検索をかけてみる。私はいったい何の本を買ったことになっているのだろう。ヒットした。クリック。書影が出る。謎の新聞。グワシャーッと窓ガラスの割れる音。

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#twnvday 最初に種蒔きをしたのはもう何年前だろうか。ホワイトデーのお返しには花束を、なんてキザなことを思いついたのがきっかけだった。苦労したが、我ながらなかなか良い出来の花が育つようになった。お返しの準備は万端だ。あとはバレンタインデーにチョコをくれる相手が現れるだけ。いつかな！

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#twnovel ――いよいよ今日ですね。 「はい。これまでにない闘いになると思い、食事制限を徹底して、老廃物なんか無くなるよう体を絞りました」 ――勝算はありますか。 「忍耐力、そして、自分の筋肉を信じます」 ――最後に意気込みをお願いします。 「３時間上映、一度も催すことなく乗り切ってみせます」

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#呟怖 退去検査を前に、ふと、畳が気になりだした。張り替えるべきだろうか。慌てた大家に止めてもらえなければ、そのまま畳をひっぺがしていた。あのアパートで暮らした日々はよく覚えていないが、出て行くまで追い詰められた理由は、床下からの囁き声だったことを思い出した。大家には気をつけろと。

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#twnovel アパートの風呂は狭かったが、嫌いではなかった。隣家が空き家で、気軽に窓を開けて露天風呂にできたからだ。特に冬が良かった。網戸から入り込んだ冷たい空気を吸って、身を隠すように湯舟に沈み、天井に吹き溜まる白い湯気を眺める。窮屈ではあったが、息苦しさを忘れられる時間であった。

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#twnovel 十一時も近いのに「準備中」の札も出ておらず、まさか廃業かと思ったものの、戸は開き、中ではおやじがテレビを眺めていた。「まだやってないから、もうちょっと待ってて」緩んでいる。春が近いことをおやじのサボりで知るとは思わなかった。ストーブ近くの席に陣取っても、吐く息が白んだ。

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#twnovel「大将、この『アマビエ丼』って何」「コロナ退散祈願の特別コラボメニュー」「コラボってか便乗じゃん。にしても、今更？アマビエが流行ったの割と前だし、最近見なくなったし、もうお役御免じゃないの」「おう。だから今、作ってるんだ」「…あのさ、これ材料って…いやいい、知りたくない」

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#twnovel「サウナアニメの企画書読んだけど、主人公が初心者なのはやめた方がいいかと思います。ファンって主人公の真似でたいていのマナーは覚えるけど、主人公の失敗まで真似したがるから、初サウナで整いに失敗しトランス状態になりスピリチュアルに目覚める描写は避けた方がいいっていうかやめろ」

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#twnovel サウナの「整い」は心臓に悪い。冷熱を交互に繰り返すのだからそれはそうか。しかし快感があるのも確かだから、自己責任ということだろう。風呂上がり、サウナーに人気という「オロポ」を頼む。いわゆるモクテルかと思ったら瓶とペットボトルとグラスがそのまま出てきた。これも自己責任か。

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#twnovel やっぱり最後に残るのはお前だったか。他の物はすべて運び出し、コタツ一つのアパートができあがった。もうすぐ迎えの車が来て、俺はここを後にする。最初の一人暮らし、たぶん最後の挑戦だった。コタツ布団を頭からかぶる。夢は捨てた、と呟いた。言わないで、と返されるまで耳を澄ました。