- rouillewrite
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ずっと生きていると信じて探していた妹の亡骸を抱きしめて、叫び縋ることしかできない。 なぜ、どうして、彼女がここに居てここで死んでいるのか。 そんな疑問も全て吹き飛ばして、イーライはただ悲しみに呑まれていった。
2022-04-07 22:37:30騒ぎを聞つけて、2階から「ようやく開いた」「なんで開かなかったんだ」と口々に怪訝そうな顔をして残りのメンバーが集まってくる。 そして玄関ホールで少女の亡骸を抱きしめて止まないイーライの姿を認めると、唖然とした。
2022-04-07 22:38:22後から来た者たちが状況を理解できないままでいると、廊下に出る扉からデアダームが入ってきた。 彼は無表情でイーライの方に歩み寄る。妹の亡骸を抱きしめたまま下を向いて離さない彼の肩をそっと叩いて、静かに告げた。
2022-04-07 22:39:16「…ッお前か!!おまえがやったのか!!!殺してやる、殺してやる!!」 「イーライ!!」 「ころ、して、殺して、やる、なんで……………なんで!!!」
2022-04-07 22:41:32聞きたいことは山ほどあったはずなのに、エリィを殺した奴らの仲間だと思うと、もはやそれすらどうでも良くなってしまった。 振り上げた拳を、一発デアダームの頬に当てる。痛々しい音が響いて、彼が後ろに倒れたと同時に追撃を食らわせようとしたイーライを、慌ててアシュリーが止めた。
2022-04-07 22:42:212階にいた探偵たちも降りてきて、彼を止めるべく複数人で羽交い締めにする。恐らく1番力のあるメノンに止められて、興奮が収まらないまでも、彼はようやく身体を止めた。 …止められた、という方が正しいか。
2022-04-07 22:44:01未だ息を荒くして殺意を向けてくるイーライをちらりと見遣り、デアダームは頬を抑えて立ち上がった。 そして彼らの横をすり抜けると、そのままエリィを抱えていく。
2022-04-07 22:44:22状況が整理できないままだったが、ガブリエルが非難の声を上げる。 それも意に介さないといった様子で、デアダームは振り返ることなくその場を後にした。 羽交い締めにされたイーライの片手は、エリィに手を伸ばそうとしていたのか少しだけ前に向けられている。
2022-04-07 22:45:22………静まり返る玄関ホール。 羽交い締めにされていたイーライから力が抜けたことに気づいて、止めていた数人は優しく彼を床に下ろした。 …床に膝をつけて、呆然とエリィが連れていかれてしまった扉の方を見つめるイーライ。 彼にかける言葉を見つけられるものは、誰もいない。
2022-04-07 22:46:26…お互いの顔を見合せ、どうするべきか話し合おうかと探偵たちが目で合図を送りあっていると、イーライが動いた。
2022-04-07 22:46:55