安全保障研究はできなかったのか、という論争の脇で国際政治学者達がしていた雑談
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狭義の軍事戦略研究の世界的な立ち位置&権威主義的なリベラル人の話
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Assistant Professor of Political Science, University of Michigan (@umichpolisci). Affiliated with @umisrcps and @um_midas. Associate Director of @UMCJS.
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Professor of IR at Gunma Prefectural Women's University. 群馬県立女子大学 教授(国際関係論)早稲田大学大学院修了(博士) 経歴:ブリティッシュ・コロンビア客員准教授等 主著:『パワー・シフトと戦争』『国際関係理論』 発言は所属と無関係、RT・いいね≠同意
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過去から現在までの日本の国際関係論研究者を(米国流に)securityとIPEで分けたらsecurityが圧倒的少数派ということは絶対にない(坂本義和だってそのくくりで言えばsecurityになるはず)ので、その意味で「日本の大学院で安全保障研究ができない」ということはないですよね。1/ twitter.com/norihitokubota…
2022-04-02 06:56:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
安全保障研究と軍事研究、国際政治学の位置づけが各自それぞれ違っていて混乱をきたすことはよくある気がします。(「正解」を提示できるほど俯瞰できているわけではないのですが)
2022-04-02 01:19:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
狭義の軍事戦略や核戦略の研究者は確かに少ないかも知れませんが、それらの分野の研究者が研究大学の政治学部にいるということは米国でも(少なくとも今は)あまりないでしょう。他の部局にいることはあるかもしれませんが。2/
2022-04-02 06:56:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「日本の大学院で安全保障研究ができない」というのは、研究対象というよりはある種の研究上の主張や含意が受け容れられにくい雰囲気がある/あったとの謂で、「ある種のことを言いにくい環境ではまともな安全保障研究はできない/できなかった」という含意があるのではないでしょうか。 3/3
2022-04-02 06:56:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yshiraito これは全くその通りです。ただし、一昔前まで、米国流の安全保障や戦略研究をやっても大学への就職が絶望的でした。なぜなら「平和論」の講座はあっても「安全保障論」の講座はなかったからです。後者は防大、80年以後の青学から徐々に増えたのが実情です。
2022-04-02 10:47:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yshiraito 日本のIR学界では長く実証=歴史でした。IRを含む実証政治学の本格的萌芽は猪口先生や白糸さんのゼミ教官だった蒲島先生らレバイアサン・グループの貢献に多く負います。それでも彼らは守旧派から叩かれてました。没価値の「実証政治学的」安保研究は日本の院では、長期、ほぼ不可能だったと思いますよ
2022-04-02 11:34:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc リプライがばらばらになっていて流れを追いづらいので、こちらに繋げます。私は日本で大学院にいた頃は数理IR研究者を目指していましたので、東大法研での指導教員は藤原帰一先生、駒場の石田淳先生にもご指導頂いて、留学の際推薦状も書いて頂きました。4/ twitter.com/kazzubc/status…
2022-04-03 07:09:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc このお2人が安全保障の研究者でない、と言うなら、「安全保障の研究者」の範囲が狭すぎると私は思います。確かに、軍事力の運用、例えば「日本に地上発射中距離ミサイルを配備すべきか」について書かれるような研究者ではありませんが、そういう分野の方が政治学の大学教員に少ないのは 5/
2022-04-03 07:14:09![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc 日本に限った話ではありません。先のツイートではっきり書いた通り、米国の研究大学の政治学部にもそういう研究者はまずいないわけです。それはある意味当たり前で、そうしたトピックの論文がAPSRに載るかどうか考えてみれば結論は明らかでしょう。 6/
2022-04-03 07:17:58![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc 他方、「日本では軍事や戦争の研究が足りない」と仰る国際政治学者の方々がこの20年に政治学で蓄積されてきたKalyvas, Weinstein, Wood, Lyall, Shapiro, Zhukovらに代表される戦争の研究にどれほどengageしてきたのか、私は寡聞にして存じ上げません。 7/
2022-04-03 07:28:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc 「平和論」や「安全保障論」といった講座名が表すのは政治的な(政治学的なではない)位置であって、研究対象としての安全保障論ではないでしょう。その点では池本先生の仰るとおり、大学教員の多くが特定の政治的態度を持つ人々だったことは否定できないでしょう。8/ twitter.com/MGULaw/status/…
2022-04-03 07:39:09![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そうかなあ。政治は保守、学界はリベラルという時代はたしかにあったような。私は93年入学だけど、駒場の国際関係の授業は山本吉宣、本郷の国際政治学は鴨武彦、国際政治史は高橋進で、一人も現実主義者はいない。リベラルな人が実は権威主義的というのは良くあるけど、それはまた別の話。 twitter.com/nozomuyama/sta…
2022-04-03 00:04:33![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc そうした「リベラル」な人が実は権威主義的で、日本の中で日米同盟を前提にどのように日米関係を調整し、共同で軍事力を運用すべきか論じたい人々に対して敵対的な態度を取っていたことは私も容易に想像できます。今でも憶えているのは、私が学部4年生だった2006年度の秋学期に 9/
2022-04-03 07:42:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc 高橋進の『国際政治史』を履修しようとした時のことです。基本的には欧州国際政治史の授業のはずが、学期の始め頃から脈絡なく「君はなぜ日本が満州事変を起こしたか知っているか?!」と教室の前の方に座っている学生に問い詰めるような口調で尋ね、10/
2022-04-03 07:45:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc 学期中のある日「フランス大使館で昼食を食べてきた。ワインが出るのだ」と言って泥酔して呂律の回らない状態で教室に現れました。既に大学院入学が決まっていた私はこの人には絶対に近づかないようにしようと考えて授業の履修もやめましたが、学部の授業でその状態なら、下の世代の他の研究者や 11/
2022-04-03 07:48:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc 院生に対してどうだったのかは推して知るべしで、口頭試問中に威嚇行為に及んだ(doi.org/10.15088/00003…)というのも宜なるかなと思います。そうした雰囲気の中で日本の保守政権の基本政策を前提としてその延長上に安全保障政策を論じることが気軽にできなかったということは理解できます。12/
2022-04-03 07:55:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc ただそれは、「安全保障を研究できなかった」ということではないでしょう、ということです。ここで大賀先生が書かれているように国際政治と言えば伝統的にはやはり安全保障ですし、13/ twitter.com/toru_oga/statu…
2022-04-03 08:04:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
整理のために書きますが… ・IPE(国際政治経済)は今の30代40代くらいの世代が異常に多いだけで、それで論文書いたことがあるという意味で専門の人カウントしたらそこまで多くないと思う。 ・伝統的に人が多いのはやはり安全保障では。 ・安全保障のなかでの軍事研究・戦争研究・戦略研究はまあ少ない
2022-04-02 23:47:34![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kazzubc 先に私が繰り返し述べたように狭義の軍事戦略研究が政治学の中で中心的な位置にないのは別に日本に限った話ではありません。14/14
2022-04-03 08:06:30東大と京大の違い
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Specialized in IR/Comparative European Politics. 都内の私大で国際関係論・比較政治を担当。主著は『EU政治論』(有斐閣ストゥディア,2020年)。 yuhikaku.co.jp/books/detail/9…
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立命館大学国際関係学部教授。最新の編著書は、益田実・齋藤嘉臣編著『冷戦史―超大国米ソの出現からソ連崩壊まで』(法律文化社、2024年)、訳書はO・A・ウェスタッド著、益田実監訳、山本健・小川浩之訳『冷戦 ワールド・ヒストリー』上下(岩波書店、2020年)です。
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そうかなあ。政治は保守、学界はリベラルという時代はたしかにあったような。私は93年入学だけど、駒場の国際関係の授業は山本吉宣、本郷の国際政治学は鴨武彦、国際政治史は高橋進で、一人も現実主義者はいない。リベラルな人が実は権威主義的というのは良くあるけど、それはまた別の話。 twitter.com/nozomuyama/sta…
2022-04-03 00:04:33![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@shirai_satoshi 正直、国際政治学者の一部の方々の不遇感や被害者感がよくわかりません。自民党政権も長く、1990年代に大学で国際政治を学ぶと現実主義が主流でしたし。
2022-04-02 20:26:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
1980年代後半の京大法学部の政治学系だとあきらかに左派的な立場の方が周辺に追いやられていたような気がする。同時に日本国際政治学会とかだと逆転したりしたかもしれないが、それはまさに学会政治で言論界全体の話ではなかったような気がする。
2022-04-03 06:33:46![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
私の指導教官とか、どう見てもリベラル左派よりの大橋巨泉の「世界まるごとハウマッチ」とかにゲストで出演したりしてたが、そこには今とは違うケント・ギルバートもいて、とにかくラベルはあってもそれはまさにラベルで、中身は必ずしもラベルとは一致していなかった。
2022-04-03 06:39:15