Togetter/min.tで作ったまとめの「下書き保存」機能が便利になりました
2022年4月21日

「STAND BY ME ドラえもん」と原作マンガのしずかちゃんの泣き方の比較から考察する女性像の違い

145
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「STAND BY ME ドラえもん2」が発表された。 2014年に公開され、興行収入83億円の大ヒットとなった、映画ドラえもんシリーズ初のフルCG作品「STAND BY ME ドラえもん」の続編である。 #ドラえもん #映画レビュー pic.twitter.com/V60c9RfbPV

2019-12-13 02:31:40
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

私は普段作品レビューをする際、批判的なものはなるべく書くまいと思っている。 しかし、この「STAND BY ME ドラえもん」に対しては、一つだけどうしても言いたいことがあるのでこのレビューを書くことにした。

2019-12-13 02:31:40
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

私は原作ドラえもんのファンだが、この映画でどうしても許せないシーンが一つある。 それはてんとう虫コミックス34巻「しずちゃんさようなら」に該当する部分である。 pic.twitter.com/qmXXowImKl

2019-12-13 02:31:42
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

この回では、のび太が身勝手で見当違いな心配から「しずちゃんと絶好する」と言い出し、人に嫌われる「虫スカン」という薬をドラえもんに出してもらい、飲む。 しかし大量摂取しすぎて誰も近寄らなくなってしまうが、のび太が自死するのではと勘違いしたしずちゃんだけが、助けにきてくれる。 pic.twitter.com/X99LJ6gm3q

2019-12-13 02:31:44
拡大
拡大
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「SBM」のほうでは、虫スカンの臭気に耐えてのび太の元に向かうシーンがじっくり描かれ、感動的な音楽が流れる。 pic.twitter.com/vszh8FXGI5

2019-12-13 02:31:46
拡大
拡大
拡大
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そして、トイレでのび太に虫スカンを戻させたあと、原作通り怒りだす。台詞も原作とほぼ同じだ。 しかし一つ違う箇所がある。「しずちゃんの泣き方」である。

2019-12-13 02:31:46
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

原作では「のび太を叱るところ」で涙している。一方SBMでは言い終わった後に「のび太さんのバカ…バカ…!」と言って泣き出してしまう。 pic.twitter.com/6VJn9k5HpF

2019-12-13 02:31:47
拡大
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

ここまで書けば私が何に怒っているか、もうお分かりいただけたと思う。 しかし念のため、わからないという方のために説明したい。 問題は「源静香という女性の人格の在り方」なのである。 pic.twitter.com/9C9KgBnTGE

2019-12-13 02:31:48
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

初期はともかくとして、藤子F先生がしずちゃんを、聖女のような理想の女性として描いていたのは明らかである。 感受性豊かで優しく聡明な女性。それが「源静香」というキャラクターだ。 私も昔から理想の女性像として挙げさせてもらっている。 pic.twitter.com/bNNu4kxPuu

2019-12-13 02:31:49
拡大
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「しずちゃんさようなら」は、そんなしずかのエピソードのなかでも屈指の名回である。他にもしずかの懐の深さを描くエピソードはあるが、この回で更にしずかの造型が深みを増したと言ってもいい。 pic.twitter.com/bLFNVOkUqG

2019-12-13 02:31:51
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

この回の終盤しずかは「友人として本気で心配している」 12Pと短い回だが、登場人物は意外に多い。しずかの他にはのび太、ドラえもん、先生、ジャイアンスネ夫、出来杉、ママが出てくる。 出来杉とママはドラえもんの通常プロットにおいて必須キャラではない。なぜこんなに登場キャラが多いのか?

2019-12-13 02:31:51
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

それは「しずかだけがのび太の異変に気付き、見捨てなかった」ということを強調するためである。 話の発端部に「のび太の将来の嫁」ということが挿入されているのもポイントだ。 pic.twitter.com/fch0d17IH0

2019-12-13 02:31:52
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

つまりこの回では、のび太の異変に気付かない周囲や、ドラえもんや親でさえ見捨てるという描写と対比し、「のび太としずかだけの特別な繋がり」が描かれているのである。 pic.twitter.com/cD3qIXXXMw

2019-12-13 02:31:54
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

しずかは嫌悪感に耐えながらのび太の元に辿り着き介抱する。そして心底ほっとし、のび太の軽口で我に帰り、怒り出す。 「あたりまえでしょ!!お友だちだもの!!」 のび太の珍しい表情にも注目したい。 pic.twitter.com/8AnPayQhHL

2019-12-13 02:31:55
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

「あなた弱虫よ!!先生にしかられたくらいで……。」 ここで泣き出す。しかし、涙を浮かべつつも身振り手振りと「……。」から、叱咤が続いたことがわかる。 「泣きながら叱り続けた」のである。 ここでは「泣く」のは本分ではない。「叱る」ことだ。 では、なぜここで「しずかが泣く」のか? pic.twitter.com/c2j97e2DGQ

2019-12-13 02:31:56
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

しずかは優しいキャラクターで、のび太のことを怒ったりすることはほとんどない(エッチな悪戯をされた場合は別) 周囲が虐めてもしずかだけは肩を持ってくれたりもする。 しかし、ここで怒らなければ本当にのび太が人生を諦めてしまうのではと思い、心を鬼にして叱り、慣れない行いで泣いてしまうのだ。

2019-12-13 02:31:57
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

遠まわしな言い方や遠慮をするのではなく「弱虫」という、のび太の最もダメな部分をあえて指摘している。優等生のしずかが「先生にしかられる」ということを軽視もしている。 それほどまでに、のび太の身を第一に考え、本気で案じているということだ。

2019-12-13 02:31:57
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

この回ではしずかの本当の優しさと芯の強さが描かれている。この回で最も重要なのは「このコマ」なのである。 「STAND BY ME」はどうか。 この映画の該当シーンでは、虫スカンの臭気に耐えるシーンで感動BGMが流されている。これが個人的には「全く違う」 そもそもこのシーンはそんなに重要ではない。 pic.twitter.com/8bC0yuWoyF

2019-12-13 02:31:58
拡大
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

このシーンの主眼は「しずか」である。しずか以外に芝居しているキャラクターは居ない。 原作では、しずかは自分の行為を鼻にかけたりしていないし、この時点では純粋に心配だから行っている行為である。 ここで英雄的なBGMを流すということはしずかの行為に何か尊大なものを付与させたいのである pic.twitter.com/scCAOOMvjC

2019-12-13 02:32:01
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

この回が感動的なのは、「周囲との対比」と「しずかの混じり気のない、純粋一途な行動」があるからだ。 ここでわざわざ『しずちゃん頑張ってますぅ~!!』みたいな音楽を流すのは野暮以外の何物でもない。 しずかは自分を立派に見てもらいたいからこういう行動を取ったのか?否である。

2019-12-13 02:32:02
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そして最も許せないのがここの泣き出すタイミング。 まずそこまでの「言い方」が軽すぎる。原作のマジに心配してのトーンとは似ても似つかない軽い調子だ。 そして「バカ…バカ…!」といってのび太の胸で泣く。 オイオイ・・・そりゃないだろ。 pic.twitter.com/EX1MZ2gO8k

2019-12-13 02:32:03
拡大
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

ここで「女の涙」は卑怯である。男は女の涙に弱い。こうされると何も反論出来ない。 それを、こういう切迫した状況でやる女。 私にはこの神経が理解出来ない。本気で相手を心配して、二度とこういうことをするなと諭さなければならない場面で、相手が反論出来ないような「泣き落とし」をするだろうか?

2019-12-13 02:32:03
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

ここに、F先生が描いた源静香の精神の高潔さはカケラも居合わせていない。ただの身勝手なあざとい女が居るだけである。 私はこのシーンを劇場で見て心底怒りに震えた。いやこの映画のダメなところはそれだけじゃないので、ここまでにもだいぶ怒っていたが。

2019-12-13 02:32:03
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

この回は「未来を危惧する見当違いのロマンチストなのび太を、現在の関係を大事にしているリアリストのしずかが修正する話」である。 だから、将来の夫婦関係を持ち出したのび太と対比的に「お友達だもの」としずかが言う。 のび太の「予定」ではなく、読者はしずかの行為に「将来への希望」を見出す。

2019-12-13 02:32:04
齋藤 雄志 @Yuusisaitou

そして「嫌われるのは今度にする」=未来のことじゃなく今を大事にする、とのび太が学習するのである。 映画版では「しずかちゃんに怒られちゃったよぉテヘヘw」と言うだけである。 この男、全くわかっていない。 pic.twitter.com/5WZUuf7g6b

2019-12-13 02:32:05
拡大
残りを読む(2)

コメント

autopen @autopen10 2022年4月21日
いや、その理屈はおかしい
20
ピップ ノーマンズスカイで最初の貨物船選びは失敗だったのでは薄々気がついてきた @sPEr54fuQYqCh3A 2022年4月21日
わかる。 スタンドバイミードラえもんはドラえもんを理解してないなと感じるのよね
190
かまぼこ大権現 @God_of_Nerimono 2022年4月21日
まあ感想は人それぞれだけど、SBMのように泣かれる方が自分はキツいな
11
白木の水夫人形 @jackwhitewood 2022年4月21日
原作にあった作品独自の描写を、映画で紋切り的な感動+女の子的演出にしてしまったことでもともと備わっていたキャラクター性を毀損してしまったということですか。指摘としては理解できます
203
ゆめぴりか @uE9FRDCleYdl0or 2022年4月21日
まぁ何をまとめるかは個人の自由なので諌めるつもりは無いけど、全く同じ内容かつツイートの主によるセルフまとめが既に存在する( https://togetter.com/li/1442218 )のに何故3年前のツイート群をまとめたんですかね…?
87
UZIRO @UZIRO 2022年4月21日
つか2って何やんだ
0
ぽこ @igashiga 2022年4月21日
涙の描写に不満があるのはわかるけど、「泣き落とし」って表現は違うかなと思う。しずかちゃんが泣き落としの意図があって泣いたわけではないだろうから。 原作のしずか像とは違うし私もなんか嫌な改変したとは思うけど
42
ぬけがら @karappo000000 2022年4月21日
例の監督お得意のお涙頂戴連打じゃない。でも今のドラえもん好きの中にはこういうお涙頂戴満載盛り盛りが好きな人も多くなってきてるからな…
20
とみ @t0M1ko 2022年4月21日
スタンドバイミードラえもん、もちろん漫画とは別と捉えつつ1は好きだったんだけど2はめちゃくちゃ苦手。漫画の時のキャラクターの心情とマッチしてないだろうと思うところ多いのと子供のび太のときの決意とか削ぎ落とされた大人の堕落したのび太がまじできつい。
5
タイガーが居た @EZOMAE 2022年4月21日
原作だけじゃなく、旧ドラ、新ドラTVアニメ版ではどこでしずかちゃんは泣いていたのかな? 大人になってからドラえもんは観ていないので、そことも比較してみたいな。
1
かつまた📛あいね📛 @kamiomutsu 2022年4月21日
ドラ泣きは嫌いだがどら焼きは好き(無意味なコメント
51
R335 @R335_ARC 2022年4月21日
SBMドラえもん自体人気で泣けそうなエピソード無理やりつなげたパッチワークみたいなものだし
11
りう @ryu_kak 2022年4月21日
見る気も無いが、スタンドバイミー1、2がこの映画監督としてはかなり高い売上出してるんだよな 本当酷いもんだわ
4
あるふど @1WCzPF0jcLKan43 2022年4月21日
この作者のCG表現が苦手 トイストーリーばりの身振り手振りオーバーリアクションを日本語でやってるのがどうも気持ち悪い
51
苔むすび @mushitaraba 2022年4月21日
怒られる・自分の欠点をはっきり突かれる・相手に多大な迷惑をかけたというマイナス面をうまく取り除き、私には泣いてくれる異性がいる・言葉にならない人を慰めて自分のほうが立場が上のように錯覚させるという美味しいところだけ抜き出そうとしてる感じのシーンだな、と思った
1
ALCaDEUS-メカ娘派/MORAT CAR @d07249 2022年4月21日
何かおかしいと思ったら、これ3年前のツイを今纏めた記事なのね。
9
赤べこ @akabeko7654 2022年4月21日
「聖女のような理想の女性として描いていた」ならスネ夫ののび太ハブりで気にせずスネ夫側について遊んだりしないと思うが🤔🤔
15
中村 @hvw805LQlfnM302 2022年4月21日
しずかちゃんの泣きかたに違和感があるというのはわかるけど、しずかちゃんが聖母的に描かれているということは決して無いとおもうが。最後の余計な主題歌もじりの寒い嘲笑もそうだけど、理解はできるけど手放しに共感できない論評。
44
kilo @unioken 2022年4月21日
「いっしょにつくらない? 何を? 赤ちゃん」のやり取りが好き
1
@nikoneko99 2022年4月21日
こういう微妙な違いってファンにとっては本当にムリになるよね。私も似たようなほんのちょっとの違いでるろうに剣心実写版が無理だった… 巴はあんなにちょくちょく笑わないよ…
28
sake @sake_ne_ku 2022年4月21日
あれは人を泣かせようとしてる作り手のエゴを感じるか感じないかで評価が分かれる作品 大衆化路線にすると途端に感動ポルノしか作れなくなるのが日本映画界
35
koto-tama @kototama2 2022年4月21日
前にもみたことあるな…と思ったらやはりまとめられていた。 しずかちゃんが聖母的に描かれている、は疑問に思いますが映画の描写は安易な改変したせいで快く思えない気持ちは理解できます。でも言い方がちょっと。
4
koto-tama @kototama2 2022年4月21日
「STAND BY ME ドラえもん」以外の作品でもこの監督が何をやったか知っていれば原作リスペクトしない方だというのは解るので…正直原作物には近づいてほしくない人の一人です。
55
山田青典 @aonori_yam 2022年4月22日
神は細部に宿るっていうけど、細部に神を見出すのは人だなってカンジ。
3
YK @YK27401193 2022年4月22日
uE9FRDCleYdl0or むしろ、良いことを言ってるから、再注目して欲しくて、じゃないの?
3
こころがしんどい @yk4shn__ 2022年4月22日
原作ドラえもんの、ちょっとバイオレンスだったりシュールだったりの世界観が好き。スタンドバイミーは勿論だけど、普通のアニメ映画版とかも「子ども向け・夢いっぱい・勇気と希望」感がすごくて苦手なんだよなぁ…。商業的には仕方ないこととはいえ。
21
Ikunao Sugiyama @Dursan 2022年4月22日
一度でいいから見てみたい 貴が特技だけのやつ。 歌丸です。
0
シェブーシュカ @Venom_19263 2022年4月22日
ブラックジャックで患者が死ぬエピソードが アニメ化の際に死なない結末になっていて 怒りを覚えるようなもんか
1
ニコニコ星 @nikonikoboshi 2022年4月22日
スランドバイミーが気持ち悪い原因がきちんと指摘されてると思ったぞこのツイート
28
3150desu @3150desu3150 2022年4月23日
この監督作品って基本感動ポルノだよな
21
nekosencho @Neko_Sencho 2022年4月23日
yk4shn__ 最近のテレビアニメ版はその点よくやってると思う。 映画だと事情違うのかなあ
1
TOIさん(18)☆☀ @1983Y 2022年4月23日
まとめの内容にはふむふむなるほどと賛同する部分多いのだけど、 uE9FRDCleYdl0or これ見てからほぇぇ~?(さくらちゃん)ってなった。普通に過去まとめを自分でツイートすればよかったのでは??それとも新作まとめの方が目に付きやすいと思ってわざわざ同じまとめ作り直したのかな。
0
庭のふらここ @mizubasyo3004 2022年4月23日
「STAND BY ME ドラえもん2」のしずかちゃん泣くシーン、そうなんだ。ステレオタイプというか、実際見たらわたしも白けるだろうな。
3
すらーく @slarq 2022年4月23日
今見たら不愉快放射能ってセリフにドキッとするな。
1
モンターク@鉄血のプリコネノベライズ @top4641 2022年4月23日
いい加減にこの監督を追い出せ それができないから邦画は劣化の一方なんだよ
2
ピーナッツじゃねえか @ohhotguy 2022年4月23日
この監督は大嫌いだが原作なしの映画は名作だと思っている。アレンジの才能がないんだね
0
nekosencho @Neko_Sencho 2022年4月24日
なんだかんだ言ってヒットしてるんだからそれはそれでアリなんじゃねえの? 
0