【騎兵紋章のぶどう酒】 ワゴンに捨て置かれたぶどう酒。騎兵の意匠があしらわれている。 値段が下げられても味は落ちていないと亡者は信じる。それですくわれるものもあるだろう。 pic.twitter.com/DRe7YROvuj
2022-05-05 21:15:20【酩酊者の修復ルーン】 泥酔する亡者が宿したルーン。 それは深き後悔と酩酊が合わさった円環であり、酒に生きる理を律の一部とするものである。 すべての宵に祝福あれ。 pic.twitter.com/6yLSVeDNLT
2022-04-30 19:30:09【背律者の肉塊】 長時間の絶飲食を経た背律者が喰らう肉。その中でも特に脂の多いもの。 背律者の多くは刹那主義で、翌日の腹の心配をしない。 身体に悪いほどうまいのだ。 pic.twitter.com/QJe6fF2sEN
2022-03-25 16:34:19【大躍進する小白酒】 大陸で作られる白酒。その小瓶に詰められたもの。かつては父権の象徴とされる古めかしい酒だったが、近年映えるものとして大きく売上を伸ばした。芋に近い香りはやや野暮ったいが、亡者に異国の情緒を感じた気にさせる。 pic.twitter.com/WWgyOo0ddW
2021-06-03 19:12:39【泡立つ麦酒】 いかなる手法か、理力の乏しい亡者でも上質な泡に浴すことができる麦酒。 どうせ溢れてしまうではないかと言うものもいる。溢れるなら、すぐ飲み干せばよい。亡者はそう考える。 pic.twitter.com/iFnSj1FZk3
2021-04-21 19:18:07【故も知らぬ舶来蒸留酒】 棚のすみに追いやられたバーボン。剥がれかけたラベルの投げやりな扱いが亡者を不安にさせる。 己の無知を恥じるか、蒙昧を悔いるか。舌にのせなければ分からないが、コルクを抜く音は心地よい。 pic.twitter.com/vm1lYgwFLG
2021-02-19 18:18:34【夢の跡】 閉店した店から流れてきたというぶどう酒。口に含むとかなりの渋みが舌にのしかかる。保管状態か、酒の個性か、それとも誰かの妄念か。 いずれにせよ、亡者に夢を見せるには十分だ。 pic.twitter.com/CTiByDCrHy
2020-12-04 18:10:57【残された葡萄酒】 ワゴンに捨て置かれた葡萄酒の一本。有機栽培のありがたさを謳ったラベルにはわずかだが、かすれが見える。 渇いた亡者がつぶやく「おすくいせねば」という響きのなんと無機質なことか。 pic.twitter.com/yUFuvwezER
2020-11-26 19:08:06金獅子の発泡酒 金獅子の紋章が描かれた一杯。 値段の割りに華やかな香りが亡者の気持ちを一時的に大きくする。 一敗、地に塗れようとも、せめて心だけでも獅子のように雄々しくあれ。これはそういう決意を秘めた弱者の酒だ。 pic.twitter.com/dxmSyi9QSb
2020-06-29 18:54:44刺激的な安酒 鬱屈とした亡者の目をも覚ます酒。 口中に広がる清涼感は酒がもたらしたものか脳裏にある幼年期の残滓か。 いずれにせよ現実逃避には劇的に効く。 pic.twitter.com/6mAdjGMt7U
2020-06-25 20:36:06感覚麻痺の秘薬 缶に封じられた水薬。 使用するとしばしの間、痛覚が鈍り苦しみを和らげる。 万病の元だと諌める者もいるが気にすることはない。飲めば、聞こえなくなる。 pic.twitter.com/gvDGxOkEM9
2020-06-05 18:21:24故も知らぬ吟醸酒 棚に残された日本酒。 笑みの字に重ねられた半額の字がむしろ哀れみを呼び覚ます。 それでも人は純米大吟醸の文字にかすかな望みを託して財布を開く。 晩酌にも、時には冒険が必要だ。 pic.twitter.com/PmHHcKP7Mm
2020-06-03 17:39:09