- toshi3636_1
- 903
- 4
- 0
- 0
昨日、おそらく一生に一度と思われる貴重な経験をした。 メタバースに「蘭奢待」は香るか youtube.com/watch?v=PhH-sH… 改めて、志野流香道の蜂谷宗玄宗匠、蜂谷宗苾若宗匠、みなさま、ありがとうございました。
2022-05-29 04:05:27メタバースに関する議論が盛んだが、視覚、聴覚については良いとして、嗅覚、味覚、触覚については難しいところがあると思う。特に嗅覚については、その神経学的メカニズムや物質的基盤が解明されていないので、とりわけ難しい。
2022-05-29 04:06:50もちろん、原理的には、ある匂い物質によって生まれる神経活動をなんらかの方法で刺激して再現すればいいのではないか、とも考えられる。しかし、そのことの意味が実はそう簡単ではないと思う。
2022-05-29 04:08:18たとえば日本文化の中で唯一無二の名香である「蘭奢待」の香りはなにか、それをメタバースで再現しようとしても、その同一性を担保しているものがなにかはわからない。「これ」が「蘭奢待」の香りであるという指し示しを保証しているものはなにか。
2022-05-29 04:09:38「蘭奢待」の成分が解明されて、すべて再現されたとしても(それ自体難しいチャレンジだと思うが)、それによって引き起こされる神経活動を直接再現するというメタバースのアプローチは、何を意味するのかは明確ではない。個人差や統計的なばらつきもあるからだ。
2022-05-29 04:10:49「蘭奢待」の香りで引き起こされる神経活動に実際には個人差があったとしても、「蘭奢待」という物質的同一性によって担保されている。そのような構造がメタバースでは明確ではない。強いて言えばデジタルデータの同一性が担保するということになるが、そのアプローチにどのような意味があるか。
2022-05-29 04:12:01メタバースで経験が再現されるというのは、神経学的にはトリビアルな原理的考察で、それ以上でもそれ以下でもないし、視聴覚以外のモダリティでそれをやろうとすると同一性の罠がある。ぼくはメタバースには実際的以上の原理的深みはないと思う。
2022-05-29 04:13:16