- rouillewrite
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「お前の父親は子供が好きだったんだろ!?夜に連続殺人事件のあった現場周辺をウロウロしていたのも、パトロールのためだった!! そんな父親が……自分のために娘が子供殺し回ってるところなんて見たいと思うのか!?それで、悲しまないとでも思うのか!?」
2022-05-30 22:24:04「………だって……パパ……。 いやだ…パパ……パパを殺したみんなに……痛い目見させるために……」
2022-05-30 22:26:15「…まだ……終わってないもん…………。 もう一度やるんだもん……。 同じ、同じ惨劇を…………見せつけるために…………復讐するために……」
2022-05-30 22:28:05ぐらついたような少女の目をして、しかしすぐにグリムは震える声でそう告げる。 心の中で何かが揺れ動いたのは確かだったが、復讐をするなというそれに答える気はないようだ。 そのうち、視界がぼやけてきた。出血しすぎたか。もう尽くせる言葉が残されていないことに気づく。
2022-05-30 22:29:09「…この名前の探偵を、頼れ。 もう…人は殺すな。 探すのなら、こんなことをしなくたって、出来るはずだ。 人を殺さなくたって…。 それとも、出来ないのか? グリム・リーパー」
2022-05-30 22:34:03「…………言ってくれるね。ギル・アーティ。 いいよ、わかった。 人は殺さないであげる。 …こんなに気にかけられたのは、パパ以来だ」
2022-05-30 22:34:42リヒューティは紙を受け取ると、そっとポケットにしまい込んだ。 その時、正面からドサッと音がした。 …どうやら彼も、限界のようだ。
2022-05-30 22:35:39「…庭師の彼を……仲間を殺したのは、どうしてだ……?復讐のための道具だった…ってことか……?」
2022-05-30 22:38:03その問いに、リヒューティは静かに瞠目した。 荒く息を繰り返す彼を見下ろしたまま、少し目線を逸らし庭のある方を見つめる。
2022-05-30 22:38:45「…言っただろう?僕は7つまで生きられないって。 1つ目の異能の副作用だよ。 大きすぎる力は、使用者の命を蝕むって、よくある話さ。 寿命。 それが僕の異能の副作用」
2022-05-30 22:40:16「だからジャックに問いかけたんだ。 出て行く気は無いのかって。 そうしたら、僕が全てだって言うんだ。 出ていく気はないって、そう言ったんだ。」
2022-05-30 22:40:46「……僕が死んだらあの子はどうなる? またボロボロのまま外に放り出されて、どこかの奴隷になってしまうかもしれない。 どこかで野垂れ死にしてしまうかもしれない。 …デアダームくらい自立してて、賢ければそのままで良かったんだけど」
2022-05-30 22:41:48「苦しい思いしながら生きていくくらいなら……いっそ───。 そう思っただけだよ、他意はない。 これが質問の答え」
2022-05-30 22:43:37冷酷だと思っていた少女の、ほんの一瞬見えた人間らしい顔。 ギルは頷いて、持っていた紙をくしゃくしゃに握ろうとして───倒れる。
2022-05-30 22:45:08もし後に弟が来たのなら伝えようと思ったが、必要ないかと思う気持ちと、今まで彼女がやって来た行いを考えるとどうしても…という気持ちがせめぎ合って、最後まで残しておいてしまった伝言。
2022-05-30 22:45:57