- rouillewrite
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UP A Mystery【完結】
@C_UP_A_Mystery
1番左奥の椅子、その赤い絨毯の方にイーライは座っていた。下を向いているようで、項垂れて動かない。
2022-05-26 21:27:43
UP A Mystery【完結】
@C_UP_A_Mystery
昨日の夜から、ずっと黙っている彼。 こんな早朝に礼拝堂に来るということは、なにか思う所があってだろうか。
2022-05-26 21:31:50
UP A Mystery【完結】
@C_UP_A_Mystery
もう一度、イーライの名前を呼ぼうとした時、彼は少女の名前を口にする。 彼女が驚いてイーライの方をよく見れば…彼は顔を上げてこちらを見つめていた。
2022-05-26 21:33:34
UP A Mystery【完結】
@C_UP_A_Mystery
「…たくさん、酷いことをした。 お前があの時怒ったのも当たり前で、もう数発殴られたって、罵詈雑言を吐かれたっていい」
2022-05-26 21:35:02
UP A Mystery【完結】
@C_UP_A_Mystery
あの時、というのはエリーゼが目を怪我した時のことだろう。エリーゼが彼を殴ってイーライの妹ではないことを泣きながら告げたあとも、彼はどこかぼんやりしていた。 …アシュリーに言われて、何か変わったのか。 ようやく、受け入れたのか。 エリーゼは何も言わず、じっと彼を見つめる。
2022-05-26 21:36:26
UP A Mystery【完結】
@C_UP_A_Mystery
「……俺な。 …………………………あの子、…………エリィのこと、認めたくなかったんだ。 ……今も、心のどこかで壁みたいなの作って自分を守ってる。 ……最低だよな。 ……どうしようもねぇ」
2022-05-26 21:37:05
UP A Mystery【完結】
@C_UP_A_Mystery
…ぼろぼろとこぼれる涙が、朝日に照らされて落ちていく。 エリーゼを見つめて、顔をクシャクシャに歪めて泣くイーライの顔が、切なくて。 エリーゼは、目を閉じて静かに答えた。
2022-05-26 21:39:23