乳癌細胞内で生存する細菌叢が転移を促進する機能を持つというCELL論文の読解まとめ

癌細胞の中で細菌が生き続けているというのは教科書にはあまり書いていないことで、常識外でしたが、それががんに有利に働いているという驚きの論文の解説を試みました。
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Jun Yasuda @jyasuda1

論文中では「細胞内細菌DNA抽出の効率が低いため、16Sでの細菌量の推定は低めに出る」ということのようだが、仮に1/100と低めに見積もっても1個/細胞くらいだと思われる。

2022-06-04 19:00:04
Jun Yasuda @jyasuda1

実はこの論文、研究所内の抄読会で紹介したのだが、その際そうだなあと思った指摘は「マイコプラズマはDAPIで染まって見えるが、細菌はそまらないのか?」というものである。先行論文では「細胞内では細菌は細胞壁を作らないL-formである」みたいな記載があり、マイコプラズマに似ている。

2022-06-04 19:02:54
Jun Yasuda @jyasuda1

最後に臨床の先生方からは「術後に抗生剤など入れているが特に転移を抑制しているという印象はない」というコメントがあったが、これは細胞内細菌を完全に殺せるほどの治療をしているのかはわからない以上、論文が間違っているという論拠にはなりにくそうに思う。

2022-06-04 19:04:42
Jun Yasuda @jyasuda1

あとはオルガノイドにまぶしたり、腫瘍組織に注入するだけで細胞内への細菌の侵入が成立するというのがよくわからない。どうやら細胞分裂の際に入り込むらしいのだが。

2022-06-04 20:32:37