【乞うご意見】ゲーマーは何をし、科学者は何が出来なかった?9/23読売報「ゲーマー、科学の難問を3週間で解明」報道を検証する
- Slight_Bright
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”Structural and biochemical studies of retroviral proteases.” 2000 B.B.A. http://t.co/XQhldsv9 生理活性のあるレトロウイルスのプロテアーゼの既知の構造が全てホモダイマーであるとして引用
2011-09-23 16:12:41で、その二量体になるのを妨げるメカニズムきぼんぬ、と。抗レトロウイルス薬開発の為にも。RT @Slight_Bright あー、なるほど。例のレトロウイルスのプロテアーゼって、二量体化がアカンかったんか。
2011-09-23 16:20:58”Three-dimensional structure of a monomeric form of a retroviral protease.” 2003, JMB http://t.co/gdxOvVSg M-PMVのプロテアーゼ単量体のNMRによる構造として引用
2011-09-23 16:39:25いくつかの結晶系は出来たらしい。そこで、二量体やNMRの構造を元に、分子置換を十年以上試みたが出来ひんかった、と。(って言うか、普通に位相がつかん理由が分からん)。RT @Slight_Bright で、単量体の結晶だけは出来てた、と。
2011-09-23 16:47:32”Improved molecular replacement by density- and energy-guided protein structure optimization.” 2011 Nature http://t.co/pkrRMwFU この方法でも失敗。
2011-09-23 16:58:56で、その論文中でこのM-PMV PRがFolditによるリファイメントを試すのにピッタリではないか、と。(パラメーター数が圧倒的に少ないので)。RT @Slight_Bright 単量体でかつ114残基って言うのは、扱うには「手頃」か。
2011-09-23 17:06:06”Crystal structure of a monomeric retroviral protease solved by protein folding game players-Supplementary info.” http://t.co/xty7hUjx (pdf)
2011-09-23 17:54:42データのResolution 43.3-1.63Åか。余程位相が悪かったって事か? Table 1 Data collection and refinement statistics (molecular replacement) http://t.co/CzzMTPOe
2011-09-23 18:00:28分子置換の初期モデルと最終的に得られた構造の比較は、このFig.3が分かり易い。4つ全てで青が得られた構造。aの緑が最後の決定打となったmimiさんによるFolditモデル。他の3つはNMRの構造を元にしたRosettaモデル。 http://t.co/CzzMTPOe
2011-09-23 19:00:11X線結晶構造解析の流れは大まかにこちら。 http://t.co/8eg3Z9pA 図2の左から2番目がデータ、3番目の黒い円が実験データから計算(フーリエ合成)で得られる電子密度で、分解能が良ければ(だいたい2Å以上程度だっけ?)アミノ酸の側鎖の形までがある程度判別可能。(続
2011-09-23 19:48:04アミノ酸側鎖の電子密度に対して、プログラムを使って側鎖を合わせる作業はこのPDF http://t.co/DOGUtXvZ の7ページが分かり易い。
2011-09-23 19:53:23そのPDF9ページにある様に個々のアミノ酸の形は特徴があり、その密度図に合わせてアミノ酸を置いていく様は、ある意味確かに3Dゲーム的。更にゲノム計画等を通して(パーツである)アミノ酸の配列が分かって来たので、配列が分かっていればあとはデータの分解能次第と思われる。(続
2011-09-23 19:59:43おそらく今回のプロテアーゼの結晶のケースはフーリエ合成の位相の決定に難があって進展しなかったのではないか、と思われ。結果的に得られる電子密度の絵がクリアでない、と。(続
2011-09-23 20:07:28その結果図2の構造計算のプロセスに「最適化」とある部分で、アミノ酸を置いて出来た分子モデルからデータを逆計算し、データとの誤差を小さくして行く過程に難が。(いわゆるR-factorが下がらん、とかゆう)(続
2011-09-23 20:09:30で、これまで配列「だけ」から立体構造を明かにしよう、と言うたんぱく質構造予測で得られた知見を生かしてゲーム化したFolditにおすがりしたら?、と。配列によってαヘリックス等取りやすい構造があるのは分かってきてるので。(続
2011-09-23 20:13:18つまり先の図2の最適化の過程で、分子モデルの構築を実験から得られた電子密度に基づかずに、Folditさまのおりこうさま!と。まぁ小さいのでパラメータも少ないので。そうしたら、始めて3週間でこの最適化のプロセスクリア!で、立体構造決定にゲーマーも貢献ってところかと。
2011-09-23 20:19:44で、この論文の肝心なところを理解するには、どうしてもX線結晶構造解析のキモの部分の「フーリエ合成」のハナシは避けて通れないハナシ。
2011-09-27 00:05:34要はこのPDF http://t.co/DOGUtXvZ なんかにもある、 電子密度ρ(x y z)=1/V ΣΣΣ |F(h k l)|exp[-2πi(hx + ky + lz) + iα(h k l)] と言う式の意味。
2011-09-27 00:10:46で、このフーリエ合成の式が意味するところは、「ある区間の関数を三角関数の和で表現しませう」と言うもの。かつ(詳しい事は省くケド)整数倍の(空間)周波数の三角関数でおk、と言うもの。
2011-09-27 00:21:19と言ってみても、分かんねーよ、と言う方のために、具体的に素数とか使わずに、かつ一次元だけにしてオマケに長さを1として書くと、
2011-09-27 00:32:48電子密度ρ= A0 + Σ An sin(nx + φn) (和は1、2、3…と反射のある限り)となる。
2011-09-27 00:37:48要は、電子「密度」なので、この式を積分してみると分かる様に、Σの中の三角関数は全区間で積分すれば0、残るのはA0だけ。
2011-09-27 00:46:01言い換えれば、区間内の電子数A0に対して、ある値xの密度の「デコボコ」を表しているのが、Σの中の三角関数、と言う事。
2011-09-27 00:48:10