「参政党・松田学」氏の「松田プラン」とは? 「国の借金をお金に変える」!? ――フリーランチはあるか、出口戦略としてのデジタル通貨、金利は何のためにある
もし、なんの負担もなく、「借金が消える」方法があるなら、たとえば、毎年5千兆円の予算を組んで、太平洋を埋め立てて、日本の国土を大きくすれば、領土問題にこだわる必要もなくなるはず……!? しかし、実際には実行できない。フリーランチはないからだ。
2022-07-22 23:08:59「デジタル通貨」は、日銀の「出口戦略」には有効
さて、「デジタル通貨」についても言えば、べつに(政府)紙幣がアナログでも、デジタルでも、刷り過ぎればインフレになるのは、まったく変わらない。デジタルにしたからフリーランチになるわけではない。
2022-07-22 23:10:11どうして、デジタルにするだけで、「借金がお金に変わる」のか、まったく分からない。デジタル通貨だろうが、大量発行すれば、インフレになるだけ。
2022-07-22 23:11:23ところで、松田氏は「打ち出の小槌」にならないよう、デジタル通貨の交換に制限を設ける、ということも言っている。インフレになる、という批判を想定してのものだろう。
2022-07-22 23:12:19しかし、デジタル(政府)通貨の発行を制限するなら、政府の予算も制限されるだろう。要するに、「財政再建」と「積極財政」は、基本的に両立しない。「国民負担なき財政再建」など、不可能だ。
2022-07-22 23:13:41ところで、私はデジタル通貨だろうと、フリーランチはない、と言っているだけで、「デジタル通貨の導入」自体には別に反対しない。というかむしろ、賛成派だ。
2022-07-22 23:16:12ここまで、批判が主だったが、「借金が消える」といったフリーランチ論でなく、現実的な使い方を想定した時、財政金融政策において、デジタル通貨の導入は、むしろ不可避ではないか、と私は思う。
2022-07-22 23:18:46しかしなぜ、「デジタル通貨」が、財政金融政策に必須なのか? 本格的な説明は、尺の都合でまた別の機会に譲るが、その概要だけでも、最後に語っておこう。
2022-07-22 23:21:11youtube.com/watch?v=fANzin… 日銀が来月からCBDC実験 発行や流通などを検証(2021年3月26日 テレ東)
2022-07-22 23:22:00ちなみに、松田氏が言うデジタル通貨は、「デジタル政府通貨」なので、「中央銀行デジタル通貨」とは別の話だが、細かいことはともかく、デジタル通貨の利点を語ろう。
2022-07-22 23:24:03また、「預金税」の実行も容易になる。デジタル化しない場合、預金税を掛けると、「タンス預金」に逃げてしまうが、キャッシュレス化で現金を廃止すれば、もう逃げられない。これも財政にプラス。
2022-07-22 23:26:46同じ理屈で、現金に逃げられないため、「マイナス金利」の深掘りなど、金融政策の自由度も高まる。これも、日銀の出口戦略などに、おそらくプラスに働くだろう。
2022-07-22 23:27:50さらに、マネーの電子化と政府の電子化を、併行して進めることで、行政コストが削減できる。以前、「10万円給付金の事務費が1千億円超」などという話があったので、決して小さくない。
2022-07-22 23:30:27たとえば、ふだん税金を逃れている、宗教法人(非課税)とか、ヤクザとか、風俗嬢とか、あるいは麻薬の売人のようなアングラマネーの住人ですら、インフレ税からは逃れられない。通貨を使う限り、平等に負担する。
2022-07-22 23:37:06徴税力では、「消費税」も強力だが、インフレ税の場合、あまり「消費しない」年金暮らしの高齢者だとか、ストック資産への課税が可能になる。これが超強力だ。
2022-07-22 23:38:22ただし、強力なほどいい、というわけではない。「劇薬」と同じで、副作用も強い。インフレ率が高まると、海外への「資産逃避」などの、コストやリスクも発生するからだ。だから、マイルドインフレがいいと。
2022-07-22 23:39:48ところが、インフレ/デフレは、そう簡単にコントロールできない、という問題がある。黒田日銀が金融緩和を始めて、何年経つか? もう十年くらいになるだろう。インフレ目標達成に、長い時間が掛かった。
2022-07-22 23:42:32しかし、インフレ税と違って、デジタル通貨なら、「預金税2%」は、偶然の要素がなく、実行できる。とすれば間違いなく、財政にとって、大きい要素だろう。
2022-07-22 23:44:22