専門分野は分子腫瘍学・分子生物学。抗体を活用した研究を行ってきました。腫瘍免疫は重要なテーマなので免疫学も守備範囲。大学で教えています。
宝塚CDCから警報が発令されました。今回の警報はmRNA型生物製剤の追加接種が免疫抑制を誘導しているというものです。私は研究者ですから論文を読むのは当たり前なのですが、宮澤先生が、診療を行う傍ら、論文を読まれて発信されていることに敬服いたします。
2022-07-27 07:56:52今回紹介する論文ですが宮澤先生はいち早く紹介されていて、この内容に基づいて宝塚CDC警報を出したというわけです。 Class switch towards non-inflammatory IgG isotypes after repeated SARS-CoV-2 mRNA vaccination | medRxiv
2022-07-27 07:57:28最初に結論を書いておきますが、やはりmRNA型生物製剤の接種を進めてはいけないということ。特に三回目以降の接種は問題です。かなり深刻な状態を招きます。PCR法の問題点はこの前のスレッドで議論しました。現在、確かに陽性者は増えていますが、本当の感染者数は正確に把握されていないのが実態です
2022-07-27 07:58:54回りで陽性者が増えているからと言って、効果がほとんどないものを追加接種しても傷を深めるだけというのが私の意見です。メディアのあおりに乗せられて追加接種会場に足を運ばないように。免疫抑制による重症化抑制効果と引き換えに免疫機能は大きな影響を受けることになります。
2022-07-27 07:59:51接種によって制御性T細胞が活性化されていることは何度か紹介しました。今回の論文では、その結果と思われるIgG4抗体の誘導が示されました。このことがどのような意味を持つのかについて今回は考察したいと思います。この論文は免疫抑制機構に関する私の仮説にさらにエビデンスを提供するものです。
2022-07-27 08:02:11専門の方にはTune先生のスレッドが役立つでしょう。こちらでは一つ一つのデータが詳しく紹介されています。個々のデータをみたい方はこちらを。 twitter.com/keisuke4713/st… この論文を紹介した英語のサイトも紹介します。 unglossed.substack.com/p/boosting-tol…
2022-07-27 08:05:044回目のCOVIDワクチン投与で発表された新しい研究youtube.com/watch?v=LXDH-x… ABC News' Dr. Jen Ashton 耐性 抗原注射を繰り返すと、 抗原(spike蛋白)に対する耐性⬆️ pic.twitter.com/RnkQwBThDJ
2022-07-25 08:13:03この論文を代表するデータを1つだけ貼り付けおきます。ポイントはグラフの右の上から二番目です。二回接種でもしばらくするとIgG4はできてきますが、三回目の接種で強力にブーストされる。二回接種のフォーアップ、つまり二回接種後の長期観察でもIgG4は観察されています。 pic.twitter.com/KhTitnTEV8
2022-07-27 08:07:26以前、私がスパイクタンパク質は9か月目までは継続的に生産されていることを紹介しましたが、このことは、そのエビデンスにもなるでしょう。炎症性反応を誘導しないIgG4が二回接種でもしばらくするとできてくる。このことはマイナスのワクチン効果の原因かもしれません。
2022-07-27 08:10:26しかもこの現象がmRNA型生物製剤のみで観察されているのが面白いところ。アデノベクター型ではこの現象は見られない。スパイクタンパク質をmRNA型で大量に生産することが問題だということです。抗原を極端にたくさん生産すれば、このような現象もおきるしシェディングがおきても不思議がないのでは。
2022-07-27 08:13:38やはりmRNA型生物製剤というプラットフォームは問題が多いと思いました。ここからこのことがどのような意味を持つのかについて考えます。 アレルギーの発生における衛生仮説というものがあります。こどものころの衛生環境が重要だという考え方です。きれいすぎると良くないという考え方です。
2022-07-27 08:16:41衛生環境の良いところで育った子供は感染症の原因であるさまざまな病原体にさらされることが少ないため、免疫系のコントロールにおいて重要なはたらきをする制御性T細胞の産生低下をきたしそのためありふれた環境抗原に対する免疫応答がおきてしまいアレルギーの発生のリスクが高まるという考え方です
2022-07-27 08:17:35これは先日、紹介したボッシュ博士の記事にも通じる部分があります。子供は自然抗体をたくさん持っており、子供の時にさまざまな感染症を経験してナチュラルキラー細胞を鍛えるのが重要だということ。ところが接種すると強い結合力のあるIgGが誘導されてこれができなくなるという考え方です。
2022-07-27 08:19:32衛生仮説これは現在では確立した理論です。制御性T細胞が正しく機能するためには感染のトレーニングが必要だということ。このことは、逆に制御性T細胞の機能が亢進してしまうと免疫抑制がおきてしまうことを意味します。mRNA型の接種により制御性T細胞の活性化がおきることについては既に説明ずみです
2022-07-27 08:21:46制御性T細胞は免疫機能を抑制すためにIL10という物質やTGF-βというような抑制性サイトカインを分泌します。このことを覚えておいてください。IL10がCD27陽性B細胞でIgG4の産生を誘導するという論文を引用しておきます。CD27陽性B細胞というのは親和性成熟が盛んにおきるメモリーB細胞のことです。
2022-07-27 08:22:44これがその論文。こちらではアレルギーで問題になるIgEとIgG4の制御にIL10が関与していることが示されています。ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…
2022-07-27 08:24:05アレルギーの治療の一つとしてよく行われるのはアレルゲン減感作療法。これは端的に言うと、アレルギーの原因になっている抗原を繰り返して投与するのが基本です。抗原を投与すると言ってもいきなり大量の抗原を投与すると大変なことになるので最初は微量の抗原を投与して徐々に増やしていくわけです。
2022-07-27 08:24:55この時に何がおきているのか。アレルギー反応に関与しているIgE抗体が減少しIgG抗体ができる。この治療法が成功するかどうかは抑制性の免疫伝達物質であるIL10およびTGF-βを産生する制御性T細胞を誘導できるかどうかにかかっています。制御性T細胞の誘導に成功してIL10が分泌されるようになると次は?
2022-07-27 08:27:06抗体のクラススイッチという現象が誘導されます。ここでおきている反応は制御性T細胞の活性化がおきて制御性T細胞はIL10を放出しIL10によってメモリーB細胞で抗体遺伝子が再編成されてIgG4の産生が誘導されるという現象です。次にIgG4について説明します。
2022-07-27 08:29:34主要なヒト抗体であるIgGはさらに4種類に分類される。それがIgG1、IgG2、IgG3そしてIgG4(これらが抗体のサブクラス)です。これは血中の量が多い順番に命名されています。一番多いのがIgG1で一番少ないのがIgG4です。IgG1とIgG3は炎症誘導性の抗体で、IgG2とIgG4は非炎症誘導性のIgGと呼ばれます
2022-07-27 08:31:29抗体はエフェクター機能と呼ばれる重要なはたらきを有しています。IgGは1種類あればいいと思いたくなるところですが4種類あることには理由があります。抗体がどのような反応を誘導するかがそれぞれ異なっているわけです。それが炎症誘導性と非炎症誘導性と言うこと。
2022-07-27 08:33:02非炎症性のIgG4がうまいことできてアレルゲン、つまりアレルギーの原因物質に結合すれば非炎症誘導性という性質によってアレルギー反応が抑えられることになります。次に、この非炎症誘導性ということを説明します。 抗体が体内で引き越す反応はさまざまですが、これをまとめたのが次の模式図です。 pic.twitter.com/iBcERTBjIC
2022-07-27 08:34:39ここでは英語の模式図をはりつけておきますが、さらに、さらに詳しく知りたい方のために日本がん免疫学会のウエブサイトを紹介しておきます。 jaci.jp/patient/immune…
2022-07-27 08:35:28ついでに、抗体の仕組みと種類を理解するのに役立つサイトを紹介しておきます。このサイトの下の方に抗体ガイドブック第三版へのリンクがあります。このガイドブックの後半は実験マニュアルですが、前半は抗体に関する基礎知識がわかりやすく書かれています。
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