『中途半端な砲を載せても軍艦とはガチで戦えず、ガチで戦うならFFMクラスになっちゃうし、平時の警告射撃なら30mmで充分だし、安価な哨戒艦としては思い切りのいい割り切りが重要』-とほほ電池氏による海自哨戒艦への評価 -

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imgurの人/とほほ電池@充電中 @chageimgur

そろそろ再開しよかと思う。 明日からは「仕事」で忙しくなるのでツイッター封鎖の予定なのでね…… 今日のウチに終わらせたい。 pic.twitter.com/TvxW5aQnCC

2022-07-28 21:05:20
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まず昨日のおさらい。 哨戒艦は何故必要になったのか? 何故この規模になったのか? 海自は尖閣や瀬取り、その他の監視などのために保有艦艇を酷使して艦艇不足であり、増勢が急務となっている。 その監視用艦艇は外洋でも使えるだけの大きさと、予算事情と人不足から簡素な艦である必要があった。 pic.twitter.com/hRrqosyy9s

2022-07-28 21:10:41
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尖閣周辺の緊張が高まってる場所、さらには海賊対処などのリスクの高い場所では護衛艦が必要であり、そちらの数不足は新型護衛艦FFMで増勢が決まっている。 一方でその後方、日本近海を通行する艦艇を監視する低リスクな任務には現在掃海艇などをあてるほどの数不足で、これを代わりにやるのが哨戒艦。 pic.twitter.com/VHeQqrG9Fl

2022-07-28 21:14:13
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哨戒艦は船体規模が小型護衛艦(DE)なみのサイズな割に武装は巡視船レベルだが、冬の日本海の波に耐えるには波長的に90〜100mの船体長が必要とされ、武器のためにではなく自然に耐えるために大きめの船体が必要になった。 武器や装備から船体サイズが決まったのではなく、船体サイズが先といえる。 pic.twitter.com/c7hCKFi9I4

2022-07-28 21:18:27
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12隻という数は多いように見えるけれど、現在5個地方隊に6個隊12隻が分散配備されてる掃海艇が、新型護衛艦FFMへの枠の転用もあって廃止される見込み。 その代わりとして各地方隊に配備される手駒として見れば、12隻という数は多すぎるどころか丁度そのままとすら言える。 pic.twitter.com/5V9r2CazJP

2022-07-28 21:20:59
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と、昨日をざっと振り返ったところで、本題である「哨戒艦はこんなショボい装備でなぜ善しとされたのか」についての妄想……私見を書いてみたいと思う。

2022-07-28 21:22:04
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まず、哨戒艦はリスクの高い海域では行動しないというのは大前提になる。 警戒監視に使うといっても、FFMが大量建造され代替を狙う尖閣沖のように睨み合う緊張した海ではなく、 日本近海を通行する艦艇が変なことをしないか見張るためのもので、リスクは低い。 twitter.com/chageimgur/sta…

2022-07-28 21:29:05
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とはいえ、安全保障関係者の韓国軍への信頼を地に落としたP-1FCレーダ照射事案など、突発的な事案が発生する可能性自体はゼロではない。 哨戒艦に一定の武装を求める人たちは、こういう事態の際に哨戒艦であっても単独での自衛戦闘できる能力を有するべきだという考えだと仮定してこれから書く。 pic.twitter.com/wj9Aa09i8d

2022-07-28 21:32:21
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哨戒艦が直面しうるリスクをまず考えよう。 どんな脅威を想定するかで積むべき装備は変わってくる。 なんとなく30mmじゃダメな感じがするから57mmくらい欲しい、みたいなのではダメ。 どんな脅威を想定し、それにどう対応させるのか決めないと。

2022-07-28 21:37:09
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まず哨戒艦が喧嘩を売られたときを考えよう。 他国艦艇に接近し追尾する任務からいって、追尾対象からぶつけられる危険がある。 これは鋼製船体に耐えて貰うとして、 他に追尾対象から攻撃、距離から言って砲撃を受ける危険、 低速機(ヘリやUAV)での至近距離飛行、体当たりの危険もあるな。 pic.twitter.com/cLKhR7qcz3

2022-07-28 21:42:48
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哨戒艦が対艦ミサイル攻撃を受ける危険性はそう高くない。 尖閣沖でぶいぶい言わせてるならともかく(この点で言えば海保の巡視船防護は考えておきたい)日本近海でうろちょろしてる安くて弱い哨戒艦に対艦ミサイル攻撃する意味は薄いし、追尾対象から攻撃されるにしてもSSMは最短射程の問題がある。 pic.twitter.com/a5WavlvKiC

2022-07-28 21:46:11
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監視対象を恐らくは有視界内まで接近し追尾監視する哨戒艦にとって最大の危険は、有視界内というレンジでの現代艦艇最大火力、監視対象からの艦砲射撃といえるだろう。 これを哨戒艦側が阻止するのは難しい。耐えるような装甲をつけられるわけもない。 pic.twitter.com/CsoVSQmmue

2022-07-28 21:51:25
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ファランクスCIWSが5インチ砲弾の撃墜実績があるとはいうが、じゃあ敵艦がとち狂って艦砲射撃してきたときに備えてファランクスCIWS積んで対応、ってアリかといえば無しでしょうな…… あっちゅーまに弾切れ…… pic.twitter.com/uU2kVRY6f3

2022-07-28 21:53:52
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哨戒艦側が実施し得る積極的な対応策としては、とち狂った相手をすみやかに撃沈できる火力の保有にほかならない。 が、想定距離からいって通常のSSMでは不適。 艦砲のレンジなのでな。 だがフリゲート以上相手では、30mmも40mmも76mmも威力不足。 せめて5インチ砲が必要だが、哨戒艦に積むにはデカい。 pic.twitter.com/MCMjNIYIxD

2022-07-28 21:57:31
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となると、76mm砲を連射するか、短射程の対艦ミサイルくらいしか手がないが、短射程の対艦ミサイルというても想定するターゲットは小型舟艇。 哨戒艦が向き合うフリゲート以上相手に撃つには小さいし、何より哨戒艦専用装備になってしまい教育・後方コストがかさみ現実的ではない。 pic.twitter.com/AfrubzFxbE

2022-07-28 22:02:09
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とまあ、哨戒艦で敵艦が急にとち狂って艦砲射撃しかけてきた時に対処できる装備品となると現実的ではない。 ギリギリ76mm砲が敵艦を行動不能にできるまで連射し続けることができたならなんとかワンチャン…… ってレベル。 pic.twitter.com/ySzHoT96vO

2022-07-28 22:06:21
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話を変え低速航空機の接近、ヘリやUAVの近接および体当たりを想定すると、幾ら射程があっても接近に対する警告などのステップを飛ばせない以上、必要な装備品は近距離での対空射撃が可能な火砲があればいい。 そこまで特別なものはいらない。 pic.twitter.com/52ixIJAuu2

2022-07-28 22:09:25
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というわけで哨戒艦にとって比較的現れる可能性が高い、とち狂った追尾対象艦からの砲撃と低速航空機接近に対応しようとすると、必要なのはSSMやCIWSではなく、艦砲ということになる。 では、そのために76mm砲ではなく、なぜ30mm機関砲が選ばれたのかをこのあとやる。 pic.twitter.com/CZ0GbVUgFF

2022-07-28 22:14:01
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哨戒艦にCIWSなどASMD能力を求める向きについては、哨戒艦が対艦ミサイル攻撃受けるとかどこに投入するつもりで話してるの?と思うのがね。 twitter.com/chageimgur/sta…

2022-07-28 22:16:22
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哨戒艦に40mmとか57mm砲搭載を求める向きもあるがまずそこを批判して話を絞ろうと思う。 現在、海自が保有している5インチ砲未満・12.7mmを超える弾薬は、20mm砲と76mm砲である。 30mmでも40mmでも57mmでも海自にとっては新たに補給体制を構築し、要員に教育せねばならぬアイテムであるな。 pic.twitter.com/N8I7AwHo5O

2022-07-28 22:21:17
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このうち、57mm砲は現用76mm砲と大差ない重たい砲システムである上に、威力などの面でも76mm砲を代替する優位性がない。 米海軍の弾を使えるくらいか。 76mm砲とやれることほぼ変わらないのに、あえて76mm砲から乗り換えたくなるほどの性能ではないのが痛い。 というわけで57mm砲はない。 pic.twitter.com/SEbueHJB3N

2022-07-28 22:24:08
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40mm砲については海保が運用しており実績がある一方で米海軍からの弾薬融通は期待できない。 大きくはあるがそこそこ軽く、40mm砲自体が副砲として護衛艦に積みたいと話題になることもあって魅力ではあるが、結局そこまで必要性を提示できなかったのが痛い。 ので40mm砲もまずない。 pic.twitter.com/PIqjVmAPto

2022-07-28 22:28:43
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