石工の魔女と伴侶の石像の乙女達・灼熱の乙女と鍛冶職人の男

皆ふたなりな石工の魔女と、彼女が彫った有形無形のガーゴイルのお嫁さんの話です。四話目。溶岩と炎からできた灼熱の乙女が強制労働させられる話。
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屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「あたしね、生まれる前のこと覚えてるんだ」 「へぇ」 「あっ、魔女様に彫って貰ってる時の事じゃないよ!! あれはすごい嬉しくて、その、えへへ……幸せになっちゃうけど、もっと前のこと」

2022-09-30 04:27:54
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「夢に見るんだ、あたしがね、まだ作られてなくて、鉄の塊なの」 「……」 「それで、男の人がおねーちゃんの入ってる炉で鉄を鍛えるんだ。それで、少しずつあたしを作っていくの、魔女様の時みたいにふわふわしてぞくぞくして、気持ちよくて幸せじゃないんだけど、ほっとしちゃうんだ」

2022-09-30 04:29:23
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

灼熱の乙女は何も答えなかった。

2022-09-30 04:30:04
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「あたし変なのかな……骨磁のおねえちゃんに聞くとね、骨磁のおねえちゃんも、骨になる前の人間だったときのこと、時々すこーしだけ思い出すんだって」 「へぇ」 「これって、ほんとにあったことなのかな?」

2022-09-30 04:31:22
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「夢だよ」 灼熱の乙女はそれだけ言って、また丸く溶岩として微睡んだ。 むう、と刃の乙女は頬を膨らませて、小さな身体をもぞもぞと暖炉の中へと潜り込ませる。 「あぁ……おい、やめろよ」 「やめないもん、えへへ……」 仕方なく灼熱の乙女は人の形を取り、刃の乙女を腕の中に受け入れた。

2022-09-30 04:33:15
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「あのね、その夢を見たからってだけじゃないんだけどね、あたし、おねえちゃんと一緒にいるの好きなの、他のおねえさまよりも特別で、心臓なんてないのにどきどきしちゃうの、変かな……?」 灼熱の乙女の腕の中で、刃の乙女の身体は赤く熱せられていく。 触れている場所が赤く柔らかくなっていく。

2022-09-30 04:34:49
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「他にもたくさんおねえさまはいるのに、おねえちゃんに一番甘えたくて、お腹がぎゅぅっ♡てして……おねえちゃんに、とろとろにされたくなっちゃうの、あたしね……」 自分の腕の中で熱せられて、とろんとした顔になっていく刃の乙女に、 「じゃあよ」 「……?」 「してやろうか、とろとろに」

2022-09-30 04:38:43
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

灼熱の乙女のあまりに長大な陰茎は、赤く柔らかく蕩けた刃の乙女の秘所にするりと容易く潜り込んだ。 「ーーっ♡♡ ひっ♡♡」 溶けた金属を散らして、刃の乙女の肋の辺りが外から見ても分かるほどに赤く熱せられて、内側から膨れ上がる。 「俺の形にしてやる」 灼熱の乙女が耳元で囁いた。

2022-09-30 04:41:04
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「あっ、あっ……♡♡」 へにゃり、と蕩けた笑顔を刃の乙女はうかべた。 「えへ、えへへ……♡♡♡」 灼熱の乙女は刃の乙女の蕩けた笑顔を正面から、貪るように口づけをして、溶岩の身体の胎内に、下腹部から直接刃の乙女の鋭い陰茎を受け入れる。 「ふゃっ♡ ふっ、んんんっ……♡♡」

2022-09-30 04:44:08
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「おねえちゃんの中、熱すぎてあたし、溶けちゃうよ……♡♡」 「どろどろに……溶けてくれよ……♡ 俺も、一緒に……っ♡♡」 ごぼり、と刃の乙女の中に溶岩が吐き出された。 熱せられて柔らかくなった鋼の腹部がぼこり、と膨れ上がり中に溶岩の精を溜め込む。 「ふぁっ♡ ふゃゃゃゃ……♡♡♡」

2022-09-30 04:46:13
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

全身から脱力するような絶頂と共に、刃の乙女もまた、灼熱の乙女の胎内に溶けた金属を吐き出した。 灼熱の乙女はぶるりと全身を振るわせる。 熱がいっそう高まり、暖炉の中はこうこうと炎が燃え盛る。

2022-09-30 04:47:34
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「おねえちゃっ……おねえちゃんっ♡ しあわせぇ……♡♡」 仰向けに寝転がって灼熱の乙女を受け入れ、刃の乙女は幸せそうに笑顔をふにゃふにゃとうかべた。その顔に、幼い身体に、ぼたぼたと溶岩が垂れ落ちる。 とろけた人の形をした灼熱の乙女が刃の乙女の全身に溶けた自身の身体を滴らせている。

2022-09-30 04:49:39
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「もっと幸せにしてやる……♡」 どぶん、と蕩けた溶岩の身体で、刃の乙女を包み込むように覆い被さった。 「あっーー♡♡♡♡♡」 そのまま、刃の乙女の全身を灼熱の乙女の身体がなぶり、溶かし、咀嚼する。

2022-09-30 04:51:36
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

蕩けた溶岩が刃の乙女の下腹部にどくん、どくんと溜まるごとに、刃の乙女も灼熱の乙女に溶けた金属を注ぎ込む。 二人の交わりは幾日か続いた。

2022-09-30 04:53:12
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

二人が特別に仲睦まじい姉妹となったことは幾日か後に、全身を真っ赤に茹だらせて、ぽってりとお腹を膨らませ、股の間からぼたぼたと溶岩を垂れ流し、全身も灼熱の乙女の精にまみれた刃の乙女がとろんとした顔で浴場に現れたことからすぐに知れ渡った。

2022-09-30 04:54:51
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

冷たい金属の身体の無垢な少女をどこまでも淫乱にし、蹂躙し尽くし、隅々まで食む事が出来たのは以降もずっと、灼熱の乙女と最愛の魔女様だけだったと聞く。

2022-09-30 04:56:27
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

最後に。 刃の乙女は一度だけ組合の男と顔を合わせたことがあった。 組合の男は一瞬辛そうな顔をしたが、しかしその表情をすぐにぬぐい去った。 それは組合の男が魔女からの頼みで多量の鉄材を納品に来たときのことだった。

2022-09-30 04:57:38
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「おにいさん、だあれ?」 「私は」 どう名乗るか、どう名乗る権利があるのか。 組合の男は無限に逡巡した。 言いよどむ男を不思議そうに刃の乙女は見ていたが、刃の乙女の肩に灼熱の乙女が後ろから手を置いたので、男もかえって決心がついた。

2022-09-30 04:59:40
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「どうしたんだ、客か?」 「あ、おねえちゃん」 灼熱の乙女は興味のない風をして、組合の男を見た。 それで、組合の男は、魔女の客だ、とだけ答えようとした。 刃の乙女は既にかつての少女ではないからだ。彼女には彼女の愛する家族がいる、自分にはまた自分の家族もある。 「私は」

2022-09-30 05:00:58
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「おめえの兄ちゃんみてえなやつだ」 「ただのーーは?」 「おにいちゃん?」 灼熱の乙女の突然の言葉に刃の乙女も組合の男も固まった。

2022-09-30 05:01:41
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「おにいちゃん……そっか、お兄ちゃんなのね?」 「いやーー私、いや、俺は、違ーー」 「違わねぇよぉ。兄ちゃんみてえなもんだ。嫁さんも娘さんもいるからよぉ、娘さんはお前の姪っ子ってえ事になるか?」 「そうなんだ……そうなんだ!!」 「いや、俺はそうじゃなくて」

2022-09-30 05:03:51
屑望喜納子 @motikinako_kuzu

「諦めろよ」 灼熱の乙女は笑った。 「おめえ達は忘れていくかも知れねえけど、永遠に残るものも、そして次に引き継がれるものもあるんだ。もうどうしょうもねえだろ?」 かなり、久しぶりの本心からの笑いだった。 組合の男も、また釣られて笑うしかなかった。

2022-09-30 05:05:26
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