古戸ヱリカの推理 出題編まとめ

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

そのような部分と連鎖させると、恐らく第２のゲームはメッセージボトルではなく、十八さんの偽書である確率がどうも高そうな気がします。伊藤幾九郎自体の偽書は第３のゲームが初作ですので、別のペンネームで書いた、もしくは世間に発表していない原稿なのかもしれませんね。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

まぁ従来はそういう「結局よく分からない」という結論だったわけですが、最近私、解決法を思いつきました。以前私が謎として出題した呟きとも関係するんですが、もう一度問題点を整理しましょう。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

メッセージボトルは事故前日から始まり、全員死亡で終わります。そして伊藤幾九郎の偽書はBanquetが初作です。第2のゲームは紗音さんのデート旅行から始まりますからメッセーいボトルではなく、偽書でもないわけです。じゃあ第2のゲームは一体なんなのか。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

幻想描写に関するロジック説明を第一のゲームでかなり詳しくやりました。要点は「幻想描写は原文に存在する」という点です。金蔵さんが出て来る嘘シーンは全部原文にあります。しかし、メッセージボトルっていうのは、大月教授がおっしゃるには、真里亞さんの日記風手記なんです。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

第一のゲームが明らかに小説の文体であること、そして第一のゲームのエンドロールには延々文章が流れてきますが、「ではこの物語は右代宮真里亞の言葉で結ぶとしましょう」みたいな文章が出て、その後に「これを読んだあなた、どうか真相を暴いてください～」という文章が出ます。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

真里亞さんの日記風手記というのは、エンドロールのラストに1行だけ出てきたこの「これを読んだあなた～」の部分だけなんです。じゃあこれ以前にずっと読んできた文章は一体なんなのか。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

恐らく、これは幾子さんと十八さんコンビがメッセージボトルのオリジナルをリライトしたものだと思われます。小説化したんじゃないでしょうか。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

このリライト説を第2のゲームに適用します。本来の警察が回収したメッセージボトルである第2のゲームは、事故前日から始まっていたのだと思われます。第一のゲームのように。しかし、幾子さん達がリライトした時に、紗音さんと譲治さんのデート旅行の話を追加したのでしょう。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

いや、それどころか、第2のゲームで事件が始まるまでに延々描かれる紗音さんと嘉音さんの恋の話、黄金のブローチのエピソード、あの辺全部そうなのでしょう。だって、事故前日じゃありませんからねあれ。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

なので、第2のゲームのメッセージボトルは本来事故前日から始まっているものの、私達が読んでいるのは幾子さん達のリライトバージョンなので、違いが出ているわけです。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

そして、リライトした2つの物語は偽書作家としての伊藤幾九郎のオリジナルじゃありませんから、伊藤幾九郎の初作と言われると、Banquetが初作、という事になるんじゃないでしょうか。これで本編の異なる2つの伏線の問題が解決します。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

そうそう。私第一のゲームの推理で重要な部分を失念していまして、推理をやり忘れてしまったので、ここでやっておこうと思います。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

夏妃さん殺害に関する部分なんですが、次の赤字を見てください。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

「夏妃は他殺である！」 「身元不明死体は一切なく、生存者も全員がアリバイがある！」 「夏妃の額に埋まりし銃弾は、夏妃の銃から放たれたものではない！」 「夏妃を射殺したのはトラップじゃなく、ちゃんと銃を構えて引き金を引いてしっかり射殺したのよ！」

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

問題は2番目の赤字です。生存者に全員アリバイがある、とベアトリーチェさんおっしゃってますね。赤で。真犯人のベアトリーチェさんは生存者ですけど、アリバイがあるんですって。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

これ、要はですね、赤字を出し間違えたんじゃないかと疑われた赤字不成立問題というやつですが、ここの解決法を語っておこうと思います。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

この赤字は第4のゲームのラスト、戦人さんとベアトリーチェさんの推理合戦で出て来るわけですが、第一のゲームの論争で戦人さんは最初の園芸倉庫の殺人に関して、こういう青を語っています。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

「犯人には、アリバイのない人間を想定する。それは死者だ！　最初の6人の死体の中には、顔面粉砕による身元不明死体が含まれる。これが実は偽装死体で、犠牲者のふりをして姿をくらました犯人Ｘが二人を殺したとの仮説は可能だ！（中略）」

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

戦人さんは青で死者を犯人だと想定して発言しました。青は赤で反論の義務がありますから、ベアトリーチェさん、この時点で「死者」という言葉に「表向きは死んだとされているが、実際はなんらかのトリックを使って、生き残っている犯人」という意図を含ませ始めます。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

嘉音さん殺害のボイラー室の殺人を思い出してください。戦人さんが夏妃さんのおっぱいに顔をうずめていたあれですよ。こういう赤字があります。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

「全ての生存者にアリバイがある！」 「さらに死者も含めようぞ！！」 「つまり、島の如何なる人間にも死者にも、嘉音は殺せなかった！」 「嘉音は自殺ではない」 「嘉音は事故死ではない！」

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

嘉音殺害に関して、全ての生存者にアリバイがある、と。そして、死者にも嘉音は殺せない、と言っているでしょう。トリックで生き残ってるベアトリーチェさんを除外したい場合は、こういうふうにキッチリ「死者も殺せないよ」って言ってくれてるんです。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

この状態で夏妃さんの論争に入るので、これただ生存者の定義が分かりづらくなっているだけで、赤字は普通に成立しています。これで解決です。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

第２のゲームは紗音さんと嘉音さんの恋愛が前半に描かれますね。物凄い文章量です。あそこまでの文章量を出題者が割くという行為自体が、探偵にとっては重要なヒントになります。

古戸ヱリカ @ErikaUmineko

ミステリーの世界では出題者は意味のないシーンなんか書きません。すべてミステリーの伏線、関連情報、推理要素として描きます。この冒頭から事件開始前までの恋愛描写は作品の本質的な真相の部分の暗喩と言っていいでしょう。