- asayukikomatsu
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旅先の京都で家族からのメールに驚きテレビをつける。 長野の私の家や職場は無事のようだが、市内の千曲川の近くにある祖母の家の皆は避難している。テレビのヘリ映像を見るに、おそろしいことになっている。
2019-10-13 07:55:28大正生まれの祖母は、あの長野市の家に嫁入りしてきてそうそうの仕事が、嫁入り前の時点で水害でやられて泥だらけのまま蔵にとりあえず入れられていたいた家財の手入れだったそうな。齢90を過ぎてまた千曲川に泣かされるとは。
2019-10-13 09:11:55長野千曲川氾濫で避難した私の祖母とおじ夫婦は、一時避難先だった近隣の企業のビルから当局のボートで公設の避難所に移動したとのこと。祖母だけは、日頃からデイサービスで世話になっている老人ホームに行けるらしい。
2019-10-13 19:33:29幼い頃からの我が『第二の実家』のような存在であったあの祖母の家を、復旧させねばという強い気持ちはある。しかも孫たちの中で今いちばん近くにいるのは私だ。
2019-10-13 21:01:08国土地理院の空撮速報・浸水水位速報で祖母の家を確認。茶色い水の中に屋根が見える。水位は一階床上くらいだろうか。
2019-10-14 02:36:56「完全に水が引くまで2週間」と公式発表だったけど、テレビの中継を見るに祖母の家のあたりはそれよりはだいぶ早そうかな……。しかし厚い泥だ。
2019-10-14 09:16:56被災した家屋の消毒をお願いします - 長野市ホームページ city.nagano.nagano.jp/soshiki/h-kenk… 色々と算段を考えなければ。
2019-10-14 14:30:52いやはやしかし、あれです、地元(に近い存在の知)が水害に飲まれるってのはこう、いざそうなってみないとなかなか分からない気持ち。いま上手に言語化できない。
2019-10-14 17:28:26【国土地理院】長野県長野市大字穂保付近の被害箇所1 youtu.be/X5ikjzWOjco @YouTubeさんから 破堤点すぐの位置にあった神社が跡形もない……。
2019-10-15 06:28:47午後より祖母宅の片付けを手伝い、帰宅。 そうか、私は、被災者の家族、になったのか。と土煙舞う国道18号線を自転車で走りながら今さらのように思った。泥は厚く、重く、途方もなく見える。疲れた。
2019-10-15 17:45:55祖母宅は1階床上浸水。窓ガラスがひび割れ冷蔵庫が横たわり、布団が茶色い塊と化していたが、家の中は不思議なほど泥濘は少なかった。 外は、江戸時代からあるという頑丈な木の門は戸板が蝶番から外れた以外はさすがにがっしり立っている。土蔵も同様。外周の板塀は根元から倒れ、庭のデッキは横転。
2019-10-15 20:12:49これら形ある物の損害は、もちろん大きいが、絶望感を与えるものではない。片付ければ、という気持ちになれる。 問題は泥濘。 厚く積もった泥は深いところで40㎝を越えるくらいか。庭を、通路を、植木の間を、物干し台の下を、菜園を、すべてを覆い、長靴にぐちょぐちょと不愉快に吸い付く。
2019-10-15 20:12:49スコップで持ち上げるようとすると、まるで悪意を持っているかの如き抵抗。そして重たい。とにかく重たい。湿った雪に慣れた北信州の人間でもこの感覚は理解の外だ。あっという間に一輪車一杯のそれを掻き出す。 しかし量が多い。山を丸ごと一つ、パワーショベル一台で消そうとしているかのようだ。
2019-10-15 20:12:50とにかくこのありさまで、この調子で、いつ元通りになるのだろうか。まったく予想ができない。 しかもここは長野県北部。降雪は下界の都合を待ってはくれない。 厳寒の中でこの泥除去の作業をすることを考えると文字通りぞっとする。 雪に覆われ作業が滞り、溶けた雪が泥濘にさらに水を含ませたら?
2019-10-15 20:16:33いつかきっときれいになる、そう思うしかない。今はスコップの一掻きを積み重ねていくしかない、のかな。 大げさに思われるかもしれないけれども、今日の作業の感想はそんな感じかなと思います。
2019-10-15 20:18:55祖母宅の水害復旧作業からの帰り道。 国道18号の歩道を自転車で走る。舞い上がる砂塵に遠くが茶色くかすんで見え、空からはヘリコプターの爆音、後ろの方から緊急車両のサイレン。横を災害派遣の幕を掲げた自衛隊車両が列をなして走り、息を切らして自転車をこぐ私を追い抜いて行く。
2019-10-15 20:40:22ここは、僕にとって平穏の象徴だった。 夏冬春の休みに来れば祖父母がいて、リンゴがあって、畑仕事を手伝ってお茶を飲んで、虫を追いかけて、広い和室で寝る。新幹線の車庫まで自転車で見に行く。浅川で網を持ってちいさな魚を追いかける。 僕が農学部に進んだの原点も、多分にこの地での体験がある。
2019-10-15 20:40:23そういう僕にとってのこの場所と、今見聞きするすべての隔絶があまりに大きく、その訪れがあまりに急であって、僕は自転車をこぎながら、周りに歩行者がいないのをいいことに少し泣いた。
2019-10-15 20:41:34僕自身が家族・親類の命や、いま住むところをうしなったわけでもないけれども、それでも心にのしかかるものは大きく。 ことさら自分が可哀想であるかのような言い方をするつもりもないけれども。ああこれが災害というものなのかと。率直な心象です。
2019-10-15 20:44:49