茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2920回「果たしてAIはジョイスの小説世界のような奥深い言語の性質を捉えうるのか」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2920回をお送りします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2022-09-24 06:34:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

本日朝10時からの、シラス、自然知能完全シリーズ、「自然言語と人工知能」は、GPT-3のようなlarge language modelsや意味論における自己言及性などが話題の中心になると思うけれども、スパイスとしてJames Joyceをとりあげようと思っている。

2022-09-24 06:35:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジョイスというのは不思議な作家で、成人していらいほとんどの時間を母国アイルランドの外で過ごしたけれども、その小説は、『ダブリン市民』はもちろん、『ユリシーズ』や『フィネガンズ・ウェイク』も『若き芸術家の肖像』も、すべてダブリンを舞台にしている。

2022-09-24 06:37:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

しかも、ダブリンを舞台にしたジョイスの小説に出てくるのは、すべて、自分の家族や知り合いをモデルにしたと思われる身近なひとたちばかりである。いわば、ダブリンという「サンドボックス」の小世界で、自分の身近な人たちを動かすことで普遍を描こうとしたのである。

2022-09-24 06:38:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジョイスやヘミングウェー、エリオットを見出したことでも知られる詩人、批評家であるエズラ・パウンドの有名な文学的モダニズムのスローガン「Make it new」の視座から見て、ジョイスは確かに画期的に新しかったが、その舞台はダブリンという小世界を離れることはなかった。

2022-09-24 06:40:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

昨日、Imaginez大学with Discoveryの収録で、『半沢直樹』の脚本家の八津弘幸さんといかに世界に通じるコンテンツをつくるかという議論をしていて、必ずしも「外国」を意識するのではなく自分の手元を見つめることが大切なのではないかという話になったが、ジョイスに通じる。

2022-09-24 06:42:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

今日のシラス『人工知能と自然言語』では、最後に、果たしてAIはジョイスの小説世界のような奥深い言語の性質を捉えうるのか、ということを検討してみたいと思う。午前10時にお目にかかりましょう。 shirasu.io/t/kenmogi/c/ke…

2022-09-24 06:44:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2920回、「果たしてAIはジョイスの小説世界のような奥深い言語の性質を捉えうるのか」をテーマに6つのツイートをお届けしました。

2022-09-24 06:45:26