【創作企画】第2夜 誘う双つの黒点より【リグレット・カレイドスコープ】

1
前へ 1 2 3 ・・ 10 次へ
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

火、と言ったタイミングでむび助が羽を振るう。 黒い2つの羽根が2人の手元に届く頃、そこに小さな火柱が上がった。黒い羽根は炎に包まれ、形を変えて彼らの手元に落ちる。 凪は少し腰を落として、それを受けとった。

2022-09-25 21:47:04
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「うわっ!こ、れは……」 「……!」 「あ、カシワバ ナギ の方は見た事ある?まぁ君がチェーン壊れて付けられなくなっちゃったキーホルダーだっだもんね、それ」

2022-09-25 21:47:58
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

凪の手元にあるのは白と茶色が特徴的なドリルランス。彼の背丈ほどはあるだろうか。少し重たいのか、受け取った時に腰が下がった理由はそれである。

2022-09-25 21:49:21
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

火咲の手元にあるのは、2つの赤い薄刃がついたトンファーブレードだ。赤い宝石のような飾りが柄についており、刃と接する部分には雷とも炎とも結びつく荒々しい模様が描かれていて美しい。

2022-09-25 21:50:08
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「君たちはきっと前で戦うことになるだろうけど、まぁ大丈夫だよ〜! 僕がしっかりサポートしてあげるし、なによりオウガミ カザキは体術得意じゃないか!」 「…近接ならいいけどさ…」

2022-09-25 21:51:08
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

危険が伴うのなら、それはそれでどうなんだ、と同じ近接武器を与えられた幼なじみのことが心配になり、火咲はちらりとそちらを見遣る。 相変わらずこちらの心配をよそに嬉しそうにしているので、もう突っ込むまいと肩を落とした。

2022-09-25 21:51:39
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「さて、次は水の色を持つ君たちだ。 サイオンジ キヨハル。 コトホギ スズリ。 ワゲ ハルマ」

2022-09-25 21:52:29
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

仰いだ羽が見せたのは、今度は赤い火柱ではなかった。 うねり、舞うような水音。落とさないようにと手を差し出していた彼らの手を濡らすことなく落ちてきたそれは、形を変えてそれぞれのものとなっていく。

2022-09-25 21:53:19
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「君たちの扱う色は“水”だ。 攻撃に限らず、誰かを癒す力を持てるからね。 それをどう使うかは、君たち次第だよ!」

2022-09-25 21:54:28
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

聖遥の手にあったのは、銀色と水色が特徴的なハープであった。金属製と思われるハープにつけられた青い海のような飾りが、その音を描くに相応しい形で纏わりついている。

2022-09-25 21:56:01
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

涼李の手元にあったのは、水色の半透明の和綴じ本。 どこに攻撃、回復できる要素があるのかと彼が首を捻っていると、むび助が少し笑いながら声をかけてきた。

2022-09-25 21:56:41
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「本じゃ攻撃は出来なさそうだね。 回復についてはほら、それを開いて指で文字を書くと効果を発揮するみたいだよ?」

2022-09-25 21:57:19
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「それは面白そうだね。 ……使い方、知ってるの?」 「何となく分かるだけだよ!まぁほら、君の武器はワゲ ハルマみたいにわかりやすいわけじゃないしね」

2022-09-25 21:58:03
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

そう言って目を向けられた春馬の武器は、他の2人と比べると随分と大きいものだった。

2022-09-25 21:59:14
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

まず目に入るのは1番上につけられた大きなランタン。中で水が炎のように揺れているのが見える。 その下につけられた長い柄は春馬の身長より長く、リボンのようなものが巻きついており、春馬自身はどこを持ったらいいのかわからずあちこち触りまくっていた。

2022-09-25 21:59:45
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「すごい、ちゃんと杖!って感じだね」 「回復っていうのは納得の見た目なのはいいんですが……。……どこ持ったらいいんだろうこれ……」

2022-09-25 22:01:02
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

ここを持ったら?と涼李に提案されつつ、わたわたと自分の武器の持ち方に四苦八苦している春馬はさておいて、むび助は「次!」と言いつつ空彦と遥人に目を向けた。

2022-09-25 22:02:01
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

……黒い羽根は、優しく落ちない。突風でも吹き荒れたのか、と錯覚するほど激しい音ともに現れたそれを、2人は目を細めながら受け取った。

2022-09-25 22:02:55
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「君たち2人の色は“風”〜! タテマキ ソラヒコ。君は旗。君にピッタリでしょ? スズモリ ハルト。君には銃!え?銃刀法違反?知らないね!」

2022-09-25 22:03:30
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「う〜ん……そこは気にして欲しかったな……」

2022-09-25 22:04:02
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

遥人が苦笑いしつつ見つめた自分の手元には、銀色を基盤に緑の模様が施された一丁の銃があった。 風をイメージした模様が大きく銃の側面にあり、緑のボーダーがいくつも重ねられているそれは造形自体は彼のイメージする“銃”であった。

2022-09-25 22:04:45
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

一方、空彦に与えられたのは旗だ。 彼の身長以上にあるそれは、どこかで見たことある模様と、どこかで見たことある高校の名前が描かれている。

2022-09-25 22:05:33
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

「月夜高等学校……これは、応援団で使用している旗では?」 「君のそれのイメージしかなかったんだよね〜!大丈夫、殺傷能力は高そう!多分!きっと!めいびー!」 「…戦力になりそうならばいいのですが!」

2022-09-25 22:06:39
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

ぐっと力を入れていつも握る旗を持つと、やはり手に馴染んだ。下手な武器よりはよっぽどいい。

2022-09-25 22:07:42
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ @Regret_kaleido

…むび助が次に羽を振るったのは、市夏と累に対してだ。

2022-09-25 22:08:29
前へ 1 2 3 ・・ 10 次へ