秋の夜長のとくべつ読み切り【痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘~エルフ三人娘vs発狂頭巾アトミック~人斬り魔獣の恐怖!】

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雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「ぬ!」 吉貝が足を踏み外し、古井戸に落ちそうになる! 「旦那ァ!」 即座に気づいたハチはとっさに吉貝の腕を掴む!だが、すでに時遅し。大柄な吉貝の体重は、ハチにとっては重すぎた。 「うわあああ!」 ハチは吉貝と共に転落!

2022-10-29 22:09:46
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

……落下からどれくらいの時間がたっただろうか。吉貝とハチは目を覚ます。 「痛てて……。旦那、大丈夫ですかい?」 「大事無い」吉貝は何事もなかったかのように起き上がると、壁を見る。 「おお、ちょうどよい所に、はしごがあるではないか」

2022-10-29 22:12:14
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「あ、本当だ!とりあえず登りやしょう!」 ハチはひょいひょいとハシゴを登り、古井戸の外に出る。だが……。 「うわあああああ!」 ハチの悲鳴! 「どうした!ハチ!」 「お、鬼があああ!」

2022-10-29 22:14:23
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「なんだと!?」 ハチの悲鳴に吉貝は人間離れした跳躍力で古井戸の外に飛び出した! 「むう……」 目の前には、頭に角を生やした二足歩行の生物が数匹。しかも、明らかに二人に殺意を向けているではないか!

2022-10-29 22:16:03
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「異形の人斬りとは貴様らのことか!」 吉貝は抜刀!即座に鬼に斬りかかる! 「ひ、ひええ!」 一歩引いたところで吉貝の戦いを見ていたハチは気がついた。 「あれ……ここ、どこなんだ……?」

2022-10-29 22:17:47
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---------- 秋の夜長のとくべつ読み切り【痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘 エルフ三人娘     VS    発狂頭巾アトミック 人斬り魔獣の恐怖!】 ----------

2022-10-29 22:19:48
jet2114 @jet2114

だ、大丈夫?エルフはアトミックに耐えられる!? #エルフ三人娘

2022-10-30 03:19:43
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……視点はエルフ三人娘に戻って、時刻は夕方。遺跡の街についたメンマ達は、遺跡調査団と話していた。 「実は、数日前から遺跡調査を中断してまして……」 「遺跡見れないの?」 遺跡調査団の言葉に驚くハカセ。 「はい。今は残念ながら」 「う~ん……」 しかし、ハカセは残念に思ってはいなかった。

2022-10-29 22:23:30
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「メンマ、ポテチ、やっちゃおう!」 ハカセは元気な声でメンマとポテチに同意を求める。 「待て待て待て待て!どういうことだよ?」 「もうちょっと説明してほしいゆ」 二人は困惑する。クソバカエルフの叡智は凄まじく、通常ならば経由する過程をすっ飛ばし、結果だけが言葉になることも少なくない。

2022-10-29 22:26:44
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「えっとねー、遺跡にモンスターが出て調査を中断してるから、やっつけちゃえばいいんだよ」 ハカセの言葉を聞いた遺跡調査員が補足説明に出る。 「そ、そうなのです!実は、数日前からオーガの群れが遺跡を占拠しているのです」

2022-10-29 22:29:03
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「なるほどな。そういうことなら、アタイらに任せな!」 モンスターをやっつければいいと分かったメンマはニヤリと笑う。 「んゆ。ポテチ達は旅エルフだゆ。そういゆのは、任せてほしいゆ」 ホテチも胸を張ってアピールする。

2022-10-29 22:30:38
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「おお!ありがとうございます!」 遺跡調査員達は安堵しながら感謝する。 「ん?でも、ちょっと気になることがあるんだが、オーガ達は街には来てないんだよな?」 メンマの疑問は最もだ。オーガはモンスターの中でも人語を理解するほどの知能がある。遺跡周辺に発生したら、街も襲うはすだが……。

2022-10-29 22:32:42
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「はい。我々もそれは不思議に思っているところです。ですが、お陰で街は今のところ平和なのが事実でもあります」 「ま、そうだな。細かいことは気にせずに、今夜にでもさっさと倒してくるぜ!」 「んゆ!」 「やっちゃおー!」

2022-10-29 22:34:43
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ヒューマンにとっては驚異となるオーガでも、エルフ達にとっては倒せる相手だ。しかも、メンマ達はそれなりに長い間一緒に旅をしてきた旅エルフで、コンビネーションも抜群だ。そう考えた三人は、意気揚々と遺跡に向かった。

2022-10-29 22:36:29
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……遺跡についたのは、日が沈みかけた夕暮れだった。 「地図によると遺跡の入り口は……あった!ここか!」 メンマ達は遺跡調査員からもらった地図を頼りに、遺跡の入り口たどり着いた。 「なんていゆか、こう……丸いゆね……」 遺跡の入り口は土壁に掘られた洞窟だが、メンマの言う通り、丸い。

2022-10-29 22:38:55
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「材質もなんだこりゃ?レンガじゃねーし、石でもねえ。……ミスリル銀でもねえしな……」 メンマは遺跡入口から奥に続く通路を見る。レンガのようなつなぎ目が無く、石で作るにはきれいすぎる。だが、金属のような光沢もない。

2022-10-29 22:41:30
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「こんな土、見たことないゆ」 ポテチも遺跡の材質に疑問を抱く。そんななか、ハカセはぞの材質も見抜いていた。 「……コンクリートだ!」 「「コンクリート?」」

2022-10-29 22:44:10
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「古代マンホールエルフ建設で使われた失われた建材!コンクリートだよ!うわあ!本物だあ!」 ハカセは目をキラキラさせながら、遺跡の壁を触りまくる。知的好奇心旺盛なクソバカエルフにとって、未知の物体を直に触れることほど心高鳴る瞬間はなかなか無い。

2022-10-29 22:46:28
jet2114 @jet2114

コンクリートが失われた建材…つまりマンホールエルフとは… #エルフ三人娘

2022-10-30 03:21:12
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「まあ、とにかく、ここが古代マンホールエルフの遺跡だってことは間違いないんだな?」 「うんうん!…っは!もしかして!」 興奮冷めやらぬハカセは遺跡入口周辺を手探りで探し、なにかの制御装置を見つけ出した。 「あった!これをこうして……それ!」

2022-10-29 22:48:26
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

ハカセがスイッチを入れると、遺跡内部に薄暗い光が灯る(※読者諸氏にとって、この光景はある意味では見慣れたものかもしれない。人が通れるほどのトンネルに、ライトが灯ったようなものだ)。

2022-10-29 22:50:15
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

「「おお!!」」 メンマとポテチは突然の光に驚く! 「さあ、行くよ!」 ハカセはワクワクからか、警戒せずにどんどん奥に進んでいく。 「アタイたちも行くぞ!」 「置いてくなゆ!」 メンマとポテチも。続いて奥に向かっていく。

2022-10-29 22:52:31
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

目につく鬼をひとしきり切り倒した吉貝は、体内原子炉のエネルギー温存のために瞑想していた。 「(探索を任せてしまったが、ハチは無事だろうか……)」 瞑想が必要な吉貝に代わり、ハチは見ず知らずの土地で人里を探しに行っていた。

2022-10-29 22:56:05
雀bot@スケブ募集中 @suzumeninja

吉貝もハチも、ここが原子力江戸ではないことは理性で理解していた(本能は拒絶しようとしたが、かろうじて理性が勝った)。とにかく話が通じる人に出会い、情報を集めなければならない。もしかしたら、伊能ワンダリング忠敬も、この世界に放浪してきている可能性があるのだ。

2022-10-29 22:58:47
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