62式機関銃と74式車載機関銃

Wolfgang･Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

本日のテーマ『62式機関銃と74式車載機関銃』 62式機関銃以前に自衛隊（めんどくさいので警察予備隊時代含めて一切このように呼称する）で使われていた機関銃と言えば、『日本人なら毎度おなじみのこれ』、ではない pic.twitter.com/gWKhh2xekx

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A1機関銃、A4機関銃、A6機関銃である これらの機関銃は優秀であり、当時はもちろん現代においてすら第一線において戦闘するに足る性能がある 決して故障らしい故障はせず、精度は高く、銃に起因する一切問題はない しかし、これらは1950年代後半においてはもはや流行から取り残されたものであった pic.twitter.com/Tqu5xth3hk

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1950年代後半、どころか1930年代末には軽機関銃の性能の発展とともに重機関銃との間の敷居が小さくなり、将来的には重機関銃と軽機関銃を統一する銃が登場することが予見されていた （商業的に言えば1937年式マドセン機関銃がこの嚆矢と言えようか） そして、独国軍がそのような銃の一例を示した pic.twitter.com/Jd8LguRbRb

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大戦後、各国は機関銃の研究をますます活発とし、重軽の機関銃を統一する新型機関銃を採用しつつあった そのような時代においてA1,A4,A6機関銃は流行に乗り遅れており、見劣りがするようになってきた もちろん性能は今でも通用する程度には必要十分であるが、気分的にはよろしくない

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A6機関銃は三脚架に乗せることもでき、機関銃の統一を果たし得る器があった しかし、A4機関銃から比して銃身の重量が半分くらいになるまで削られていたことが災いして射撃の継続性が劣り、機関銃の統一が果たし得ないのは明確であった このことから機関銃の統一を果たすべき次期機関銃が求められた

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次期機関銃は最初、A2機関銃とA4機関銃とA6機関銃の純粋な統一を行う機関銃であったから、その性能は重機関銃としての使用に重点が置かれた 新型の三脚架があったり銃床部を除いてスペードグリップに付け替えられるようになっていた 汎用機関銃にはこのような方向性もあるのだ しかしこれは放棄された

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途中で米軍の新型機関銃M60の性能の情報がもたらされるとそれに追随して、軽機関銃としての性能が重点された機関銃が要求された この後は適当に割愛（同人誌のネタにするので）

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そんなこんなで出来上がった新型機関銃は 『日本人ならおなじみのこれ』、ではない pic.twitter.com/oT0qvmC2RC

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完成したのはもちろん62式機関銃である 今日は62式機関銃の機能構造と74式車載機関銃がそれとどう違うのかということをフィーチャーした夜になる pic.twitter.com/3ncSHhAmLC

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62式機関銃は特殊な前端動揺式銃尾閉鎖機構を用いた銃である 動揺式とは英語でいうところのティルトボルト式である 一般的には遊底の後端が動くものが多い しかしこれは遊底の全体にかなり強度を持たせる必要があるので重量が大きくなる 一方前端に閂子をつけるならばこの前端側のみ強度があればいい

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実際に米軍の出した62式機関銃の資料から見る62式機関銃の遊底は前端側のみが頑強であり、弾送り機関のリーバーと接する箇所のほかは異様に薄弱である これが許される設計なのだ 62式機関銃はショートストローク式であり、Bolt Slideこと揺底はピストンと別体である 本銃はオープンボルト式である pic.twitter.com/oXMA61Hi56

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保弾帯を銃左方から挿入し弾送がこれを噛むまで押し込み、槓桿を引いて戻してやる 第一弾は受弾座にあって、遊底は開いた状態である 引き金を引くと揺底は逆鉤との拘止を解かれ複座バネの弾発力によって遊底を伴って前進を開始する 遊底前端上方の凸が受弾座にある弾薬を保弾帯から前方に押しぬく

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弾薬は案内金によって薬室に誘導され装填される 遊底が薬室後端に完全に前進してもはまだ撃発しない 揺底はなお前進する 遊底は揺底に刻まれたカムによって前端が扛起され、閂子が閂子室に次第に進入する 撃茎の孔が雷管に正対するほど扛起したところで閂子は閂子室に完全に進入し閉鎖である

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閉鎖すれば撃茎は雷管を衝き撃発 撃発すれば発射ガスで弾丸は前進する 閉鎖しているから反動や腔圧で遊底は開かない 発射ガスの一部が銃身に穿たれたガス漏孔を通してガス喞筒に導かれる ガス喞筒に入るところで規整子によって必要な分量に絞られたガスがガス喞筒内でピストンの頭部に圧力をかける

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ピストンは圧力で揺底を後方に強く押しながら退却し、ある一定のところで止まる その後ピストンは二重のピストン桿ばねによって復位する 揺底が退却すれば揺底に刻まれたカムによって遊底は扛下する それによって閂子が閂子室から脱すれば解閂である 腔圧が安全になる程度まで下がった頃に解閂となる

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解閂の後に遊底は揺底と一体となり退却する これはある程度からあとは慣性のみで退却する 抽筒子は撃ち殻を薬室から抜き出す 撃ち殻は蹴子に激突し銃の前下方に蹴出される そうして揺底と遊底の合成体は最終的に尾筒底の緩衝器にあたってとまる この間に弾送りは保弾帯を一発分右方に送っている

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もしここで引き金を引いていないなら揺底は逆鉤に鉤止される 単発射撃である 若し引き金が引いたままであれば逆鉤は揺底を鉤止しないので揺底は複座バネによって前進し以上の発射のサイクルをベルトを撃ちきるまで、あるいは引き金を放すまで繰り返す 連発射撃である pic.twitter.com/l2UzjFBeFx

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（シャドウバンされやすい人なので図を極力減らすの構え） 本銃はショートストローク式であるから慣性によって退却する分が外乱要素に弱く、銃尾機関は退却不足に陥りがちである またガス喞筒は尾筒との結合が軟弱で緩みやすい構造となっておりこれが経年で次第にがたついて銃尾機関の後退不良を招く

Wolfgang･Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

62式の故障はほとんど銃尾機関の退却不足である それらを解消するべく改良されたのが74式車載機関銃である 74式車載はピストンと揺底は一体であり、ガス喞筒と尾筒は頑強に結合され、ガス抜きの孔は後方になった 74式車載機関銃関連の特許と思われるものはガス喞筒からのガス漏れを減らすものである pic.twitter.com/4h6ajgTB2s

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また、副次的要素であるが、規整子分画が後方から操作できるようになり、連続射撃によって銃尾機関に塵芥の介在が生じるなどして射撃の性能が低下しても（部品の寿命を犠牲に）容易に射撃の継続が果たせる 74式車載は62式の欠点をよく研究しその改善をした銃であり、概ねその改良は効果的である

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出来の良い弟分、というべきが74式車載機関銃である 74式車載機関銃を信じろ 信じても応えてくれないのが機関銃である

Wolfgang･Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

74式車載機関銃でなかったらたぶんアメリカ軍からM73押し付けられて死屍累々だぞ