ICRP、UNSCEARは妥当なの?科学者の信用をどう取り戻す?

冷戦時代に出来た組織でまともな組織が少ないというのは被曝の歴史を知ってると常識だと思います。島薗進教授によるそういったICRPやUNSCEARなどに関する説明と、それをふまえつつ科学者の信用をどう取り戻す?という論考。 現代日本ほど、科学者やメディアと、庶民の意識が乖離した時代はないです。これは、新しい変化に対応できる人を飛び級で登用しなければならない乱世であるとも言い換えられるでしょう。文中の故人である中川保雄教授の本は、奥様などの大変なご尽力により「増補 放射線被曝の歴史―アメリカ原爆開発から福島原発事故まで― 」として今月に増補復刊されます。 まず中川保雄教授の本を読んでからだろう・・・。まるで読んでないのに色々な場所に突撃する、はてブの地下猫って恥ずかしいぞ。
原発 震災 UNSCEAR 島薗進 科学者 ICRP
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島薗進 @Shimazono
0続「科学者の信用どう取り戻す」日本経済新聞10/10に滝順一編集委員が「科学者は信用を取り戻すために、20mSv以下は安全という論への批判に反論せよ」という主旨の論説を書いた。この記事は「?」が多いがその問題提起には興味深いところがある。以下、関連する長瀧重信氏の論説を検討。
島薗進 @Shimazono
1続「科学者の信用どう取り戻す」(日経10/10滝編集委員)ICRPが科学者を代表する? 長瀧重信「サイエンス(科学的事実)とポリシー(対処の考え方)の区別」9/29はICRPはポリシーの機関といってる。原発開発推進を前提に核保有国が進める世界政治にのっとったポリシーを作る機関
島薗進 @Shimazono
2続「科学者の信用どう取り戻す」長瀧重信「サイエンス(科学的事実)とポリシー(対処の考え方)の区別」9/29首相官邸HPhttp://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka.html 。長瀧氏はUNSCEARが「科学」ICRPが「ポリシー」の役割分担と。
島薗進 @Shimazono
3続「科学者の信用どう取り戻す」放射線…国連科学委員会について長瀧氏は述べる。9/29「UNSCEARは、純粋に科学的所見=≪サイエンス≫から調査報告書をまとめる事を意図して作られた組織です。一方、ICRP は、このUNSCEARの報告書を基礎資料として用い、政治・経済など」
島薗進 @Shimazono
4続「科学者の信用どう取り戻す」長瀧氏@首相官邸HP。ICRPは「…社会的情勢を考慮した上で、総括的な勧告=≪ポリシー≫を出しています」「UNSCEAR(放射線…国連科学委員会)は、科学的事実に基づいて核実験の即時停止 を求めるなどの提案を行う意図で設置されました。
島薗進 @Shimazono
5続「科学者の信用どう取り戻す」長瀧氏@首相官邸HP。UNSCEAR(放射線被ばくに関する国連科学委員会)の「報告書は、独立性と科学的客観性が保たれています。」これは妥当か?1955年のUNSCEARの設立について、中川保雄『放射線被曝の歴史』(初版)は「…名称こそ科学委員会と」
島薗進 @Shimazono
6続「科学者の信用どう取り戻す」中川『放射線被曝の歴史』UNSCEARは「名称こそ科学委員会とされているが、科学分野ではなく国家の代表から構成された。アメリカが強い反対を押し切ってそのようにしたが、その大きなねらいは、人類的影響を問題にする遺伝学者を排除して」
島薗進 @Shimazono
7続「科学者の信用どう取り戻す」「国家的利益を前面に押し立てた議論にと持ち込むことにあった。もちろんアメリカの代表団に遺伝学者は一人も選ばれなかった。ビキニ後の放射線問題の行方を決める議論が展開されたこの時期、アメリカ原子力委員会は、遺伝学者の声を可能な限り封じ込めようと」
島薗進 @Shimazono
8続「科学者の信用どう取り戻す」「遺伝学者の声を可能な限り封じ込めようとしていた」アメリカを代表する遺伝学者の「マラーが1955年の国連の原子力平和利用会議で、放射線の遺伝的影響について報告しようとした。そのことを知った(アメリカ)原子力委員会は、圧力をかけてマラーの発表を」
島薗進 @Shimazono
9続「科学者の信用どう取り戻す」国連で「マラーの発表を行わせなかった。この例のように、原子力委員会は微量放射線の影響をもとに放射線に安全線量は存在しないとする主張を徹底的に排除しようとした。」以上、中川『放射線被曝の歴史』p78。長瀧氏はUNSCEAR は純粋科学機関というが。
島薗進 @Shimazono
10続「科学者の信用どう取り戻す」もっともICRPとUNSCEARがずっと一枚岩というわけではない。対立する局面もあった。中川『放射線被曝の歴史』p88-9「ガン・白血病の発生率が被曝線量に比例するかどうかという問題が1957年から1958年にかけて、放射線の危険性をめぐる」
島薗進 @Shimazono
11続「科学者の信用どう取り戻す」「放射線の危険性をめぐる論争の中心点となった」「ICRPの主要メンバーはアメリカ原子力委員会やNCRPと同様にガン・白血病の発生には「しきい線量」が存在する、と考えた」「国連科学委員会の方は周りの状況がICRPと少々異なっていた。委員会にはソ連」
島薗進 @Shimazono
12続「科学者の信用どう取り戻す」「委員会にはソ連とチェコスロヴァキアが加わっていたからである。両国の代表は、核実験の停止を求める科学者たちの主張に従い、ガン・白血病の発生率は被曝線量とともに増大する、とアメリカ、イギリスなどの代表の見解を真っ向から批判した。」
島薗進 @Shimazono
13続「科学者の信用どう取り戻す」中川著「アメリカをはじめとする代表は……要するに、よく分かっていないという理由で、ソ連・チエコスロヴァキアの意見を、核実験の即時停止要求とともに葬り去ってしまった。しかし多数派の主張そのものは科学的根拠にかけるものであったから、国連科学委員会…」
島薗進 @Shimazono
14続「科学者の信用どう取り戻す」中川著より。国連科学委員会UNSCEARは「結局、「いかに少量の放射線でもこれをうけると有害ナ遺伝的影響と、また多分身体的影響が起こることを免れない」と、極めて曖昧な表現ではあったが、微量放射線によるガン・白血病への影響も認める表現を採用した。
島薗進 @Shimazono
15続「科学者の信用どう取り戻す」日本経済新聞滝順一編集委員の10/10記事の問題提起だがICRP勧告が科学の成果を正確に反映したものかどうか、当初の自信が揺らいでいることを表していた。首相官邸HPの長瀧重信氏記事9/29はICRPは科学的機関ではない、政治的機関だと認めていた。
島薗進 @Shimazono
16続「科学者の信用どう取り戻す」?だが長瀧氏が現在ICRPを支える科学的機関だというUNSCEAR(放射線の影響に関する国連科学委員会)もやはり政治的機関としての性格が濃い。放射線の健康影響の分野は国際的な科学的討議が政治を離れてなされなくなってしまったことをよく示している
島薗進 @Shimazono
17続「科学者の信用どう取り戻す」?ICRPやUNSCEARを持ち出しても科学者の信用は取り戻せない。関連分野の科学者やジャーナリストは、まずこうした歴史についてしかりとした学問的認識に学ぶべきでは?科学的機関ではない政治的機関が科学の信用を落としてきた歴史に学ぶ必要がある。
島薗進 @Shimazono
10/10日の「日本経済新聞」滝順一編集委員「科学者の信用どう取り戻す―真摯な論争で合意形成を」は興味深い記事だがネットで簡単に見にくい。その紹介も含め、この記事から引き出される低線量被曝をめぐる問題を論じた文章をブログに掲載しました。http://t.co/inm5Avyk

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