2023年元旦「朝生」感想 2 ――「教育無償化」の賛否と「賃上げ VS 消費税減税」「世代間格差」などについて

2023年元旦、「朝生」が放送されたので、まとめ主の感想をまとめました。続編になります。前回は冒頭のリンク先から。 前半では、前回も触れた教育について、「無償化」すべきかどうか、無償化するとどうなるのかについての考察です。 後半では、「世代間格差」や「道州制」などについて、考察を書いていきます。日本はどうあるべきでしょうか? 前回、「既得権益」→「グレートリセット」という流れに論理的飛躍があって、ついていけない読者が多かったのではないかと思い、補足したものです。なお、最後にはサプライズが……。
3
しろうと @sirouto

togetter.com/li/2030315 2023年元旦「朝生」感想 田原総一朗「(たかまつななに)ここから出ていけ!」 ――教育、財政、賃金、そして「21世紀の明治維新」について(前回まとめ)

2023-01-02 21:39:36
しろうと @sirouto

どうも、しろうとです。今年もよろしくお願いします。今回は、前回の朝生感想の補足をしておきたいと思います。少し論理が飛躍していた部分もあるので、そこを埋めておきます。

2023-01-02 21:40:59
しろうと @sirouto

前回冒頭で「教育無償化」は、「有料/無料」の区別は維持すべき、と私は言った。「ソシャゲ」の「基本無料」みたいな感じで。しかしそもそも、それはなぜか?

2023-01-02 21:44:27
しろうと @sirouto

なぜ、「完全無償」しよう、と私が考えないのかというと、「無料化の罠」があるから。料金が無料でも、経費は無料にならないので、税金で補填することになるから。それだけでなく、非効率性が生じる。具体的な例で考えよう。

2023-01-02 21:46:00
しろうと @sirouto

たとえば、「高速道路の無料化」をすれば、みんな高速に乗るけど、すると渋滞が起きて、高速の意味がなくなってしまう。

2023-01-02 21:49:09
しろうと @sirouto

またもし、「医療の無料化」をすれば、予約待ちで手術を受けられるのが、何ヶ月、あるいは何年も先になってしまう。とくに日本のような高齢化社会では、確実に大混雑するだろう。いわゆる「医療ひっ迫」だ。

2023-01-02 21:50:51
しろうと @sirouto

だからもし、教育の完全無償化をすれば、やはり何らかの「大渋滞」が起きるのではないかと考える。有料化すると、市場の選択が働くので、必要な人に資源が渡る。

2023-01-02 21:52:09
しろうと @sirouto

しかしそれでも、もし「完全教育無償化」に賛成する人が多ければ、現実の政策に採用される可能性はある。その場合、「教育バウチャー」というクーポン券を給付する方式にして、お金は直接払わないが、市場原理が機能する方式が良いと思う。

2023-01-02 21:56:06
しろうと @sirouto

分かりやすくするために、さらに言うと、たとえばこれが、「ガソリン無償化」であれば、みんな車に長く乗るとかで、ガソリンがより多く消費され、今まで払っていた料金と税金はイコールでなく、より多く掛かることはすぐ分かるはず。教育だと人だから、それが分かりにくい。

2023-01-02 21:59:52
しろうと @sirouto

たいてい、無償化は非効率。市場機能がマヒするから。完全無償まで行かなくても、給付金や補助金には、同じような非効率性がある。それが、「大きな政府」の非効率性だし、「既得権益」のメカニズムでもある。

2023-01-02 22:01:00
しろうと @sirouto

さて、前回少しだけ触れた「消費税減税」と「賃上げ」の選択では、私は後者を支持した。その補足説明をもう少し掘り下げて展開してみよう。

2023-01-02 22:02:44
しろうと @sirouto

まず、「賃上げ」しても、「物価」がその分上がれば、「同じことなのでは」という疑問が浮かぶかもしれない。でも、そうではない。国内だけで見れば、そうかもしれないが、海外との貿易と関係がある。

2023-01-02 22:08:19
しろうと @sirouto

輸出やインバウンド消費で、外貨獲得する分があるので、もし賃上げして価格を上げると、そこから富が日本に入ってくる。また、輸入で食料や燃料を買う時に、通貨が高い方が有利だ。「交易条件」が良いと、「実質所得」が上がる。現に最近の円安では、その逆が起こっていた。

2023-01-02 22:12:25
しろうと @sirouto

ただし、この議論が成立するかは、「価格弾力性」による。もし、日本が物価が安い国だからと、外国人観光客が来てくれていた場合、値上げすると需要も減るので、相殺されて得ができない。でも、おそらく値上げの余地はある。海外先進国の物価がもっと高いから。

2023-01-02 22:15:07
しろうと @sirouto

ここで、(製造業の)「国内回帰」派と「観光立国」派に分かれる。賃上げで物価を上げ、円高にした上で、後者の観光立国路線が良いと私は思う。なぜか?

2023-01-02 22:19:18
しろうと @sirouto

簡単に言うと、工場が「国内回帰」したとしても、賃金が上がらないから。中国とインドの人口が、28億人もいるからだ。人口大国との競争となると、安売り競争となり、賃金水準が上がらない。

2023-01-02 22:23:38
しろうと @sirouto

しかし、観光の場合、人口の多さは関係なくなる。たとえば、フランスに行きたい人は、フランス料理が食べたいとか、エッフェル塔や凱旋門を見たいとかで行くから。日本のような人口減少国でも、観光は不利にならない。むしろ人口が多いと、大気汚染で環境が悪かったりして、不利になることすらある。

2023-01-02 22:26:26
しろうと @sirouto

そして、観光だとブランド物が売りやすいとか、付加価値を上げやすい。欧州の国がべつに工業大国でなくても、日本より豊か(一人あたりGDPで)なのはなぜか、そのひとつの答えがここにある。人口減少で貧しくならないためには、「金持ちの観光客が来てくれる国」になる必要がある。

2023-01-02 22:33:26
しろうと @sirouto

さて、前に戻って、「消費税減税」は得なのかどうか考える。歳出削減ができない前提では、そんな得ではなく、むしろ特定の世代にとっては損だとすら考える。なぜか?

2023-01-02 22:36:09
しろうと @sirouto

「消費税減税」すると、外国人観光客と年金暮らしの高齢者から、税で回収できなくなる。その分、別の何かの税金で埋め合わせするとしたら、現役世代ではむしろ損が発生する可能性すらある。

2023-01-02 22:37:47
しろうと @sirouto

でもどうしても、「消費税減税」がしたい立場であれば、なるべくそれに沿う形で言えば、「歳出削減」を合わせて考えるべき。たとえば、医療費の自己負担を引き上げるとか。

2023-01-02 22:42:01
しろうと @sirouto

なぜ、バブル崩壊後の日本経済が停滞したかといえば、大きな要因のひとつに、「生産年齢人口」(15~64歳)が、90年代から減少してきたから、というのがある。ほかに「不良債権処理」問題などもあるが。

2023-01-02 22:47:32
しろうと @sirouto

要するに、日本の経済停滞は、少子高齢化しているから。高齢化で社会保障が圧迫して、税負担が重くなり、それが少子化を加速し……と、負のループになっている。「デフレスパイラル」という言葉が、昔流行したが、「シルバースパイラル」の方がより深刻かもしれない。

2023-01-02 22:49:52
しろうと @sirouto

businessinsider.jp/post-193575 世代間格差は「1億円」。シルバー民主主義による「若者へのツケ回し」を止める方法とは(2019 ビジネスインサイダー/小黒一正) 「『孫は祖父母より1億円も損をする』という世代間格差があります」(引用)

2023-01-02 22:52:42
しろうと @sirouto

上記記事のように、「1億円」もの「世代間格差」があるので、これも少子化を加速させている要因だろう。おそらく、読者の方も聞いたことがあるだろうから、あまり深入りしないが、とにかく巨大な「既得権益」と「格差」が発生していることは確かだ。

2023-01-02 22:54:46