デジタル・デビル・ストーリーの原作者、西谷史先生ご自身が語られた当時あれこれや作品に関する呟きなどをまとめました その4(2023/01〜)
1987年は、ファミコンが世界的な注目をあびて、山のようにソフトが作られ、みんなが夢中になった。 もし、徳間書店の宣伝力がなかったら、「女神転生」はその中に埋もれてしまった可能性もある。でも… pic.twitter.com/WNaQAuXgZq
2023-04-25 15:48:31アニメ「女神転生」の製作費は、おそらく12万ドルかからなかったと思う。 (あくまでも僕の予想だけど) それに、徳間書店のアニメはEUでも評判が高く、海外だけでも製作費は回収できたと思う。
2023-04-25 15:49:02一方、ゲーム「女神転生」の製作費は、25万ドル以上かかったのではないかと思う。(予想だけど) 当時は、ゲームソフトが山のように出る時代で、その中で製作費が回収できる保証はなかった。ヒットしたからよかったけど、ゲーム側には不満があった。
2023-04-25 15:49:47ぼくは、徳間書店の人がだれもそのことを考えないことが心配だった。 ある夜、僕は、次のアニメのことで徳間書店のexecutiveプロデューサーと会うことになった。(彼は鈴木敏夫さんではない) そのときゲームの話もするつもりだった。でも、話は思いがけない方向にいってしまった。
2023-04-25 15:50:56彼は「女神転生」というタイトルをやめてほしい、と言ったのだ。 (いまなら、彼の気持ちはわかる。でも、そのとき、ぼくは怒りでいっぱいになってしまった。) pic.twitter.com/a5kvoSZFu4
2023-04-25 15:52:09@siitake_aji @ake_yumi アトラスさんの中でも、女神転生のタイトルはやめたい、という人はいたんだよ。
2023-04-25 16:35:19@mizusuku 違います。私と、Mr.Xと、アニメプロデューサーの井上尭男の三人が呼びかけて始まったのです。
2023-04-26 04:39:35徳間書店のexecutive producer に「女神転生」はやめてほしいといわれて、まっさきに思ったのは、教育的に良くない、という評判が徳間の上層部まで届いたのか、ということだった。 pic.twitter.com/qjOg9zAJgO
2023-04-26 11:00:23でも、彼は言った。 「そうじゃない。転生のコンセプトも、悪魔召喚もそのままでいいから、女神じゃない主人公にしてほしいんだ。男神転生というタイトルを考えたんだ。どう思う?」 僕はそのときは唖然として、「イヤです」と答えて席を立った。 pic.twitter.com/I9hmI7E1uB
2023-04-26 11:01:59この夜の出来事は、結果的にアトラスさんに大きなチャンスをもたらすのだが、わかるかな? アトラスファンにとって、ここはいちばん大事なところだよ。 とにかく、executive producerは「女神転生」というタイトルが嫌いだったのだ。 pic.twitter.com/IBep0eK40C
2023-04-26 11:03:36彼は日本のアニメ界を大きくした功労者の一人だ。 彼がプロデュースした作品は、誠実で強いヒーローが、困難に打ち勝って成長する王道のアニメが多いように思う。 考えてみれば、「男神転生」というのは彼のポリシーにあったタイトルだ。
2023-04-26 11:04:33僕は「女神転生」のように弱い主人公が好きだから、それを変えるつもりはなかった。 彼と喧嘩したことで、女神転生Ⅱのアニメは難しくなったが、僕はまだ自分の小説の力で、それをひっくり返せると思っていた。それだけ第二巻の評判が良かったのだ。 pic.twitter.com/I2pb8wJHPV
2023-04-26 11:05:41@harutayusuke 私は原型であり、過渡期の作品を生み出したにとどまると思います。まあ、でも、物事には過渡期が必要であろうとは思います。
2023-04-26 11:45:42@siitake_aji 関西と東京の違いもあるね。 関西では、たぶん90%がOK 東京だと60%くらいかな。東京の神社に女神っていないんだよね。
2023-04-26 13:39:44@ake_yumi そのとき、「でもなんて読むんだろう」と相手の方もいってました。読みは決まってなかったんですね
2023-04-26 13:49:27@ake_yumi 王道のヒロイックファンタジーにして、ということだったのかもしれませんね。私は逆を行くわけですが
2023-04-26 14:28:35@makomako713 当時は激怒しましたが、いまは、彼が正統ヒロイックファンタジーにしてくれ、といいたかったことは理解できるので、腹は立たなくなりました。 もっと腹の立つことがたくさんあるので、この人は、少なくとも悪意で言ったのではなかったな…というのがいまの気持ちです。
2023-04-26 16:13:12@siitake_aji 彼の気持ちがわかるようになったのは、ここ一年です。だから、いま書き始めたともいえます。 一年前だと、彼をボロクソにこきおろしたでしょう。でも、彼は少なくとも悪意はなかった、と感じる年齢になったのかな😂
2023-04-26 16:15:09Thanks to this, Toshio Suzuki said, "All right. Let's do it," he muttered in a hushed voice. The project for "転生の終焉" was approved. Although the book was in such a state, it sold out 30,000 copies in a few days after its release. pic.twitter.com/b202x6xXtN
2023-04-27 06:06:20徳間書店のexecutive producerに、「女神転生」のタイトルではダメだといわれても、僕は小説がヒットすれば、アニメは作れると考えていた。 なにしろ、編集長の鈴木敏夫は、このタイトルをすごく気に入っていたのだ。ていうか、このタイトルを選んだのは、鈴木さんだから。 pic.twitter.com/az3eGqvZgV
2023-04-27 11:05:26第三巻の企画会議で顔をあわせたとき、鈴木敏夫さんは、期待の籠った目で僕を見た。 僕は、自分では「絶対ヒットする」という自信のあるプロットを披露した。 だが予想に反して、鈴木さんは苦渋の表情で黙り込んでしまった。
2023-04-27 11:06:23僕は、悪魔召喚で多くの人を死なせてしまった主人公は、どこかで罪を償わなければいけないと思っていた。 だからルシファーに占領された日本で、中島朱実は裁判にかけられ、死刑を宣告される物語を企画したのだ。 pic.twitter.com/rsOZboYjMA
2023-04-27 11:07:45会議室は静まりかえり、だれも口を開かなかった。 そのとき、ひとりだけ「これでいいんです!」と叫んだ編集者がいた。 高橋望という、このシリーズの編集者だった。 pic.twitter.com/zaE221nXog
2023-04-27 11:11:59彼は言った。「どれほど中島朱実が人類のために働いたとしても、彼が最初に犯した罪は決して消えることはない。だから、これは当然の帰結なのです」と。 まるで、ぼくの考えを知っていたように熱弁をふるってくれた。 pic.twitter.com/kuHCHeYcy1
2023-04-27 11:13:11おかげで鈴木敏夫は、「わかった。やろう」と掠れた声で呟いた。 「転生の終焉」の企画は通った。 こんな状態だったが、発売されて一週間たたずに三万部は完売したし、刷ればいくらでも売れただろう。 高橋望がいなければ、転生の終焉は世に出なかったかもしれない。 pic.twitter.com/tJwtCSmEuV
2023-04-27 11:15:22