「麒麟はきた」麒麟がくる二次創作

#麒麟がくる の二次創作です。相互フォロワーさんの123号さん(@Ueaugijinsei123)との麒麟話の中で突破的に思いついて書いた話(12/15)と後日書いた続き(1/26)です。誤字は気にしない。
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飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

ーーーーーーーーーーーーーーーー 払暁の中、焼け落ちた本能寺の跡に両断された麒麟の首が横たわっている。 その眼は信じられぬモノを前にした様に見開かれたまま白く濁っている。

2021-01-26 23:54:55
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

首の切り口から流れる赤い血はやがて泥水になり、百間以上あった体軀は急速に萎み、そして乾いた泥人形が風に吹かれるがごとくボロボロと崩れていく。

2021-01-26 23:54:55
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

その側には一人の剣士が佇んでいた。 剣士もまた、その指先から砂に変じ、さらさらと地にこぼれ落ち続けている。

2021-01-26 23:57:04
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

「義輝様!」 怪我を押して駆けつけた十兵衛が、剣士の身に起こる異変を目の当たりにして悲痛な叫びをあげた。

2021-01-26 23:57:05
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

とうの剣士はまるで他人事の様に砂に変わる指先を見つめ、「ああ」と微笑む。

2021-01-26 23:57:05
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

「言うたであろう。儂もあの化物もひと時に顕現した陽炎の如きもの」 「織目が繕われれば、それで役目は終わり。最初からそう言う決まりじゃ」 東の空より差し込む朝日が剣士の顔を照らす。

2021-01-27 00:06:59
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

あと少しで消えると言うのにその顔はひどく穏やかで、そして、目の前の男に対する慈しみに満ちていた。 「十兵衛」

2021-01-27 00:06:59
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

「何があろうとも、生きよ」 かつて自身の命を救った男、かつて命を救えなかった男に己が思いを伝え 室町幕府十三代将軍足利義輝は、陽光の中、一陣の風と共に現世から姿を消した。

2021-01-27 00:07:00
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

右手の甲の消えかけた痣に残った、微かな熱を求めて、十兵衛は手を握り締める。 ただ一人、 ただ一人で <了>

2021-01-27 00:10:34
飛び石@3/31(日)西海ノ暁in佐世保B-03 @Tobiishisan

「麒麟はきた」話のこぼれ話1 作中で想像した麒麟の姿形は動物の🦒を怪物化してそこに瑞獣としての麒麟の特徴を足した感じです。一目で瑞獣じゃねぇと分かる。

2021-01-28 23:41:33