【ほうかご百物語】妖怪についてつらつらと
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※稲葉前先生との比較
さーて、では本編との比較…ってこのお方、一巻だけでなく完全にレギュラーな存在なので挙げればキリがなくなりそうな…(汗)。
2012-01-02 22:52:00まずは名前で拾うと、「前」の文字は先の「玉藻前」からだと思われます。苗字は狐と関連が深い稲荷神からでしょうか。後々稲荷神社に参拝しようとしたりしていましたし。
2012-01-02 22:52:07経島先輩が狐の能力何でもござれ解説で植物の成長度合いをコントロール、とか言っていたのも多分稲荷神、つまり稲の生長に関係しての言及なのではないでしょうか。
2012-01-02 22:52:18本性が「秩序体系の中の頂点に取り入って、内側から崩壊させる」「自分では手は下さない」といった辺りは玉藻前の物語を踏襲しているといえるでしょうか。
2012-01-02 22:52:51色々留学していて才色兼備、という設定もまあ、インド・中国・日本と三国を渡った伝説と、いずれの場所でも国王を虜にし、知略を使っていたりする点で「色」も「才」も持っているといえるでしょう。
2012-01-02 22:53:02実際に使っている力は化け狐全般の怪異をレパートリーにしているのか、あるいはもう何でもあり状態なのかは一見しただけでは分かりづらいですね。かつ、狐の妖怪譚など本当に山ほどあるので追いきれませんので、そこはノータッチでw
2012-01-02 22:53:13ただ、クダ狐を使っているのは上記のような憑き物と玉藻前(殺生石)の繋がりといった理由や狐繋がりといった理由が考えられるでしょうか。
2012-01-02 22:53:52稲葉先生が自己紹介かどこかの場面で「白面金毛九尾の狐です」とさらっと言ったりしたのはこの二つ名というか称号があったからですね。
2012-01-02 23:24:40※野衾(野襖)について(文献を基にした概説メモ)
メモ
概説
今日は「野襖」について。…いや、「野衾」について、といった方が正しいかもしれない。ついでに、「モモンガ」「百々爺」「元興寺」についても述べてみることにする。
2011-12-12 22:53:02参考文献は『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、『鳥山 石燕 画図百鬼夜行』(高田 衛監修、稲田 篤信 / 田中 直日編、株式会社国書刊行会、1992)、『東洋文庫466 和漢三才図会6』(島田 勇雄/竹島 淳夫/樋口 元巳訳注、株式会社平凡社、1987)、
2011-12-12 22:53:17『随筆辞典 4奇談異聞編』(柴田 宵曲編、株式会社東京堂、S.36)、『幻想動物事典』(草野 巧著、新紀元社、1974)、『日本民俗文化資料集成 8妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)、『図説 日本未確認生物事典』(世間 良彦著、柏美術出版社、1994)、
2011-12-12 22:53:30まず述べなければならないのは、「ノブスマ」という妖怪は2種類ある、ということであろうか。それぞれ字が異なり、一つは「野衾」、もう一つは「野襖」。今回のメインは前者の「野衾」。
2011-12-12 22:54:11「野衾」とは、端的に言ってしまえば今のムササビのこととされる。> http://t.co/j7V7Y9d2 Wikipedia - ムササビ
2011-12-12 22:54:21夜行性であること、樹の上から滑空してくる(飛んでくる)ことから、昔は獣なのか鳥なのか判断に苦しんだであろうことから普通の動物ではなく、妖怪扱いされたのだろうと考えられる。
2011-12-12 22:54:30あるいは、森の中を松明を持って歩く人がいると、縄張りを荒らされたくないがために松明のところを凄いスピードで滑空して火を消すから妖怪扱いされたのではないか、という説もあるようだ(『世界大博物鑑 第5巻 [哺乳類]』、『鋸屑譚』からと記す)。
2011-12-12 22:54:42鳥山石燕『今昔画図続百鬼』でもムササビのような姿で「野衾」が描かれており、解説に「野衾は鼯の事なり」と記している。また、「木の実をも喰ひ、又は火焔をもくへり」と記し、火の気を食べるとも考えられていたことが分かる。
2011-12-12 22:55:20これは先に述べた『鋸屑譚』にも記されている現象から考えられていたことだと思われる。『和漢三才図会 巻四十二』にも火焔を食べるということは記されている。
2011-12-12 22:55:28