【ほうかご百物語】妖怪についてつらつらと
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…もしかしたら、『ほうかご百物語』1巻p.98で経島先輩が言っていた、牙の生えた板が誰かを食い殺す、というセリフは板鬼のことを指していたのかも…?わざわざ牙が生えていたり、「食い殺す」と言っていたりする辺りに違和感を感じるので、違うかもしれませんが…。
2012-05-04 23:37:57※小豆洗いについて(文献を基にした概説メモ)
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今日は小豆洗いについて呟きますかね…。 内容は『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、『図説 地図とあらすじで読む 日本の妖怪伝説』(志村 有弘監修、青春出版社、2008)、
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『「幽霊・妖怪」がよくわかる本』(造事務所編集 / 多田 克己監修、PHP研究所、2007)、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)より
2011-11-01 15:04:48![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
小豆洗いは一般に、川や井戸のような水辺で、小豆を洗うような音を立てるといわれる妖怪。基本的には小豆を洗う音を立てるだけとされ、姿も確認されない場合が多い(一応、姿は小僧や坊主、婆などと伝えられることもあるようだが)。
2011-11-01 15:05:25![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ただ、中には閑散とした町外れの森に現れて人を取るといったり(島根県出雲地方)、川に引き込んだり、小豆を洗うだけでなく歌を歌うと伝えられる地方もあるようだ。
2011-11-01 15:05:39![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
その正体が別の存在(狐や狸、狢、蝦蟇、獺など)に仮託される場合もある。分布としては全国に分布しており、名前のバリエーションも豊富。
2011-11-01 15:06:29![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「小豆洗い」が名前として有名だが、他には「あずい洗い(岡山)」「小豆あらいど(東京)」「小豆こし(鳥取)」「小豆ごしゃごしゃ(長野)」「小豆さらさら(岡山)」「小豆摺り(岡山)」「小豆そぎ(山梨)」「小豆とぎ(広島、山口)」
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他には「小豆洗い狐(岡山)」「小豆洗い婆(宮城)」「小豆そぎ婆(山梨)」「小豆とぎ婆さん(群馬、栃木)」「小豆婆(埼玉、神奈川)」のように正体とされる存在が名前に組み込まれている場合もある。(『妖怪事典』より)
2011-11-01 15:07:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
なお、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』「全国妖怪語辞典」では、「アズキトギ」の名前は秋田、福島、埼玉、新潟、長野、広島に見られると言い、「アズキアライ」は山形、茨城、東京、山梨、鳥取、岡山、高知、徳島、香川に見られると記されている。
2011-11-01 15:08:12![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
冒頭で述べたように、長野の一部や新潟の一部では人を取ってやろうか、という旨の歌を歌うという。また、新潟の高田にある某法華宗の寺では小豆洗いの由来となる伝説が伝えられており、名前だけでなく伝承にもバリエーションがある。
2011-11-01 15:08:59![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「全国妖怪語辞典」に拠れば、長野県のアズキトギは北佐久郡某地の井戸に大昔、荒神様が白装束で出てきて歌を歌いながら米をといでは井戸の中に流していた、と伝えているようだ。米だが荒神様が出てくるパターンもある、ということでメモ。
2011-11-01 15:09:06![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ちなみにこのタイプの音としては今述べたように米をとぐ、とされるパターンの他、洗濯をしていると伝えられる場合もあるようだ。このことから、『妖怪事典』では元々は正体不明の音だったのでは、としている。
2011-11-01 15:10:52![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
何故こうした音が“小豆”を洗う音だといわれるようになったか、つまり小豆が正体不明の音の正体に割り当てられたか、ということについては民俗学サイドからの解釈もなされている。
2011-11-01 15:11:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
曰く、小豆は祝い事や神事・祭事に食べられる特別な食べ物(現在も五穀占いに用いられたり、赤飯の中で一緒に炊かれることがこの名残りとされる)だったために、小豆への信仰・特別視から正体不明の音に対して、神秘的な力があると信じられた小豆が割り当てられたのではないか、とされているようだ。
2011-11-01 15:12:12※小豆洗い(小豆とぎ)について(作中との比較)
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以上が概説。で、以下作中との比較…と行きたいところだけど、目立って言及することはないかな、と。文献や伝承に伝わる通り、小豆を洗うような音を立てているだけだし。
2011-11-01 15:13:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
強いてあげれば後に天逆毎を呼ぶ一因になったのではないかと推察されているけど、これは概説で述べたように小豆がハレの日に食べられる特別な食べ物とされていたことと、
2011-11-01 15:14:12![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
作中での時期が文化祭の前ということで丁度お祭りの雰囲気になっていたこととが重ね合わされていて…、要は、祭り、いわば神様を呼んで楽しませる儀式に擬似的に重なった、と見立てることができるという経島先輩の談以上のことは言えません。
2011-11-01 15:14:19![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
出現場所が化学室、というのは…高校の設備でいえば水道(蛇口)があるために一種の水辺といえることと、普通の教室と違って生徒が常駐する場所ではないのでいやすい、というくらいの状況説明しかできないかな…
2011-11-01 15:14:29![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そもそも妖怪譚が盛んに語られていた時代に化学室及びそれに類する設備なんてほぼなかったわけなので、後付けでどうとでもできる感が、ということで投げ(汗)。 今回は以上です。
2011-11-01 15:14:44※畳叩き&バタバタについて(分権を基にした概説メモ)
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ちゃちゃっと「畳叩き」について。参考文献は『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)より。
2011-11-10 09:25:52