【ほうかご百物語】妖怪についてつらつらと

ライトノベル・『ほうかご百物語』(峰守ひろかず著、電撃文庫) http://goo.gl/BI3Kh に登場する妖怪の元ネタ・モチーフと思しき妖怪譚などについての呟きをまとめるリスト。 ※個人のメモですので、緩く見てください。 ※「作中との比較」の部分は、「この部分は文献を参考にするとこういうことであるに違いない!(断定)」ではなく、「もしかしたらこういうことなのではないだろうか?」という一つの可能性の「提案」を行うものである、ということを予めご了承ください。 ※デコレーションは、 赤…参考となる伝承の中で、本編と関連のある記述 続きを読む
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アルム=バンド @Bredtn_1et

「畳叩き」は高知県高知市地方に伝わる音の怪異。名前の通り、畳を叩くような音がするという。小八木某という侍の屋敷には大きな榎があり、その榎に古狸が音の原因だという(『妖怪事典』)。

2011-11-10 09:26:06
アルム=バンド @Bredtn_1et

屋敷や近隣の家ではこの音は聞こえず、ちょっと離れた場所でよく聞こえたともいい、音の怪異としてよくある性質も持っていたようだ。

2011-11-10 09:26:18
アルム=バンド @Bredtn_1et

また、同じ高知県の怪異として「畳狸」というのもある。内容は「畳叩き」とほぼ同じで、畳を叩くような音を立てるというもの。「畳叩き」から(へ)派生した、関係のあるものならまだ分かるけど、互いが無関係な伝承だとしたら紛らわし過ぎる。

2011-11-10 09:26:34
アルム=バンド @Bredtn_1et

なお、『譚海』に拠れば現広島県では「バタバタ」という音の怪異があり、畳叩きと同じように、夜に筵(むしろ)を打ち、埃を払うような音がするという。

2011-11-10 09:26:59
アルム=バンド @Bredtn_1et

戸を開けると遠くから聞こえ、音のする方向へ向かっていくと違う方向から聞こえるようになり、音のする場所は特定できないという(『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』)。

2011-11-10 09:27:07
アルム=バンド @Bredtn_1et

…のだが、Wikipediaの畳叩きの項 http://t.co/65tXehrm に拠ると、バタバタの原因は石だとされることもあるようだ。(『筆のすさび』が出典か?)

2011-11-10 09:27:26

※畳叩きについて(作中との比較?)

アルム=バンド @Bredtn_1et

ということで以上を以て概説メモとしたく。以下作中との比較ー…も何も、ちょこっと出てきただけ。しかもちゃんと畳を叩くようなバタバタという音を立てていただけなので特にいうことはないかな、と。

2011-11-10 09:28:01
アルム=バンド @Bredtn_1et

ただ、概説メモで書いた通り「バタバタ」も「畳叩き」に類する妖怪として分類されることが多いようだけど、『ほうかご百物語』では「畳叩き」と「バタバタ」は別途出現する模様(「バタバタ」は一巻には出てこないので、Wikipediaから判断するしかないけど)。 ということで以上。

2011-11-10 09:28:20

※薬缶吊る(ヤカンズル)について(文献を基にした概説メモ)

アルム=バンド @Bredtn_1et

『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)を参考文献として「薬缶吊る(ヤカンズル)」について。

2011-11-10 14:09:47
アルム=バンド @Bredtn_1et

「突如目の前に物が降ってきて驚かせる」系に属す妖怪だと考えられそうだけど…また微妙なのだよなぁ…。長野県長野地方に伝わる怪異で、夜遅くに森の中を歩いていると、木の上から薬缶が降ってくる、というもの。

2011-11-10 14:09:54
アルム=バンド @Bredtn_1et

ただ、別にそれ以外何をするというわけでもないようで、魂を抜かれたとか、襲われて食べられそうになった、とかそういった話はないらしい。

2011-11-10 14:10:00
アルム=バンド @Bredtn_1et

『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』では「木に宿る怪」と言っており、思うに古木の霊が薬缶に化けて人の目の前に降ってくる、ということなのかな。

2011-11-10 14:10:08
アルム=バンド @Bredtn_1et

「釣瓶火」とか「おとろし」ならまだしも、何故薬缶なのか不明。『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』を見る限り他の地方には出現していないようなので、本当にローカル。

2011-11-10 14:10:21

※薬缶吊る(ヤカンズル)について(作中との比較?)

アルム=バンド @Bredtn_1et

以上概説メモ。作中でも主人公の目の前にいきなり薬缶が降ってくるだけの役でしたね。最初は驚いたけど何回も繰り返されると何とも思わなくなってくる、といった感じでやはり特に何か実害があるわけではなく元々の怪異通り。悲しきかな…。 ということで以上。

2011-11-10 14:10:26

※片耳豚(カタキラウワ)について(文献を基にした概説メモ)

アルム=バンド @Bredtn_1et

さて、ささっと片耳豚(カタキラウワ)についで呟きますか。以下、『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、『幻想動物事典』(草野 巧著、新紀元社、1974)、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)より

2011-11-03 22:01:18
アルム=バンド @Bredtn_1et

片耳豚(または片身豚)は鹿児島、奄美大島に伝わる妖怪。影の無い子豚の姿をしていて、しきりに人の股をくぐろうとする。 もしくぐられると死んでしまう、または性器をダメにされる、といわれることも。

2011-11-03 22:02:35
アルム=バンド @Bredtn_1et

ただし、両足を組んでいれば大丈夫だという。女性が一人歩きしているときや、二人連れのときによく出るという。 一説に、捕まえようとしてもとてもすばしこいためにできず、臭いも凄い臭いがするとも。

2011-11-03 22:03:09
アルム=バンド @Bredtn_1et

似た妖怪には「耳無豚(ミンキラウワ)」というものもいるようだ。こちらは両方の耳がない豚の妖怪でやることは一緒。

2011-11-03 22:03:48
アルム=バンド @Bredtn_1et

他の豚の妖怪としては、『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』に徳之島に「ムィティチゴロ」なる、片目の豚が出るといい、出現場所を通るときは足を交差させたという。

2011-11-03 22:04:53
アルム=バンド @Bredtn_1et

また、同じく『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』には奄美大島に「ハギハラウワークワ」というものも出るという。これは足が無い豚。ただ、片耳豚と同じような類の妖怪なのかは不明。同書では沖縄に「ウワーグウー・マジムン」というものも。こちらは片耳豚などに似て、股をくぐって魂を取るとされる。

2011-11-03 22:05:28
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