僕らはいつだって危うさを内包していた。完成した何かに成りたくて、でもなれない。葛藤と焦燥と未熟さと。完璧に完成することがないと気付いたその日、ナイフを振りかざした彼らが僕らを殺しにくる。そして、彼らの中で僕らは眠る。若い頃の過ちとして。 #twnovel #twpoem
2011-09-03 22:06:55扉の前で立ち尽くした。ああ、なんて大きくて立派な扉だろう。そして、繊細で美しい扉だ。開けるどころか触れることさえ出来ずに立ち竦む。扉の向こうはどんな荘厳な景色だろう。それとも清麗な景色かもしれない。自分には不相応。でも、その先に焦がれて僕はいつかその扉を開く。 #twnovel
2011-09-03 23:55:439/04
s_shumuは「動物」というお題で、5個のストーリーの違うTwitter小説を書きます! http://t.co/ZxPNLSF 昨日は達成できなかったけど、今日も行きます(`・ω・´)
2011-09-04 02:55:51少年は守るために闘い、必要なら殺した。狐だって、狸だって、熊だって、――人間だって。いつだって少年は少年のために何かを守りたくて戦ってきた。戦って、戦って、戦って。幾つの命を奪ったのかも忘れて、少年は気付く。守りたかったものさえも、何かを守るために壊したことに。 #twnovel
2011-09-04 03:01:32ぎりぎりのところで理性が踏みとどまっていた。内心の氾濫など、面には漣も起こさせてはいないはず。ああ、どうしてこうなんだろう。動物のように本能で生きられたら、と願った夜があった。苦しくて、切なくて。でも、理性があるからこそ生まれるものもあると気付く朝もある。 #twnovel
2011-09-04 03:21:329/07
ノックの音が、ずっとしていた。遠くから遠くから。耳から離れないその音が、少しずつ近づいてきているような気がして。コンコン、コンコン。控えめなのにどうしても耳に残る音は、彼女に似ていた。待って、待って。もうすぐ出るから、もうすぐ行くから。コンコン。彼女が待ってる。 #twnovel
2011-09-07 01:56:47君が笑うから、僕も笑ってみた。君が怒るから、僕は笑ってみた。君が泣くから、僕は怒ってみた。君が幸せだから、僕も幸せになる。 #twpoem #twnovel
2011-09-07 19:14:13この空を想う。背中にあるのは重苦しい翼で。羽ばたき方すら僕は知らないけど。力を込めれば、微か震える羽毛の先。灰色に穢れた翼を背負って、僕はこの空を想う。 #twpoem #twnovel
2011-09-07 19:18:39あの日、君が告げたこと。今も胸に反響し続ける、硬質なけれど暖かな言葉。打ち震える心に君の声が埋まっている。あの日、君が告げたこと。僕の、君の、大切な想いの欠片。 #twpoem #twnovel
2011-09-07 19:22:10貴方に別れの言葉をあげる。胸で反響する硬質な言葉を。貴方に別れの声をあげる。心に埋まる暖かな響きを。貴方がいつか私を忘れてもその言葉だけは捨てられないように。私の確かな想いの欠片を貴方に閉じ込める。 #twpoem #twnovel
2011-09-07 19:26:579/08
お題は『愛してるよ、ハニー!!・捨てる・桐ダンスの中の手紙・不器用なふりをしてもう一歩・この部屋に引っ越そうかな』です http://t.co/x6ewzX2
2011-09-08 20:52:12彼女はいつも僕に素っ気ない。クラスの女子どころか男子にだって愛想良く言葉を交わすのに、僕が話し掛けると途端に不機嫌になるのだ。でも、僕は知ってる。彼女は照れているのだ。だから、僕は言う。「愛してるよ、ハニー!!」「ウザい」今日も彼女は頬を引きつらせた。……あれ? #twnovel
2011-09-08 20:54:16捨てる、捨てる、捨てる。全部捨ててやる。そうしたら、きっと忘れることが出来る。最後残った、たったひとつ。残り香にも似た、彼の気配。そこここにある思い出のように、かすかな。ああ、これは捨てられない。捨てられない。 #twnovel #twpoem
2011-09-08 21:19:04着物が必要になって、久方振りに桐ダンスから取り出すと手紙が一通、ひらりと床に落ちた。一瞬で脳裏にあの頃の思い出が蘇る。立ち上る桐の香に懐かしさを感じながら。かさり、手紙が音を立てる。仕舞い込んでいた記憶。振り返れば相応の年月が経っていた。あの頃は戻ってはこない。 #twnovel
2011-09-08 21:40:00立ち尽くす彼の背中が不意に悲しげに見えた。「泣いてるのか?」口をついた言葉にはっと彼は息を呑んだ。「気のせいだよ」それとなくかわす彼。かすか、目を拭ったように見えた。彼を覗き込んで、不器用なふりをしてもう一歩。「目、赤いよ」くしゃり、彼は笑う。「気の、せいだよ」 #twnovel
2011-09-08 21:48:48「この部屋に引っ越そうかな」突然の彼の言葉に気だるい肢体を持ち上げ、顔を向ける。彼は台所に立って珈琲を淹れていた。最早勝手知ったる、である。「ふぅん、まぁ、いいけど」口ではそう言いながら、頭の中で必要なものと不必要なものを考える。取り敢えず、料理を仕込まなきゃ。 #twnovel
2011-09-08 23:11:359/12
9/15
お題は『花弁で君を葬りたかった・難しいことはほっといて・静かにこころを紡ぐ・無駄に飾る・ガラス玉』です http://t.co/IJWJkjbi 一週間振りの。
2011-09-15 19:55:03思い起こすは、後から後から降り積もる薄紅の花弁。『願わくは花の下にて春死なむ』そう言うけれど、僕はあの花弁で君を葬りたかった。君の白いかんばせを薄紅色の花弁に埋めて、その花弁で別たれたかった。それでも、如月の望月の頃ではあったから。水仙と共に君を送るよ。 #twnovel
2011-09-15 20:10:43どうしてこんなことになってしまったんだろう。難しいことはほっといてしまえばよかった。だって、君の居場所が空っぽになってから気付いたんだ。僕の願いは本当に簡単なことだったんだって。君のその笑顔が隣で見られれば、僕はそれで良かったんだ。 #twnovel #twpoem
2011-09-15 20:23:09