2011/09/01~09/31 ②全twnovel@s_shumu

2011/09/01から 2011/09/30まで
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9/28

愁夢 @s_shumu

白い翼を生やした子供が無邪気に俺を見上げる。「色違いだ」笑顔が嘗ての親友に重なる。そっくりの笑い方だった。今度は俺がこの子供に殺されるんだろうか。黒く染まった翼を視界の縁に認め、嗤う。俺が、殺すのかもしれない。 #twnovel  #twremix @chocolatesity

2011-09-28 03:14:46
愁夢 @s_shumu

夢の女王にワインを賜る。白を通り越して、硝子のように無色透明。一口飲めば、身体が溶け消えてしまうのはわかっている。ねぇ、女王様、私はもう夢に酔っていて、すべてを貴女に捧げたから、今更身体になんて拘っていないよ。 #twnovel #twremix @1_dark

2011-09-28 03:28:55
愁夢 @s_shumu

s_shumu お題は『それはこの世で一番の、・痛みすら感じないんだろう?・雫・試しに広げてみた両手・爪先立ち』です http://t.co/IJWJkjbi

2011-09-28 04:35:09
愁夢 @s_shumu

それはこの世で一番の、大切な約束。原初に定められた、人の根幹に埋められた小さな、けれど明確な約束。それは『生きる』ということ。『生』を受け入れ、『生きる』ことを知り、『生きる』努力をし、新たな『生』を育む。『生き』続けるということ。本能と呼ばれる神々との約束。 #twnovel

2011-09-28 04:49:47
愁夢 @s_shumu

ソレは嗤っていた。狂ったように。高らかに。不意にソレが俺を見た。「どうして笑ってる?」笑ってる? 俺が? 俺とソレの間、赤い水溜り。見下ろした身体もまた赤い。千切れた彼女の破片。「もう痛みすら感じないんだろう?」同類を憐れむ瞳でソレは俺を見る。嗤い続ける俺を。 #twnovel

2011-09-28 23:22:56
愁夢 @s_shumu

また逢いましょうと告げて雲間に雫を落とす それはいつか私の元に返ってくる 輪廻のように巡り巡っていつかまた逢わずにはいられない ほろほろと落ちていって草原に雫が沁みる それはいつか私の元に返ってくる 貴方の元にも巡り巡っていつかまた私に逢いに来る #twnovel #twpoem

2011-09-28 23:31:47
愁夢 @s_shumu

爪先立ちで俺を見上げる少女。泣きそうな顔で、縋るような顔で。その目の前に試しに広げてみた両手。少女は切ない目でその手を見つめ、ゆっくりとその小さな手を重ねた。その紅葉のように赤く、暖かなものに、驚いた。俺の手より二回りも小さな手が指先を絡めて、ぎゅっと握った。 #twnovel

2011-09-28 23:36:42

9/30

愁夢 @s_shumu

息が吸えない。目の前の顔が霞む。ギリリ、一際強く首が閉まって、ゴプ、と喉が鳴った。息ができなくて、ふわふわしている。苦しいのに、苦しさがよくわからなかった。手には確かに締め付ける感触。首には確かな絞めつけられる感触。私が二人、向かい合って。私は殺し、殺される。 #twnovel

2011-09-30 00:38:45
愁夢 @s_shumu

幸せな色を浮かべた君の頬を撫でる。それでも変わらない笑顔。凍えた頬の手触りは何時もより少し硬く。ずっと、こんな顔を見ていたかった。でも、僕が作れたのはもっとぎこちなく、切ない笑顔ばかりだった気がする。幸せな色を最期に浮かべた君は、何を思い描いていたんだろう。 #twnovel

2011-09-30 00:41:44
愁夢 @s_shumu

「さびしいね」「さびしいの?」「さびしいから」「さびしいから?」「殺しちゃおうか」「殺しちゃう?」「だいじょうぶ」「だいじょうぶ?」「さびしくないよ」「さびしくないの?」「僕がいるから」「君が?」「そう、僕が」「じゃあ、だいじょうぶだね」「うん、だいじょうぶだ」 #twnovel

2011-09-30 04:25:00
愁夢 @s_shumu

あの日、失った自分の夢を見た。純粋無垢で疑うことを知らない自分。そのままじゃ生きていけるはずもなくて。そのすぐ後に、食欲旺盛で血気盛んな自分も殺した。あのままじゃどこに行ってしまうかわからなくて。変容していくことは何かを失うこと。手に入れるものなんて、一握り。 #twnovel

2011-09-30 04:33:27
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