2011/09/01~09/31 ②全twnovel@s_shumu

2011/09/01から 2011/09/30まで
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愁夢 @s_shumu

「魔法?」砂塵となって舞う魔物に目を瞬くと、彼女は儚い笑顔を浮かべた。「よくわからない。でも、出来るってわかったから」此処が故郷だとわかったように。「依織、行こう」「何処へ」「呼んでるの」「誰が」「わからない、でも、懐かしいの」温かな友人の手を取る。「行こう」 #twnovel

2011-09-24 15:57:45
愁夢 @s_shumu

孤児院で育った私と優羽にとって本当の故郷は互いだから、寂しさに竦むこともなかった。互いの存在を確かめ合って、何処かさえわからない森の中を歩いた。旅をしたことのないはずの優羽が確固たる足取りで私を気遣いながら進んでいく。そして、ひとつの町に着いた。 #twnovel

2011-09-24 18:18:59

9/25

愁夢 @s_shumu

お題は『手足を切り落としても・響く声・君には適わない・彼専用のマグカップ・智恵の実食べたら』です http://t.co/IJWJkjbi

2011-09-25 14:16:36
愁夢 @s_shumu

這いつくばったそれの瞳は爛々と輝いていた。狂気を宿した瞳。手足を切り落としても、俺に似た瞳をしたこれは俺を殺しに来る気がした。それも良い。それが良い。「いつか殺しに来い」顔だけを持ち上げてそれは歯を噛み締める。純粋なる憎悪に笑みを返す。「待っててやる」 #twnovel

2011-09-25 18:16:30
愁夢 @s_shumu

這いつくばって見上げた男の瞳は爛々と光っていた。狂気を纏う瞳。視線で人を殺せるなら、きっとそれはオレを殺していた。「いつか殺しに来い」響く声。その言葉は今、オレを殺さないという意味だった。憎悪に冷えた心が屈辱に燃え上がる。目の前の男の壮絶な嗤い。「待っててやる」 #twnovel

2011-09-25 21:14:09
愁夢 @s_shumu

血に汚れた手に持った一振りの刀。目の前に立ったオレを睨めます、あの時と同じ狂気に彩られた瞳。「殺しに来たか」微かに嗤う。しかし、言葉も交わさぬまま刀を振り上げたオレをいなして、眉を顰めた。オレも気づく。まだ、これには敵わない。瞳に宿る失望に、自分の死を見出した。 #twnovel

2011-09-25 21:26:10
愁夢 @s_shumu

部屋に置く 彼専用の マグカップ 歯ブラシタオル 増えてく気配 #tanka #jtanka #twnovel #短歌

2011-09-25 22:04:52
愁夢 @s_shumu

彼が部屋に来るようになって数か月。気付いたら彼専用のマグカップがあって。歯ブラシも置くようになったし、彼の気に入りのタオルにも気付いた。少しずつ少しずつ、私の部屋に彼の居場所が生まれていく。なんだかいつも彼と一緒にいる気分にすらなれる。そんな幸せを噛みしめて。 #twnovel

2011-09-25 22:08:56
愁夢 @s_shumu

智恵の実食べたら戻れなくなる アダムとイヴが楽園を追放されたみたいに あの日に帰られなくなる 僕と君が確かに違うこと 一緒にいることが難しいこと 知ってしまった羞恥心 智恵の実食べたら気付いてしまう 僕と君との確かな違い 僕の失楽園 #twnovel #twpoem

2011-09-25 22:52:24

9/26

愁夢 @s_shumu

#twnovel 氷の城に閉じ籠もる狂国の王子は砂漠のスラムから立ち上がった革命軍を待ち続けました。ずっと、ずっと。革命軍の勢いに城から人は居なくなり、最後訪れたのは一人の青年。「殺しに来たよ」それは2人の遠い日の約束。そして、約束は果たされる。 #twremix @1_dark

2011-09-26 00:19:24
愁夢 @s_shumu

#twnovel 落下感に力が抜けていく。やっと、楽になれる。この世の最後まで一緒に居たいと願った友を顧みる。滝口にいるはずの友はすぐそばにいた。血の気が引く。カナヅチのくせに。死ねるか! 今までで一番強い思いが生まれた。 #twremix @chocolatesity

2011-09-26 01:13:31
愁夢 @s_shumu

お題は『とにかく小さいものが好きなんです・整理整頓してから言え・わざと破った約束・光る淡雲・幸せな今が欲しいから』です http://t.co/IJWJkjbi

2011-09-26 22:39:47
愁夢 @s_shumu

「好きです!」目の前に立った面識もない少年。「何が?」「貴女が!」見上げると真面目な顔だった。「え、」もしかして告白? 初めての事に戸惑う。「わ、私のどこが?」「小ささです」きっぱりと少年。「僕はとにかく小さいものが好きなんです!!」――丁重にお断りしました。 #twnovel

2011-09-26 23:09:29
愁夢 @s_shumu

「本当に片付いた」小ざっぱりと整えられた部屋を感慨深げに見渡す。こんなに広かったのかと感動すら覚えられるくらいだ。「これだけ綺麗になるなら、毛嫌いしてたけどたまには掃除もいいねー」「自分で整理整頓してから言え」疲れた顔をした友人がげんなりとした顔で告げる。 #twnovel

2011-09-26 23:14:29
愁夢 @s_shumu

彼女はまだ待っているんだろうか。時計を見る。約束の時間から、一時間が過ぎていた。鳴り響く携帯電話を無視し続ける。メールも何通か届いていたけれど、見ることは出来なかった。わざと破った約束。じくじくと心が痛む。どうか、その約束と一緒に僕を破り捨てて。 #twnovel

2011-09-26 23:17:21
愁夢 @s_shumu

暮れゆく空に光る淡雲 遠ざかる今日に別れを告げて 貴方のいない明日に向かう 暮れゆく空を渡る雪鳥 #twnovel #twpoem

2011-09-26 23:21:22
愁夢 @s_shumu

「忘れる」彼女の頬に輝く一粒の涙。それがどんなに苦しいものかわかっていたから、私は確かな頷きを返した。「幸せな今が欲しいから、私は忘れることにする」どんな言葉を重ねても、その決意が彼女自身のためだけじゃないことを知っていた。冷たい手を握る。「幸せになろう」 #twnovel

2011-09-26 23:24:51
愁夢 @s_shumu

#twnovel ときどき、置いてきた彼のことを考えてみる。空を見て、結婚でもして、人並みの生活を手に入れたのだろうか。それとも一人で寂しさに泣いている? 旅立つ時に別れた自分自身のことを、ときどき思い出している。 #twremix @1_dark

2011-09-26 23:28:51
愁夢 @s_shumu

#twnovel 最愛の人に何も伝えられない苦しさが、何年も何十年も続くとは思っていなかった。死んだらいっそ、ほっとしてくれるのかしら。それとも、ずっと苦しみ続けるのかしら。貴方を苦しませるだけなら、結婚なんてしなければ良かった。 #twremix @1_dark

2011-09-26 23:33:46
愁夢 @s_shumu

#twnovel 「どうしよう」と相談してみた。切ない気持ちで見つめると、彼女は困った顔。「好きになったんなら、たとえ振り向いてもらえなくても仕方ないんじゃないかな」それじゃ嫌なんだよ。好きになってくれ、とはまだ目の前の本人に言えないけど。 #twremix @1_dark

2011-09-26 23:40:13
愁夢 @s_shumu

#twnovel #twpoem 朝の雨音は、空の讃美歌。夢の終わりを告げる。 秋の雨音は、私への詩歌。心に沁み込んでいく。 夜の雨音は、月の子守歌。優しい眠りにいざなう調べ。 夢の雨音は、童歌。無邪気なメロディですべてをほどいていく。  #twremix @1_dark

2011-09-26 23:55:21
愁夢 @s_shumu

#twnovel モンブランを頼んだら、店員が急に緊迫した面持ちになった。なぜかパスポートの提示を求められたが、当然そんなものは持っていない。カフェ中からのブーイングを浴び、あっという間にカフェを追い出されたなう。なんだったんだだろう。 #twremix @1_dark

2011-09-26 23:59:54
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