創作論は千差万別だがそれを言い訳に「ありのままを肯定されたい欲」にハマると迷走する説。内的満足と外的満足の設定の必要性も

榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中！ @ichiro_sakaki

寝る前にちょっとだけ。 創作について悩んでいる人は多いと思いますが、その際に、誰かの創作論だのツイートだの本だのを参考にして自分に合った方法論を身に着けようって人は多いと思います。

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創作論なんてのは人によって千差万別、十人いれば十通りの書き方があってもおかしかないので、Ａという人の方法論がＢという人に全く役に立たない、という事も普通に在り得ます。 だから私なんかは「まあ一点でも良いと思ったら覚えて帰って、合わないなら忘れて」とはよく言いますが。

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ただ一つだけ注意しておいてほしいのですが。 『十人いれば十通りのやり方がある』というのを時に、『言い訳』に使い始める創作者が居ます。 具体的には、ある作品を書いて、先生なり先輩なりに見せて意見を聞く。ところが相手がべた褒めしてくれない。あちこち問題点を指摘してくる――

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で、その創作者は何をするかというと。 『十人いれば十人違う意見がある筈だ』と、自分の作品を改稿する、改善するのではなく、『最高だ』とほめたたえてくれる人を延々と探し続ける事になります。 実際にそういう生徒さんを見た事があります。

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いわゆるプロの作家や編集者、あるいは専門学校の先生は、相手を『成長させる』為に意見を出す訳ですから、そりゃ、問題点は指摘しますわな。 だから、最初から「褒めてほしい」だけで創作している人は、何処かにいるであろう「褒めてくれる人」を探して、素人さんやらなにやらに意見を聞きます。

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しかし素人さんは、別に何らかの責任を負っている訳でも、仕事でしている訳でもないですから、多少なりとも空気が読める人なら、相手の作品を「面白いよ」と一律に言うでしょうし、本当に何の整合性も無い思い付きを口にする事があります。

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たとえばですが。 『すずめの戸締り』みたいな話を書いている人が、仮に『ガンダム　水星の魔女』にハマっている人に意見を聞いたときに、『ここでソウタが巨人の手でぷちゅっとつぶされるとショッキングですごい受ける！』とか言われたらどうなるかです。

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素人さんは作品のコンセプトだのテーマだのまで気にして意見を出しませんし、出す必要もありません。 だからトンチンカンなその場の思い付きを言ったりもする訳ですが、とにかく『褒めてくれる人』を探している創作者は、こまごまとした面倒くさい指摘をしてくる先生より、

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『抜本的なアイデア』を提示してくれた人の分かり易い方法を採用してしまう事があります。 実際、ある生徒さんが、改稿に改稿を重ねて、元のコンセプトからずれまくった話を書き始めたので、「どうしたの？」と聞いたら、「友達に意見を聞いたらこうした方がいいって言ったから」と。

榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中！ @ichiro_sakaki

『いつか白馬に乗った編集者がやってきて、「君こそ僕の求めていた小説家！　君の小説は最高だ！　明日にもデビューして、初版百万部刷ろう！」とボクに言ってくれるはずだ幻想』とでも言いましょうか。 何処かにそういう人が居る筈だ、だから自分は（自分の作品は）今のままでいいと考えてしまう。

榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中！ @ichiro_sakaki

改稿するにしても聞いていて気持ちが良い事を沢山言ってくれる人を信用して、その通りにしてしまい、相手がその発言に責任を持っているか、きちんとした理屈があるかどうかは考えない。 こうなるともうどうにもなりません。

榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中！ @ichiro_sakaki

一人は以後、全然小説を書かなくなり、たった一本書いた中途半端な企画書を抱えて、人に意見を聞き続ける（しかし一切改稿しない）状態に。 一人は、改稿は進めるが、初期コンセプトからは大きくずれた話になり、初期には居なかったキャラが出て、明るいラブコメだった筈が、暗いコンプレックス話に。

榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中！ @ichiro_sakaki

極端な例ではありますが、『絶対の正解は無い』創作の世界だからこそ、こういう言い訳が自分にできてしまう危険性があります。 なので、一旦、この先生に意見を聞く、あるいはこの本に従って頑張ってみる、と決めたら、途中でふらふらしない事をお勧めします。

榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中！ @ichiro_sakaki

少なくとも素人さんたちに意見を聞いて回るのは、自分の作品のコンセプトや方向性、作風について確固たるものを確立してからでないと、とっ散らかって、無茶苦茶になってしまう場合がありますよ、という話でありました。

MANZEMi_pod @MANZEMI_bot

自分はコレを〝キミには隠れたスゴい才能があると言って欲しい症候群〟と呼んでますが。 この症状、問題点を指摘されると自分のプライドを守るために、「自分は悪くない、悪くないのに批判するのは嫉妬してるからだ」とか「批判するこの人は悪い人だ」と、妙に攻撃的になることが問題ですかね。 twitter.com/ichiro_sakaki/…

はとこ @ichschwore

日本橋ヨヲコ先生の『少女ファイト』のこのページとほぼ同じことを仰っておられる。この場合素人さんがなにに悩んでいるかって『この小説の面白さが効果的に伝わるか（その演出がなされているか』ではなく『私は最高ですよね？そうでしょう？』だったりしますなぁ。 pic.twitter.com/24EJ657Q4x twitter.com/ichiro_sakaki/…

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熊(kazu)猫💉💉💉 @pankazuda

フリーソフト界隈で要望をどんどん取り込んで、システムが巨大化して自重で崩壊なんて話はありますよね。 プラグイン方式で機能を拡張できる設計にして、コアだけ保守して追加機能はプラグイン開発者に投げればいいと思っている。 ゲームだとルートの分岐で処理も出来るだろう。 twitter.com/ichiro_sakaki/…

葛原一助＠趣味垢 @kuzuhara_13

これはほんと身につまされる話だわなあ…。 別に見聞きする事は悪くないんだけど、その中から自分に合ったやり方をする、というのがどれだけ難しいか…。 わしも師のやり方を知ってはいるけど、同じように出来るかと言われると無理だからなあ… twitter.com/ichiro_sakaki/…