【キャラを知る】 プロットの是非論 【己を知る】

職業的漫画原作者で元編集者でマンゼミ作者の喜多野土竜さんが、漫画におけるプロット論について論じていたので、竹の子書房向けの覚え書きとして。 物語を、ネーム>下絵>完成稿と仕上げていく漫画と、プロット>完成稿と仕上げていく小説とでは必ずしも一致する部分ばかりではないのだけど、ストーリーメイキングで悩む人の参考になる話。 「設定が上滑りしてキャラが立ってない」 「話はいくらでも長くなり滞空時間は長いのだが、いつまで経っても落ちてこない上に話を終わらせるときはいつもハードランディングである」 「作者(と主人公)にとっていつも話が都合良すぎる」 続きを読む
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喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

アシスタントが続々デビューするタイプの作家と、そうでない作家にクッキリ別れるのは、個々の作家の個性にあった対応力の問題でしょう。編集者はその能力に乏しくても、とにかく膨大な数をこなすことで職人的に身につけるわけで、そこがマンガを書けない編集が作品作りに関われる理由でもあります。

2011-11-02 15:25:16
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

もちろん編集も、投稿者がほとんどデビューに至らない・デビューしても鳴かず飛ばずのタイプもいれば、滅多にヒットしないが当たればメガヒットのホームラン打者タイプ、地味ながらも数多くデビューさせる首位打者タイプの編集もいますけれどね。

2011-11-02 15:29:22
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

大学や専門学校は、作画技能があれば漫画を教えられると思いがちですが、実際は作品作りはまた別のノウハウが必要。マンガ作りをして来なかった出版社がマンガに進出するとだいたい失敗するのは、実はこの点とも重なっています。有名作家を他社から引きぬいて並べれば、売れるはずと考えがち。

2011-11-02 15:31:15
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

ところが実際はそうはならないのは、長崎尚志氏が『ラジオ版学問のすすめ』で指摘している通り(興味がある方はライブラリを探して聞いてみてください)。小説の場合の本作りのノウハウが、マンガ作りでは上手くいかないのは、一部の編集不要のマンガ家を除いて、編集の果たす役割が大きいから。

2011-11-02 15:38:48
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

もちろん、自己調整能力が高いマンガ家なら、作画技術と作品作りを分けて教えることも可能ですが、そういう先生は一握り。そういう資質がないマンガ家が人に教えるときには、ついつい「まずテーマを決めて、プロットを作って…」と、型にはめ込むことになりがち。そうでなければ自分の方法論の絶対化。

2011-11-02 15:41:28
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@shuhosato 自分も、育てるのではなく育つものだと思います。逆説的に、わしが育てたとか言う編集は信用しないことですね。だって、どんな名編集でも成功率は2割行くか行かないかですから。失敗例を語れない編集は、その時点でアウト。

2011-11-02 15:43:33
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@takukitazaki ふくらませるより削ったほうがいい、という場合が多いですしねぇ。シナリオと違って漫画のネームはすぐ読めるんですから、編集者は手を抜かず向き合って欲しいですね。そこで意見をぶつけることが、編集にも経験値になって財産になるんですから。

2011-11-02 15:47:27
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@msugaya すがや先生の場合は小説も書けますから、「オレはこの方法でやってきた」と言い張っても、反論できる人は少ないでしょうに、教える技術を学び直す。さすがですね。自分も少女誌と少年誌を経験して、文法の違いとかに驚いた口ですから、教えることは本当に難しいです。

2011-11-02 15:53:33