ボスニア湾閉塞作戦
WW2開戦と同時にスウェーデン海軍にとって課題になったのが、ボスニア湾口の閉塞であった。フィンランド自治領であるオーランド諸島から本土に至る線南北2本をフィンランドと分担して(自治領は非武装だが、敷設の権利はあった)敷設する合意があったのである。
2023-02-27 03:12:01これが瑞海軍序盤戦の主要作戦な訳ですが、これに鉄道連絡船が動員されていたのはご承知の通り。で、この連絡船の作戦参加について、鉄道博物館の2002年年鑑に特集記事が。鉄屋さんは連絡船もご興味を持っていただけて大変ありがたい。 jvmv.se
2023-02-27 03:12:02開戦、さらにソ連がバルト三国に圧力をかけ、これが瑞側に懸念を引き起こす。一方、ドイツの不興を買う可能性もあり、敷設作戦に対する政府の姿勢は定まらなかった。
2023-02-27 03:12:03特設巡3号(Hjkr3)となった鉄道連絡船ドロットニング・ビクトリアは10/16、主泊地ホルスフィヤルデンで沿岸艦隊に編入された。 10/22・23の両日にオーランド海周辺で敷設作戦の演習を行う。特設巡DVはこの最中に損傷、修理のためストックホルムに回航。
2023-02-27 03:12:04冬戦争と瑞政府の決断
30日には冬戦争が勃発し、特設巡DVとゴトランドに敷設のための機雷搭載が命じられる。しかし政府は11/4日夕刻まで方針が定まらなかった。写真は、多分ストックホルムの機雷置き場(年代は違う) pic.twitter.com/gI5Q1HHu6A
2023-02-27 03:12:09結局この日の深夜に海軍に命令が下された。 「翌5日0800、作戦参加艦艇はグラハムンスフィヤルデンに集結すべし」。 予定されていた2本の敷設線のうち、北部機雷堤のみの敷設が下命されたのである。
2023-02-27 03:12:10この作戦に投入されるのは主力である第1装甲艦戦隊(グスタフV、装甲艦のドロットニング・ビクトリア)、ゴトランド、駆逐艦3、第2哨戒戦隊(イェガレン級正規ベデット×4)。さらに空軍第2飛行団(F2、沿岸艦隊隷下の水上機部隊)第1飛行隊。ゴトランドと駆逐戦隊で偵察戦隊を組んでいるはず。 pic.twitter.com/xVjg7tiLyX
2023-02-27 03:12:12これも年代がもうちょっとあと(艦艇に迷彩をしたのは独ソ戦開始時だったはず)。ただし、装甲艦2隻はGVとDVなので、このメンバーで行った
スヴァリエは近代化改修中で40年まで入渠しており不在。後方部隊は作戦ともなれば切り離すだろうから、沿岸艦隊の潜水艦以外全部、という感がある。ってか、DV2隻、同一作戦してたのか。混乱しそう(特設巡は3号と言えば間違えないか)
2023-02-27 03:12:14ケースホワイト前日の編成では第2駆逐戦隊はマルメ・ストックホルム・エレンスコルド・クラスウグラ。ここから都市級をはずし、エレンスコルド、クラスウグラ、クラスホルンと比較的旧型に差し換えている。クラスホルンは西部から呼び帰しているので、手練れを集めたのか、新鋭艦を残そうと思ったのか
2023-02-27 03:12:14とにかく、艦隊は集結地点に集まった。が、再び政府側が揺れだし、最終的な敷設命令が下されたのはほぼ一日空転した5日1710。翌6日より作業を開始せよとの命令であった。
2023-02-27 03:12:15艦隊は6早朝に作戦開始。敷設作業が始まったのは1005。90基を敷設し1030に作業は終了した。(写真はイメージ。沿岸駆逐艦ミジョルニアからの機雷投下) pic.twitter.com/nimNquE26b
2023-02-27 03:12:17翌7日にはフィンランド側が作業に着手。さらに8日からは北部の領海内において敷設作業が続行された(翌年1/20まで)。一方、特設巡DVは12/18、国鉄への返還が決まり艦隊を離れた。 pic.twitter.com/E0kHFrmfwi
2023-02-27 03:12:20ゴトランド、機雷戦のイメージわりに薄い(とくに航空巡時代では)ので、敷設やっていたのは意外。そもそも、機雷と映ってる写真この2枚ぐらい(しかも改修後)では。防空巡改装で機雷投入路をつくっているのは、この辺で戦訓でもあったのか pic.twitter.com/TbcLbCuqDS
2023-02-27 03:12:241939年のクリスマス
さて、返還命令が下った特設巡のドロットニング・ビクトリア、12/20にはストックホルムで武装解除作業が開始。ところが、緊張高まるストックホルムは防空の備えが甘く、帰港した海軍艦艇で対空砲あるものは全て防空に参加する義務を負った。
2023-02-27 03:15:43なので、工事中のDVも要員を張り付けておかなければならず、指揮官は一番若い新婚の少尉殿に押し付けられた(ヒドイ)。ところで12/20にストックホルム着である。そのまま進めばクリスマスだ。
2023-02-27 03:15:44なので艦長(連絡船の船長-当然予備士官-が横滑りしていた)気を利かせた。少尉に「カミさん呼んで、ロイヤルキャビン使っていいよ」。国際船舶で昔のことなので1~3等室があり、王族が使ういいお部屋もあったらしい。「特に上品に装飾された小さなサロン」がついてたんだそうな。写真は一等サロン pic.twitter.com/wrXNlL2fui
2023-02-27 03:15:46流石にスウェーデンでも軍は物堅い。「女は載せない戦船!」と却下の姿勢を見せる。が、艦長はシャバが長いので「本船はすでに国鉄に返還が決まっている。造船所も民間である。問題でも?」 結局、新妻は無事に乗船、週末を過ごせたんだって。
2023-02-27 03:15:47見張りはどうした見張りはッ
ロイヤルキャビン、上から2番目のプロムナードデッキにあり、短い戦時体制ではなんと機銃弾薬庫に充てられていた。調度品はおろしていなかったのだろうか可燃物だぞ。
2023-02-27 03:15:48