私の10年間の恋とその結末
私はレストランで、彼は総菜と部門は違ったけれど。業務連絡のやりとりや、たまに休憩所で会えるのが嬉しかった。 でも、仕事はハードで。彼は私と同様に上司との相性が悪く、目に見えてまた病んでいった。
2011-11-02 07:21:28彼の異動が決まる直前、もう完全に彼は壊れかけていた。私との仲もほとんど冷め切っていた。私は好きなままだったけれど、彼が私を拒絶している状態だった。私は、うちの会社に就職させたこと、自分も病んでいて追い詰めた事を悔やむことしかできなかった。
2011-11-02 07:23:53そうして数ヶ月後。彼は異動先ではまだ上司との相性が良くて、病みは落ち着き出していた。 そんな時に、別れを切り出された。 私も覚悟はできていたから、泣くのだけは堪えて、きちんと話をした。
2011-11-02 07:26:01「嫌いになったわけじゃない。でも、恋人として見られない」と、彼はそう言った。 ならば友達でもいいと。そうして私達の付き合いは変化した。 「指輪はつけてたら駄目?」と聞いたら「好きにすればいいよ」と言われたので指輪だけは外さなかった。
2011-11-02 07:28:08別れて1カ月。散々に泣いて、友達に頼って、やっとまともに日常を送れるようになった頃に彼が言った。「EDになった」と。一人でしても、他の女性としてもできないと。 「他の女性」という発言にショックを受けたけれど、それなら試してみようとしてみたらできた。 私は、私の価値を知った。
2011-11-02 07:30:59「セックスだけなら、私は彼に必要としてもらえる」 そうして私はまた病んでいった。セックスだけでも必要としてもらえるならそれでいいと、どんどん病んでいった。 半年ぐらいしてやっと振られた悲しみは落ち着き出して、彼へのセックス依存も落ち着きだして。
2011-11-02 07:32:57心の整理もできてきて、恋人でなくてもいいと。彼が生きていてくれるならそれでいいと。そう、考えられるくらいになった頃にあの人と出会った。
2011-11-02 07:34:36趣味も感性もそっくりで、同じ物に感動し、同じ喜びを共有できる彼に出会った。 我々はお互いに惹かれていったけれど、私の心にいる人を知っていたから、優しい彼は「俺は友達でいいよ」「一緒にいられるだけで幸せだから」と、そう言ってくれた。
2011-11-02 07:37:25ある日、彼に会った時に「最近惹かれている人がいる」と素直に話した。数日後はその彼の誕生日で、一緒にお祝いをすると話した。彼は「聞きたくない」と遮った。
2011-11-02 07:39:03誕生日当日。その彼の家に向かっていると、彼からメールが来た。 「好きだよ。十年前も。一年前も。今も」 私は混乱した。 完全に混乱した。 それでも、誕生日を祝う約束をしていたから「後で詳しく聞く」と返信してその彼の家に向かった。
2011-11-02 07:41:33なのに、その彼は眠っていたのかいつまで経っても玄関を開けてくれることはなかった。 その日はとても寒くて。Twitterに書いたら心配させると思って、mixiに「寒い」「連絡つかない」と書き続けていた。
2011-11-02 07:43:16そうして寒さに凍えながら二時間待って。 彼が「迎えに行こうか?」と言ってくれたのを切欠に、私は待つのをやめた。 彼の言葉が気になって仕方がなかったということもある。 私は、お祝いの料理やプレゼントを家の前に置いて彼の家に向かった。
2011-11-02 07:45:12この判断が、全ての間違いだったと今になればわかる。 私は、何時間でも待つべきだったんだ。彼の元に戻ってはいけなかったんだ。
2011-11-02 07:46:38そうして、彼から話を聞く。事故にあったこと。脳の手術をしたこと。一時期スキンヘッドになってた理由。別れた理由。 余命のない自分と付き合っていたら不幸になると、別れる決意をしたと。でも、好きだから完全に縁を切ることはできなかったと。 女性と遊んだというのも嫌われる為の嘘だと。
2011-11-02 07:48:55私は、ハッキリ言って彼の話を信じられなかった。 別れてからも沖縄旅行に誘ったら乗ってくれたりして、本当にこの人は私をどう思っているのだろうかと考えてはいたけれど、それでも嫌われてないならいいと。そう思って過ごしていた。 その夜、何年かぶりに「愛している」と言われた。
2011-11-02 07:51:47それで、私は何もかもどうでもよくなってしまった。 やっと目覚めて、私が帰った事に気づいて泣いている優しい彼も、別れてから必死に整理した心も、あの彼とは別れて正解だったよと言っていた友達の言葉も、何もかもどうでもよくなってしまった。 だって、ずっとその言葉を待ち望んでいたのだから。
2011-11-02 07:54:09そして、冷静になると彼の言葉はやはり嘘としか思えない。何よりもタイミングがよすぎる。私が彼を本当に諦めて別の男性と生きようと決意をする筈だった晩なのだ。 単に私が他の男に取られそうになったから焦って無理やり引き留めただけなのではないか?と私は疑った。
2011-11-02 07:57:03けれど、10年前のように私にベタベタで好きだと沢山愛情表現してくれる彼が嬉しくて幸せで、馬鹿な私は何も考えようとしかった。
2011-11-02 07:58:15優しい彼は、私がよりを戻したと聞いてとてもショックを受けて。それでも「俺は最初から友達でいいと言ってる。まこちゃんって人間が好きだから。それでも構わない」と言ってくれたけれど、とてもとても辛そうだった。
2011-11-02 08:00:12優しい彼と今まで通りの友達付き合いをしていると、優しい彼はとても辛そうな顔をすることが増えた。 彼は、私の友達付き合いに口はだしたくないと言いながらも疑心暗鬼と嫉妬にかられていた。
2011-11-02 08:02:11今のままでは誰も幸せになれないと思った私は、優しい彼と友達としても縁を切ることにした。 優しい彼は何度も泣いて、友達ですらいられないのかと、ただたまに遊ぶだけすらも許されないのかと嘆いていた。
2011-11-02 08:04:03よりを戻したのが秋。優しい彼と完全に絶縁したのが春先。 その頃には彼はよりを戻した頃のはしゃぎようは嘘だったかのように落ち着き、そしてまた病んでいた。 今思えば、優柔不断な私が彼を追い詰めていたのだと思う。嫉妬と疑心暗鬼の辛さは、今回身にしみてわかったから。
2011-11-02 08:06:43そうして震災があって。 彼は初夏に「いわきを復興したい。だから 俺は福島に移住する」そう宣言して仕事を辞めた。 ずっと頑張って働いていたから。二人で彼の友達の結婚パーティーに出席したりしたけれど、それ以外彼はずっと遊んでいた。
2011-11-02 08:09:18でも、彼は何だかおかしくなっていってた。 旅行が落ち着いたら、毎日毎晩明け方まで飲んでいるという。欠かすことなく毎晩。「身体壊しちゃうから飲みすぎは駄目だよ」と言っても毎晩毎晩飲み歩いていた。アルコール中毒になったのかと思っていた。
2011-11-02 08:12:53前から行きたかったツーリング旅行をしたり、親友君と北海道旅行をしたり、友達と旅行をしたりといつも出かけていた。 ずっと私のせいでしたくもないお仕事を頑張ってくれていたから、私は何も言わなかった。
2011-11-02 08:10:53