三国志こばなし集 2023年4月号

三国志こばなし集 @omikanboy3594

女「…あなたがマリア様な訳ないわ」 女「そうよ！この女は魔女よ！」 金(…違いないな) 女「本当のマリア様はどこにいったの！」 女「私たちのマリア様を返して！」 曹丕「…」 郭嘉「…まだ見守るのですか？」 曹「ここがあの女の勝負所だ、郭嘉」 許褚「…」 女「魔女を石打ちの刑にするわよ！」

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女「あんたが本当のマリア様なら、大雨を降らせてみなさいよ！」 金「…分かりました」 女「魔女がなんか言ってるわよ？」 金「私が大雨を降らせた上で、その雨を晴らし、虹をかけて見せましょう！」 女「何言ってんの、この魔女？」 曹「…これは凄いことが起きるぞ」 郭「そんなバカな！」 許「？」

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金郷公主「雨よ！」 女「…嘘、雨が降ってきたわ」 女「どんどん強くなってくる！」 曹丕「何者だ、あの女？」 郭嘉「…」 許褚「…」 金「さあ！この雨を私が晴らしたなら、私を認められますね！」 女「…できるものならやってみなさい！」 女「無理よ！」 何晏「さすがマリアだな〜」 于禁「…」

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金「太陽よ！私との契約の証としてこの雨を晴らし、虹をかけなさい！」 曹「おいおい…」 郭「本当に雨が止んで行きますよ…」 許「…」 女「雲が晴れていくわ！」 女「あれを見て！みんな！」 女「虹がかかってる！」 金「神との契約を、私が結んだ証です、天使たち！」 女「…じゃあかみさまは？」

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金「私を信じて、天使たち」 女「…」 金「まずはこの地獄の門から、出るだけでいいから」 女「…」 金「私を、信じて」 女「…はい、マリア様」 何「グッジョブ！マリア！」 于「…」 何「門を閉めてこれる、厲侯？」 于「顔を隠します」 何「これ使いなよ」 于「はい」 何「似合ってるよ！厲侯！」

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女「マリア様。あなたを疑ってしまい、申し訳ございませんでした」 金郷公主「いいえ。全ての罪は私にあります、天使たちよ」 女「マリア様！」 金「…今エデンには、天使たちはいませんね？」 女「はい、マリア様」 于禁「！！」 女「門が閉められたわ!?」 女「そんな！まだかみさまがいるのに！」

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女「やっぱりあの男はユダだったのよ！」 曹丕(あれはもしや于禁か？) 郭嘉「…嫌な予感しかしませんよ、曹丕殿」 許褚「…」 于「閉めて参りました」 何「ありがとう！厲侯！」 于「…」 何「じゃあ、フィナーレといこうじゃないか！厲侯！」 于(…もう、私には、この人のことを止める事はできない)

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何「点火！」 于「…」 許「…火の匂いが」 郭「虎痴殿！今すぐ消防団に連絡を！」 許「すでにやっている！」 曹「…」 女「かみさま！」 女「どうして！エデンに火をつけるのですか！」 女「門を開けて！かみさま！この門を開けて！」 金「なりません！」 許「消防団！あの女たちを、止めてくれ！」

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何晏「もうこの地獄の業火は消せないだろうな」 于禁「…」 何「地獄も大した事なさそうだ」 于「…」 何「忘れないでね、厲侯」 于「…」 何「僕が生きたくもないのに生きて、犯した罪の全てを受け入れてもなお、大地獄から地獄に行けるであろうことを」 于「…」 何「忘れないでね、厲侯」 于「…」

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何「僕のような子どもたちが、知られていないだけで、他にもたくさんいるかもしれないことを」 于「…」 何「忘れないでね、厲侯」 于「…」 何「そんな子どもたちの一人が、僕のような悪魔になってしまったことを」 于「私の心の奥底に、深く刻み込みましたぞ、何晏殿」 何「…ありがとう」 于「…」

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何「もうお別れだよ、厲侯」 于「…」 何「このエデンが燃え尽きてしまう前に」　 于「…」 何「あそこの誰も知らない扉から、出ていってくれないか、厲侯」 于「…」 何「あなたの貫いた嘘つきに、僕をほんのひとかけらでも、遺してもらいたいから」 于「…おさらばです。平叔殿」 何「あ！待って！」

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于「はい！」 何「…このメモを持っていって！」 于「確かに！」 何「僕が生きた証の場所を、あなたに」 于「…」 何「バイバイ」 于「…私の嘘の中で、必ずあなたを生かし続けることを約束します、平叔殿」 何「ありがとう…」 于「…さらば！」 何(…) 何(あれ？目からお水が出てきているぞ？)

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何(…もしかして、僕は今、泣いているのかな) 何(これが、涙？) 何(…) 何(ずっとずっと、泣いてたんだな、僕は) 何(…) 何(この世に産まれてしまった時から、ずっと、ずっと) 何(…止まらないや、涙) 何(…)

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何(…) ？「！！」 何(なんだろう？) 曹爽「助けて！！死にたくない！！」 何(…) 曹「誰か！扉を開けてくれ！」 何(両腕両脚無くしてもなお、あいつは生きようと必死なのか？) 曹「誰か！誰か！」 何(…この期に及んで、僕はいったい、何を見せつけられているのだろう) 曹「！」 何(…)

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何晏(ずっとずっと、生きているのが辛くて、死にたかった、僕) 曹爽「！」 何(例えどんな目に遭おうとも、なりふり構わず、生に執着する、あいつ) 曹「！」 何(人間って、すごいんだな) 曹「！」 何(…) 曹「！」 何(もし神様が、本当にいるのなら) 曹「助けて」 何(僕とあいつの) 曹「！」

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何(どっちを助けてくれるんだろう) 曹「屋根が落ちる！」 何(…)

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もしもまた… 人として、産まれてくることを、許されたのなら… 僕は…

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金郷公主…自身の罪を暴露。天候を操ってみせたが、偶然にしてはできすぎている。 曹丕…人智など大した事ないと思わないか、郭嘉。 郭嘉…私には何も分かりません。 許褚…消防団と共に、半狂乱となった信者の女の子たちを静めていた。

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何晏…一体何が、彼の生をここまで苦しめることとなったのだろう。 曹爽…声の限りを尽くして助けを求めたが、誰にも聞こえていなかった。 于禁…彼の行方は誰も知らない。

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陳羣「何晏を首謀とした麻薬組織は壊滅し、何晏が信者とした女性を拉致監禁した建物は、全て炎上しました」 曹操「…」 陳「現場検証の結果、何晏らしき者の遺体が発見され、四肢を無くした者が意識不明の重体で…」 夏侯惇「…俺たちが子廉を救おうとしたからこれほどの事になったのだろうか」

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夏侯淵「でも、俺らが動かなきゃ、子廉は間違いなく死んでましたぜ？」 荀彧「…曹洪殿の容態は？」 曹「当面は入院だが、命に別状はないそうだ」 惇「…これで、良かったんだよな」 曹「その通りだ、みんな」 ♪〜 惇「どなたかな？」 典韋「おおい、お前さんたちよ！」 曹「どうした、大家さん？」

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典「最近、于禁さんの顔を見てねえんだが、なんか知らねえか？」 惇「…」 曹「長旅に出ているそうでな」 典「そうなのか？」 曹「そろそろ帰ってくるだろう」 典「于禁さんが帰ってきたら、俺の新作スイーツを試してくれねえか？」 惇「…楽しみにしてるよ、大家さん」 典「おう！自信作だからな！」

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曹操「さて、子廉の隠し財産とやらを確かめに行こうか」 夏侯惇「本当にあいつの質屋にあるのか？」 曹「宝の山がある訳ではあるまいよ」 夏侯淵「まあ、今なら行っても大丈夫でしょう」 荀彧「暗号は覚えていますか、みなさん？」 淵「ばっちりだ！」 曹「…すっかり人がいなくなったなあ」 惇「…」

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曹「私の推測が正しければ」 惇「なんだ？」 曹「皆。記憶した暗号を書いてくれ」 淵「…確か」 荀「これで良いですか？」 曹「読み上げるぞ」 惇「？」 曹「老驥伏櫪」 惇「…」 曹「志在千里」 淵「…」 曹「烈士暮年」 荀「…」 曹「壯心不已」 惇「良い詩だ」 曹「だろう？」 淵「あんたのかよ！」

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♪ 惇「今の音は!?」 曹「金庫の鍵の空いた音だろう」 淵「声帯認証ってやつですかい？」 曹「子廉か私の声だけで開く鍵だろうな」 荀「…じゃあ私たち要りました？」 曹「この方が楽しいではないか！」 「」 曹「カードと番号のメモが入っていた！」 惇「妙才！」 淵「合点！」 曹「なにをする！」