三国志こばなし集 2023年4月号

三国志こばなし集 @omikanboy3594

孫権「俺が酔っ払ってる時に言った戯言は全部嘘だからな！」 虞翻「異議あり」 孫「…なんだ」 虞「本日は四月馬鹿の日でござる」 孫「それがどうした！」 虞「すると我らは、殿の酔いの戯言を嘘ととればよいのか、誠ととればよいのか分からぬのではありませぬか」 孫「！」 劉基「一理ありますね…」

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陸遜「酔った戯言が全て嘘というご発言が嘘だとしたら…」 顧雍「酔った戯言が全て誠ということになりますな」 朱然「いや、素面の至言も全て嘘という可能性もあるのでは」 歩騭「素面の至言は全て誠かもしれませんぞ」 孫「これみよがしに話をややこしくするな！」 虞「結局どうなのです？」 孫「…」

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張昭「そもそも主君が宴で家臣に戯言を宣う前提が誤っているではないか、諸君！」 虞「たまには良いこと言いますな、張昭殿」 朱「我らはなぜその前提を疑わなかったのだ…」 孫「お前ら」 張「谷利。例の物を」 谷利「はい、かしこまりました」 孫「なんだ！」 張「アルコールチェッカーマスクです」

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孫権…マスクをしたら酒が飲めんではないか！ 張昭…今後はマスクの穴を通したストローから飲んでください。 虞翻…殿の呼気から自動でアルコールを検知する優れ物ですな。 劉基…殿の後ろのビジョンで現在の濃度が分かるのですな。 陸遜…今後の必需品にしましょう。 顧雍…素晴らしい発明品です。

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朱然…今までの宴で戯言言われなかったことなかったもんな。 歩騭…我が国にはいくつあっても足りませぬぞ、このマスク。 谷利…馬均という若者の発明らしいですよ。

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朱儁(四月馬鹿の日か。誰か騙せそうな奴は…) 皇甫嵩「…」 朱「義真！」 皇「おう、公偉」 朱「黄巾の張角が生き返ったらしいぞ！」 皇「そんな嘘をついてならん」 朱「さすがに良くないか！」 皇「…」 朱「お前は嘘などついたことないだろうな？」 皇「…私を帝になれと唆した者がいたぞ」 朱「!?」

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皇「さすがに断ったがな」 朱「嘘だよな？」 皇「…」 朱「おい」 皇「そうだ。帝に黄巾討伐での盧植殿の功績の見直しをお願いする上奏を考えているのだった…」 朱「待て、義真！」 皇「またな、公偉」 朱「…」 何進「朱儁！大将軍を辞めて肉屋に戻るぞ！」 朱「これが本当の義真暗鬼か…」 何「？」

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皇甫嵩…元気にしてるかな、閻忠。 朱儁…この日はずっと皇甫嵩が帝になった妄想が止まらなかった。 何進…肉食うか、朱儁？

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曹嵩「孟徳！」 曹操「なんですか、父上？」 嵩「お前、てんかんで倒れたそうではないか！」 操「誰がそんなことを言ったのです？」 嵩「…お前の叔父にあたる者だが」 操「ああ。あの叔父さんは私のことが嫌いだからそんなつまらない嘘をついたのでしょう」 嵩「そうか。そうだったのか…」 操「…」

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操「では失礼」 嵩「待て。孟徳」 操「…なんですか、父上？」 嵩「お前のことを疑うつもりはないのだが」 操「？」 嵩「今日は四月馬鹿の日ではないか」 操「！」 嵩「お前に限ってそのようなつまらん嘘をつくとは思わぬが、生憎この日に言われてしまうと私も信憑性を疑わざるをえなくてな」 操「…」

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嵩「そこのところ詳しく聞かせて…」 操「！！！」 嵩「何事だ！孟徳！」 操「ち………父上に……疑われた……衝撃で……」 嵩「すまぬ、孟徳！お前が四月馬鹿にのるような男ではなかったよな！」 操「…こ…呼吸……が…」 嵩「今医者を呼んでくる！」 操「…やれやれ」 何顒「さすが孟徳」 操「！」

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曹操…くれぐれもご内密に… 何顒…誰にも言わんよ。 曹嵩…曹操パパ。大枚叩いて三公の大尉の地位を得たが、それ以前のキャリアもなかなかにたいした人。

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許褚「殿」 曹操「ようやく堕ちたか」 許「はい」 曹「鄴の将は？」 許「捕らえています」 曹「行くぞ、虎痴」 辛毗「この外道が！」 審配「！！」 曹「辛毗…」 辛「こいつさえ、いなければ…」 審「裏切者は殺すのが常道だろうが！」 曹「…その裏切り者に城を開けてもらったのだが誰か分かるか？」

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審「知るか！」 曹「甥っ子の審栄だぞ？」 審「役立たずの小僧が…」 曹「お前は私に弩の雨を降らせてくれたな」 審「量が少なくて残念だったな！」 曹「本初と倅への忠だけで、ここまでやったのか？」 審「当然だ！」 辛「貴様が忠臣の訳ないだろうが！」 審「黙れ！裏切者！」 曹「…」 審「殺せ！」

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張子謙「正南。私とあんたはなにが違うと思うかね？」 審「忠臣と裏切者の違いしかないだろうが！たわけ！」 張「…」 審「雑兵！私を斬る前に北に向けろ！」 兵「あ？」 審「私の主君は北にいるのだ！」 曹「…そうしてやれ」 兵「…」 審「早く殺さぬか！」 曹「殺す準備は出来ているが、聞かせろ」

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曹操「お前の本初らへの忠とやらが、皆目理解できんのだ」 審配「なに？」 曹「この鄴だけで何人道連れにした？」 審「お前が戦をしたからだろうが！」 曹「ならばなぜ、お前と戦をすることになったのだろうな？」 審「貴様が攻めて来たからだ！」 曹「…話にならん男だな、審配」 審「何が言いたい」

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曹「本初が死んだ後、袁譚と袁尚の関係のみならず、君臣の仲を裂いたのは誰だ？」 審「…」 曹「本初の遺言をお前が偽造したと袁譚から聞いたが、本当なのか？」 審「…」 曹「本初があれだけ腰を据えた統治をした地だ。後継を定め、お前らが忠を尽くしていれば、私だって容易くは攻められぬのだぞ？」

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曹「それでお前の言った忠とやらが引き起こした有様はなんだ、審配」 審「…黙れ」 曹「袁譚と袁尚は憎悪に駆られ、君臣が殺し合う始末だ」 審「…やめろ」 曹「我らがそれに乗じて戦をすれば、袁譚は降伏し袁尚まで降伏の使者を送ってきた」 審「…」 曹「どの面下げて冥府の本初に会うのだ、忠臣よ」

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曹操「かつて臧洪という者がいたな」 審配「…」 曹「あの本初が随分苦労した戦だったと聞いたが、お前もいたのではないか？」 審「…」 曹「あの者を戦に駆り立てたのは、私が張邈の弟と戦をしたためではあるのだが…」 審「…」 曹「もしやお前は、本初の臧洪にでもなろうとしたのではなかろうな？」

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審「だからなんだ！」 曹「…哀れな男だ」 審「黙れ！」 曹「臧洪の戦は、一人も裏切者が出なかったのではなかったのか？」 審「！」 曹「臧洪は城に住まう者たちを逃がそうとしたにも関わらず、その者たちは望んで臧洪と命運を共にしたのではなかったのか？」 審「…」 曹「お前はなんなのだ、審配」

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審「…もう、やめてくれ」 曹「私ももう良い」 審「…」 曹「お前が忠を示したければ、本初が死んだ時に殉じていれば良かったのにな」 審「…」 曹「本初が後継の指名をしなかったなど考えにくいのだが、このような者しか配下におらぬのならば、どうしようもなかっただろうよ…」 審「…」 曹「殺せ」

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曹操…本初の家臣の仲の悪さは聞き知っていたが、これほどとはな… 許褚…寝返ってきた許攸がウザい。 辛毗…兄の家族を審配に皆殺しにされて恨み骨髄に徹した。 張子謙…曹操に寝返った袁紹配下。審配と不仲だった。

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臧洪…張邈の弟の張超への援軍を袁紹に却下された結果、城を挙げて袁紹に叛いた男。張超への忠を尽くして死んだが、ほとんどの住民を巻き添えにする惨劇にもなっていた。 審配…袁紹の忠臣。鄴城を陥された時に捕らえられ殺されたが、彼の家臣としての立ち振舞いは、到底忠臣のそれとは言い難い。

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馬謖「街亭の水不足が深刻だ…」 王平「大雨の祈祷でもします？」 馬「そんな非科学的でエビデンスがかけらもない無駄な行為に頼るほど、私は落ちぶれてはいない！」 王(事の発端はそもそも…) 馬「使うのはいるのかも定かでない神の力ではない。人間の力だ！」 王「どう使うんです？」 馬「穴を掘る」

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王(さっさと魏軍が攻めてこねえかな…) 馬「なんか掘り当てたぞ、王平！」 王「…なんだこの匂いは！」 馬「何かに使えるのではないか、この液体は！」 王「その前に、身体を洗ってください」 馬「身体を洗う水すら無いことを忘れるな」 王「…気分が悪くなってきますな、この匂い」 馬「私もキツい」