若年層に対する新型コロナワクチンの費用対効果についての備忘録

ワクチンの安全性や重症化予防に対する(定性的な)効果は疑っていませんが、有効であっても費用対効果に劣ることは当然ありえます。 新型コロナワクチンは無償化(=税負担化)ではなく打ちたい人が自費で打つようにするのが良いと考えます。
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箱のなかの海 @kawa_machi

最近、WHOから新型コロナワクチンに関する新たな勧告が出た。 insiderpaper.com/who-says-mediu… この記事には下記のような記述がある。

2023-04-04 23:59:13
箱のなかの海 @kawa_machi

「優先順位が中位のグループには、健康な成人(通常50~60歳未満で、合併症のない人)と、合併症のある子供と青年が含まれます。SAGEは、中優先度のグループに対して、一次接種と最初のブースター投与を推奨しています。このグループではブースターの追加投与は安全ですが、⇒

2023-04-04 23:59:39
箱のなかの海 @kawa_machi

公衆衛生上の見返りが比較的少ないため、SAGEでは日常的に推奨していません。 優先順位が低いグループには、6ヶ月から17歳の健康な子供と青年が含まれます。小児と青年では、一次投与とブースター投与は安全で効果的です。

2023-04-05 00:00:27
箱のなかの海 @kawa_machi

しかし、疾病負担が低いことを考慮し、SAGEはこの年齢層へのワクチン接種を検討している国に対し、疾病負担、費用対効果、その他の保健またはプログラム上の優先事項や機会費用などの状況要因に基づいて決定するよう促しています。⇒

2023-04-05 00:00:44
箱のなかの海 @kawa_machi

健康な子どもや青少年にワクチンを接種することによる公衆衛生上の影響は、ロタウイルスワクチン、麻疹ワクチン、肺炎球菌結合型ワクチンなど、従来の子ども向けの必須ワクチンや、優先順位の高いグループや中程度のグループ向けのCOVID-19ワクチンの確立した利益と比較すると比較的はるかに低いです⇒

2023-04-05 00:01:06
箱のなかの海 @kawa_machi

(略)すでにブースターの追加投与に関する政策を実施している国は、国の疾病負担、費用対効果、機会費用に基づき、進化する必要性を評価する必要があります。」

2023-04-05 00:01:46
箱のなかの海 @kawa_machi

WHOはワクチンの効果や安全性とは別に「公衆衛生上の見返り」、「費用対効果」、「機会費用」などを考慮することを求めている。 しかしながら、コロナワクチンの費用対効果についての記事や数字は検索しても比較的少ない。 そこで、公知文献から費用対効果を試算してみた結果を備忘録として残す。

2023-04-05 00:02:08
箱のなかの海 @kawa_machi

2023/3/28までの0~29歳の累積死亡者は135名。コロナが始まって3年ちょっとなので、単純計算で年間40名の死亡となる[1] 。 コロナワクチンの費用はワクチン本体が輸送費など含めて2700円/回+医療機関に3700円/回で6400円/回であり[2]、毎年2回の接種が必要になるとすると12800円/年。

2023-04-05 00:02:33
箱のなかの海 @kawa_machi

0~29歳人口は2021年10月1日で約3300万人。 コロナワクチンで若年層の死亡が0になるという最大限の効果を仮定しても、死亡者を一人減らすために105億円かかる計算になる。

2023-04-05 00:03:14
箱のなかの海 @kawa_machi

これは他の死者低減策に比べて費用対効果はかなり低いだろうと推測できる。例えば、自殺と不慮の事故は若年層の死因のTOP3に入るが、0~29歳の年間の死亡者数は自殺が3288人、不慮の事故が810人とコロナによる死亡者よりも1, 2桁多い[3]。

2023-04-05 00:03:30
箱のなかの海 @kawa_machi

それに対する政府予算は自殺対策が750億円[4]、不慮の事故の大きな割合を占める交通事故対策が2483億円[5]である。これらの予算は全年齢に対しての額のため、0~29歳に均等に割り振ったとしたらその1/3程度であり、コロナワクチンの3000億に比べて1桁小さい。

2023-04-05 00:03:59
箱のなかの海 @kawa_machi

効果的利他主義(Effective Altruism)という考え方がある。世界中には多くの問題があるなかで、全てまとめて同時に対応することは時間、お金などのリソースが限られているため不可能であることを認識し、できるだけ大きいソーシャルインパクトを与えることを目指す考え方である[6]

2023-04-05 00:04:52
箱のなかの海 @kawa_machi

何かにリソースを使うと決めることは、別のなにかにリソースを使わないと決めることに等しい。我々は見えるものだけでなく見えない物についても考える必要がある[7]

2023-04-05 00:05:31
箱のなかの海 @kawa_machi

[7]フレデリック・バスティア「見えるものと見えないもの」:libertarian.up.seesaa.net/image/B8ABA4A8…

2023-04-05 00:05:50
箱のなかの海 @kawa_machi

私は功利主義者ではないので功利のみを基準とすることは反対だが、その他の条件が同等であるなら功利が大きい方を選ぶべきであることには当然同意する。また、私的な慈善ではなく、税金を使う公的な対策であるならばより功利主義的になるべきだとも考える。

2023-04-05 00:06:10
箱のなかの海 @kawa_machi

自殺や事故の対策費と死者数減の関係を明確にするのは難しいのは確かだが、それでも100億円/人にはならないと考えるのが自然である。 もし私が毎年予算を100億円使って良いから死者を1人以上減らせ(余った金は自由にして良い)と言われたら喜んで受ける。予算が1億円でもやる。

2023-04-05 00:06:23
箱のなかの海 @kawa_machi

最初に書いた通りワクチン自体の安全性や効果を疑っているわけではないから、お金と時間と人と物が無限にあるなら税金を費やす価値はあるかもしれない。しかし、現実の日本ではそれより優先すべき事がたくさんある。特に低リスク層へのコロナワクチン無償化(=税負担化)は早急に辞めるべきと考える。

2023-04-05 00:07:03
箱のなかの海 @kawa_machi

予想される反論とそれに対する再反論をいくつか書いておこう。

2023-04-05 00:07:15
箱のなかの海 @kawa_machi

Q1. 死亡者数だけでなくlong covidなどの後遺症を考慮するべきでは? 死亡者数以外を考えても良いが、それなら他の対策も死亡者数以外(例えば自殺なら鬱や自暴自棄な行動、事故なら四肢損傷や骨折、擦り傷など)を考慮するので結論は同じだろう。

2023-04-05 00:07:29
箱のなかの海 @kawa_machi

費用対効果を考える際に重要なのは数と影響の掛け算である。たとえ人数が多くてもその影響が小さいなら、たとえ死亡や大きな後遺症であっても人数が少ないなら、対策の必要性は低く評価される。 その数と影響の掛け算の指標の一つが疾病負荷(disease burden)である。

2023-04-05 00:07:52
箱のなかの海 @kawa_machi

私が例に上げた自殺や交通事故は若年層の死因のTOP3に毎年入っており、疾病負荷は全年齢でもTOP20に入っている[8]。一方で、低リスク群で疾病負荷が低いことはWHOの勧告でも明記されている。 あくまで一般論だが、高い山ほど裾野が広いのが普通である。

2023-04-05 00:08:04