CD&D3→『ロードス島戦記』の流れとAD&D→D&D3→D&D5の流れからの『アウトローたちの誇り』についてのメモ

歴史的事実について誤解をしていた件を訂正しつつ、そういえばという話を書いておきました。
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tricken @tricken

聴いてる。「今回のD&D映画は、国内RPGでいえば『ロードス島戦記』より“リプレイ集映画”っぽさがある」と話してる。ソードワールドRPGだと『スチャラカ冒険隊』『バブリーズ』、シャドウランだと『漆黒の魔術師』あたりですかね。D&D自体もWebリプレイあります。 twitter.com/i/spaces/1mnGe…

2023-04-18 23:26:04
tricken @tricken

「リプレイ映画として観たとしても、解釈が一意に定まらない(そしてどの解釈でも結構面白く読めてしまう)」あたりが、“ゲームリテラシーを駆動した場合の”D&D2023映画の本番と感じてる。

2023-04-18 23:32:20
tricken @tricken

前も別のスペースでちょっと補足しましたが 1. 新和版D&D (Classic D&D) の紹介リプレイ (by 水野良) →2. d100下方ルールに差し替えた『ロードス島戦記RPG』リプレイ(設定は継承) → 3. 小説『ロードス島戦記』 →4a 『ソードワールドRPG』&4b『ロードス島戦記RPG』 5. SWリプレイ集 の順です。

2023-04-18 23:52:05

『ロードス島戦記』刊行時期のみ誤りでした。この後より細かい順序を描き直します。

tricken @tricken

振り返って過去の水野良さんのコンプティークリプレイの経緯をみたら、「自分がDMになったのはSNEの主要メンバーがAD&D (Advanced Dungeons & Dragons) をやっていて、 (Classic) D&Dができるのが自分しかいなかった」って説明になっているな。4gamer.net/games/999/G999…

2023-04-18 23:55:22
リンク 4Gamer.net ゲーム好きの少年が考えた世界観が「ロードス島戦記」へ。日本のファンタジーシーンに大きな影響を与えた水野 良氏にインタビュー 日本のゲームシーンにテーブルトークRPGの楽しさを広め,国産のファンタジー小説として広く親しまれた「ロードス島戦記」。2018年にはシリーズ30周年を迎え,2019年に待望の新シリーズが予定されている。その著者である水野 良氏に,ゲームとの出会いからなろう系ファンタジーまで,いろいろな話を聞いた。 41 users 209
tricken @tricken

「AD&DとC&Dがあって……」という話、D&D3以降はあまり話さなくてよくなったかと思いきや今度は「D&D4(→D&D5)とPathfinderとTBHとDWがあって……」みたいな世界に突入してしまったので、D&Dがいつまでもひとつの指輪にならない。

2023-04-19 00:00:43
タジマヂュン @JuneTajima

@tricken 全体の完結という意味でならもちろん小説の方が後だけど小説第1巻だけなら2.より3.の方が先よ。

2023-04-20 02:40:35
tricken @tricken

@JuneTajima おっと、すみません。月単位の前後関係を見直します

2023-04-20 08:52:18
tricken @tricken

タジマさんの指摘を受けて、1974年から1989年ロードス/SW1までの経緯の粒度を細かく並べ直しました。 1974年:【原書】オリジナルD&D(白箱)刊行 1977年a:【原書】AD&D(Advanced Dungeons & Dragons)第1版シリーズ刊行開始 1977年b:【原書】D&Dベーシックルール第1版刊行

2023-04-21 01:01:04
tricken @tricken

1983年:【原書】D&Dベーシックルール第3版(いわゆるBECMIのB, 「赤箱」)刊行 1985年:【ここから日本語】「赤箱」の日本語翻訳ボックス(いわゆる「新和版赤箱」)発売 1986年08月:ロードスCD&D第1部リプレイ開始@コンプティーク誌 1987年05月:ロードスCD&D第2部リプレイ開始@コンプティーク誌

2023-04-21 01:01:39
tricken @tricken

1988年04月:『ロードス島戦記 (1) 灰色の魔女』刊行(角川文庫版) 1988年08月:内製ルールに切替え第3部開始@コンプティーク誌 1989年03月:『ソードワールドRPG ルールブック』(富士見ファンタジア文庫)刊行 1989年09月:『ロードス島戦記コンパニオン』刊行 ということでした。

2023-04-21 01:02:17
tricken @tricken

幾つかのポイント: (1) ロードス島戦記の裏で動いていたメカニクスはAD&DではなくCD&D(なぜならCD&D3にあたるBECMIのB (1983年刊行)が翻訳されたのが1985年で、その紹介の文脈だから) (2) 採用メカニクスがCD&Dでなく内製のd100下方メカニクスになるのはリプレイ第3部から

2023-04-21 01:06:05
tricken @tricken

(3) 第2部(CD&D)と第3部(内製d100下方)の間の1988年04月に、角川文庫から『灰色の魔女』が出て、そこでやっとロードス島戦記の世界観が一度小説という形で(=D&Dリプレイ以外の形で)確認できるようになった (4) SNE内製メカニクスとしての登場はSW1よりロードス島RPGの方が半年ほど早い

2023-04-21 01:08:31
tricken @tricken

(5) メカニクスの存在としてはロードス島RPGの方が早いが、エンドユーザが手に取れるルールブックという形ではSW1文庫版基本ルールブックが『ロードス島戦記コンパニオン』より約半年早い

2023-04-21 01:09:42
tricken @tricken

ちなみに深沢美潮『フォーチュンクエスト』の第1巻も1989年(11月)刊行です。

2023-04-21 01:10:45
tricken @tricken

1986–1988までの約3年間の水野良&グループSNEによるD&D紹介の試みが『ロードス島戦記』につながったのはそうなんだけど、そのベースになったのがAD&D1でなくCD&D3だった、というのは、原則AD&D経由D&D5ベースの映画とロードス島を比較する際にちょっと念頭に置きたい。ちょっと座組や質感が違ってくる

2023-04-21 01:15:48
tricken @tricken

同じ大祖父D&Dの派生物なのは違いないんだけど、CD&Dの(特に「エルフ」「ドワーフ」「ハーフリング」が【種族】でなく【クラス】だったような、振り返れば独特の)定義が、1980–90sの国産ファンタジーに齎した影響って、それがAD&Dだった場合のifの歴史とはだいぶ違ったと仮説してるんですよね。

2023-04-21 01:18:28
tricken @tricken

まあ「じゃあどんだけ違い得たのか」は、よりAD&D知ってる人に語ってほしいことなのですが。(自分はCD&D3=BECMIを通じてD&D、というか先輩DMの質感を教わったので、AD&DのことがわからないままD&D3.5以降にログインしてしまった)

2023-04-21 01:20:28
tricken @tricken

国内では1985年から2003年までCD&D系列のD&Dの経験がそこそこ膾炙しており、AD&Dを遊んでる人は(翻訳されてはいたので、いたけど、CD&Dと比べると)多くなかった。それがM:tGで成功した後に落日のTSRから版権を買ったWotC社が2000年に出したD&D3は、AD&Dの1st, 2nd Editionを発展的に継承したもの。

2023-04-21 01:24:05
tricken @tricken

D&D3は2002年にホビージャパンが版権を取得して日本語版を展開、その後D&D3.5シリーズ(原著は2003年から)も2005年以降翻訳されて、いよいよ「最新のD&D≠CD&D」「最新のD&D= AD&D2の総合的リファイン」という感触になった。

2023-04-21 01:26:51
tricken @tricken

D&D4, D&D5は、もちろんそれぞれの版でチャレンジしてるけど、基本的にはD&D3以降の路線を受け継ぎながら、「総合的に、D&Dシリーズは今後どうあるべきか」という問に対して色々な角度から応え続けてきてる印象がある(実際、D&D5は、AD&D路線の延長の中では、CD&D的な質感に近づいてるかも)

2023-04-21 01:28:46
tricken @tricken

ただその系譜って、基本は日本で相対的に認知されてないほうの系譜(AD&D1,2, D&D3,4,5)であって、CD&D3, ロードス&SW1, (いろいろな国産RPGシステム), 現在 という極東の太い受容史の系統とはちょっと距離があったように思う(※個人の解釈が入ってます)。

2023-04-21 01:32:17
tricken @tricken

(D&D3以降は、作品として純粋に品質が良いことと、ホビージャパン+草の根の普及活動もあって、沢山遊ばれてたと思いますが、CD&Dが1980sの日本語圏にもたらしたマルチメディア的な影響とはまたちょっと違う、ということをここでは言ってます)

2023-04-21 01:34:42
tricken @tricken

映画の話に戻ると、CD&D3(とその前後にもたらされたゲームブックやT&Tやその他のファンタジー的なコンテンツ)が、DQ, FFと共に日本のファンタジーにもたらしたカンブリア爆発的な影響って結構大きいけど、今回のD&D映画がもってる魅力って、それと少し異なる兄弟のrootだよねっていう。

2023-04-21 01:37:34