茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3153回「日本では、賢さは一度も水面上に浮上したことがない。」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１５３回をお送りします。文章は即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

今日のNowVoiceで印象的な質問があって、日本はこれまで賢い人、学力が高い人が難しいことを言って牛耳ってきたという質問者の認識だったんだけど、ぼくの分析は別で、今まで、日本のメディアで「賢い人」が出てきたことは一度もないんじゃないかと思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

まず、賢さとは、偏差値や学歴のことではない。クイズに答える能力でもない。テレビを始めとする日本のメディアで「この人は賢い」と紹介されてきた人々（精確に言えば、そのようなキャラ設定）は、賢さとは全く関係ない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

さらに、最近は、性格が悪い、ちょっとひねくれたことを言う的なキャラ設定を、賢いとか、天才とか褒める傾向や一部に見られるけれども、そんなのも賢さとは関係ない。本当に賢い人は、ストレートで優しい。Open AIの中核のサツキバーの話をちょっと聞いてみればいい。

茂木健一郎 @kenichiromogi

加えて、最近は、日本でも新自由主義の毒が回ってきていて、金儲け上等、利己主義ベースでしょ、みたいなマイルドヤンキー的なキャラがネットでもテレビでも跋扈しているけれども、こういう輩も賢さとは全く関係ない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

賢さとは、たとえばアラン・チューリングのようにまっすぐで、自分の脆弱さにも自覚的で、他人に対してはやさしいことだけど、そのようなキャラが日本のメディアの中で賢さとして扱われたことはまずない。日本では、賢さは一度も水面上に浮上したことがない。まがい物しかないのいだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート３１５３回、「日本では、賢さは一度も水面上に浮上したことがない。」をテーマに６つのツイートをお届けしました。